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まぼろしの議事堂
一般から寄せられた議事堂意匠設計案

 現在の議事堂の意匠設計は一般から募集されました。
 大正7年(1918年)、大蔵省に臨時議院建築局が設置され、議事堂建築の基本計画が作成されました。議院建築調査会で同年決議された要綱に準拠したものです。その要綱は、建築敷地、所要室数及びその面積、建物階数、建築費及び工事年限などの事項にわたりました。設計の方法については、
 「意匠設計ハ充分愼密(ゆきとどくこと)ノ用意アルヲ要スルカ故ニ其ノ考按ヲ汎ク国内ニ求メ、成ルヘク多数ノ設計図案ヲ蒐メ其ノ優秀ナルモノヲ簡抜シテ之ヲ実行シ、又ハ参考ニ供シ以テ全施設ノ上ニ遺算ナキヲ期セサルヘカラス、是レ設計図案ヲ一般懸賞競技ノ方法ニ依リ募集セントスル所以ナリ」
 とされました。
 募集規程は、大正7年9月16日に官報広告されました。
 設計にあたり、本館は3層、建坪3600坪内外、東方を正面、やむを得ないものを除き国産を用いること、建物の左翼が貴族院・右翼が衆議院などの条件が付され、建築の様式は随意ながら「議院トシテ相当ノ偉容ヲ保タシムルコトヲ要ス」とされました。また、参考として間取略図が付けられました。
 募集は2次にわたり、第1次募集は大正8年(1919年)2月、その当選者による第2次募集は同年9月を期限としました。

第1次当選図案

 第1次募集には118通の応募があり、20図案が当選しました。
 当選者には、それぞれ1000円の賞金が授与されました。
 下は、第1次当選図案の正面図です。
 「日の出」「悦」などは、審査の際に設計者名がわからないようにするために付けられた暗号です。

画像をクリックすると拡大します。

第1次当選図案1「日の出」 第1次当選図案2「悦」 第1次当選図案3「春潮」

左から「日の出」、「悦」、「春潮」

第1次当選図案4「朝」 第1次当選図案5「國栖」 第1次当選図案6「仁義」

左から「朝」、「國栖」、「仁義」

第1次当選図案7「華」 第1次当選図案8「朱雀」 第1次当選図案9「四方柾」

左から「華」、「朱雀」、「四方柾」

第1次当選図案10「さがりふじ」 第1次当選図案11「龍」 第1次当選図案12「平和礎」

左から「さがりふじ」、「龍」、「平和礎」

第1次当選図案13「もゑぎ」 第1次当選図案14「聖」 第1次当選図案15「兆」

左から「もゑぎ」、「聖」、「兆」

第1次当選図案16「大入」 第1次当選図案17「旭」 第1次当選図案18「盛」

左から「大入」、「旭」、「盛」

第1次当選図案19「輝」 第1次当選図案20「葵」

左から「輝」、「葵」

第2次当選図案

 第1次当選者を対象に第2次募集が行われました。
 第2次の募集に当たっては、第1次募集での設計にとらわれず、さらに研究して優秀な設計を行うよう求めました。
 新たに図案が提出され、4図案が当選しました。

  • 第一等(賞金1万円)宮内技手 渡邊 福三
  • 第二等(賞金6000円)技師 吉木 久吉
  • 第三等一席(賞金3000円)宮内技手 永山 美樹
  • 第三等二席(賞金3000円)陸軍技手 竹内 新七

 実際の基本設計は、これら当選図案を参考とし、臨時議院建築局が作成しました。

画像をクリックすると拡大します。

第2次当選図案(第一等 渡邊福三氏) 第2次当選図案(第二等 吉木久吉氏)

第一等(渡邊福三氏) 第二等(吉木久吉氏)

第2次当選図案(第三等一席 永山美樹氏) 第2次当選図案(第三等二席 竹内新七氏)

第三等一席(永山美樹氏) 第三等二席(竹内新七氏)

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