衆議院と参議院は共に国会の仕事をしていますが、互いに独立して審議を行います。原則として両院の意思(議決)が一致したときに国会の意思となりますが、必ず両院の意思が一致するとは限りませんので、憲法では、両院協議会や衆議院の優越について定めています。
両院協議会は、衆議院と参議院の意思が異なった場合に両院の意思の調整を図るための話合いの場です。
両院協議会は、衆議院と参議院から選ばれた10名ずつの協議委員で組織され、各議院の協議委員の3分の2以上の出席のもと開かれます。
両院協議会において、出席協議委員の3分の2以上の多数で議決されたとき、両院協議会の成案となります。ただし、成案は、その後、両院の本議会で議決されなければ国会の意思とはなりません。
両院協議会は、予算の議決、条約締結の承認、内閣総理大臣の指名で両院の意思が異なった場合には必ず開かれ、法律案の場合は、必要に応じて開かれます。
憲法は、衆議院と参議院の意思が一致しないときに、いくつかの点で、衆議院に強い権限を認めています。
これを衆議院の優越といいます。
対象となる案件 | 衆議院の優越の対象となる場合 | 優越による結果 |
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予算の議決、 条約締結の承認 |
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衆議院の議決がそのまま国会の議決となる |
内閣総理大臣の指名 |
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衆議院の議決がそのまま国会の議決となり、衆議院で指名された人が内閣総理大臣になる |
法律案 |
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衆議院がもとの案を出席議員の3分の2以上の賛成で再び可決したとき、法律となる ただし、両院協議会を求めることもできる |