国会のしくみと法律ができるまで!
本会議の審査
本会議とは
本会議は、議員全員が出席する会議のことで、議院の意思はここで決定されます。本会議は、総議員の3分の1以上の出席を得て開かれ、その議事は特別の場合を除いて出席議員の過半数の賛成で決められます。法律案などの審議や国務大臣の演説に対する質疑(代表質問)のほか、議長の選挙、特別委員会の設置など議院の運営に関する決定も行われます。
議場(本会議場)
本会議が開かれる部屋を正しくは議場といいます。衆議院と参議院の議場は、ほぼ同じような造りになっていますが、参議院の議場にのみ、開会式のときに天皇陛下がお座りになるお席があります。
- 議長席
- 本会議は議長が議事を進行します。議長席は、本会議場の正面中央部分の一段高いところにあり、議場全体がよく見渡せるようになっています。
- 演壇
- 演壇は、議長席の前にあります。本会議で発言する場合は、原則として演壇で行います。
- 大臣席
- 大臣席は、議長席の左右にあります。内閣総理大臣の席は、正面に向かって左の列、最も議長寄りにあります。大臣は、自分が担当する法律案が議題となったときは、本会議に出席することになっています。
- 議席
- 議場に設けられた議員の席を議席といい、演壇を中心に半円形に配列されています。各議員は、所属する会派別に座っています。参議院の議席には、氏名標と呼ばれる名札、押しボタン式投票機、記名投票のときに使う白と青の木札が備え付けられています。木札は白が賛成を、青が反対を意味します。
本会議の審議方法
法律案を本会議で議論することを審議といいます。また、法律案を国会で議論する過程そのものも審議といいます。
本会議での審議には決められた手順があり、法律案は、次のようなプロセスで審議されます。
- 1.委員長報告
- 本会議での審議は、まず、法律案の審査を担当した委員会の委員長から委員長報告を聴きます。
委員長は、法律案の内容、委員会での主な質疑や討論を紹介し、委員会が出した結論を議員全員に報告します。
- 2.討論
- 議員が法律案に対して賛成・反対の立場から意見を述べることです。討論が行われる場合は、反対、賛成の順に行います。通常、議員は会派単位で意思統一していますので、討論は会派を代表した意見となります。
- 3.採決
- 本会議では、委員会の審査の報告を基に採決を行い、議院としての最終的な結論を出します。出席議員の過半数が賛成すれば可決となります。
参議院では、法律案などの議案の採決は、原則として押しボタン式投票で行います。ただし、議長が必要と認めたとき、または出席議員の5分の1以上から要求があったときは、賛成を表す白と反対を表す青の木札を用いた記名投票で行います。
このような手順で法律案は、衆議院と参議院でそれぞれ独立して審議され、原則として衆議院と参議院の意思(議決)が一致したときに法律となります。しかし、必ず両院の意思が一致するとは限りませんので、憲法では、衆議院の再議決や両院協議会の制度を定めています。