事務局からのお知らせ

子ども国会を実施しました。

 東日本大震災からの復興という課題に対する理解を深め、我が国の未来について語り合う機会を提供するために開催

子ども国会宣言

子ども国会宣言
 私たちは、「子ども国会~復興から未来へ~」のために全国から集まりました。きのうの委員会では、「東日本大震災からの復興と私たちの未来」という共通のテーマのもと、「家族、友達とのきずな」、「地域、日本全体のきずな」、「世界の人たちとのきずな」について、熱心に議論し52ました。そして、子ども国会を通じて日本の未来をより良くするために、私たちは新たな第一歩をふみ出し、次のとおり宣言します。
 一、家族、友達とのきずなをより深めていくために
 私たちは、当たり前に過ごしている生活の中で忘れがちな、家族、友達への感謝、思いやりの気持ちを大事にして生きていかなければなりません。そして、周りの人たちと積極的にコミュニケーションをとりながら、相手のためにどう行動すればいいかを考え、今できることを行動に移すことが必要だと考えます。
 二、家族、友達とのきずなを大事にし、支援の輪を広げるために
 私たちは、震災のことを絶対に忘れず、日常の幸せを自覚し、家族や友達と支え合っていきたいと思います。そして、学校でのあいさつ運動などを通じ、あいさつや会話を増やし、やさしい気持ちや思いやりの心を持って接していきます。また、被災地のために子どもが小さな活動を続けていくことで、支援の輪が広がっていくことを望みます。
 三、日本全体が協力して被災地の復興と安全・安心のまちづくりを行うために
 私たちみんなが、震災の時の気持ちを忘れず、被災地のことを真剣に考えてボランティア活動などに取り組むことや、毎日のあいさつや地域の行事でのふれあいを通じて人々の交流を深めることなど、震災の体験をいかして、自分が、今できることを考えて行動することが大切だと考えます。
 四、みんなが支え合い、助け合える地域や国づくりを進めていくために
 私たちは、どんな状況でも周囲の人たちと助け合えるよう、「きずなの日」を設け地域の行事や活動に参加する機会をつくるなど、小さなことから始め、日本全体のきずなを固く強いものにしていくとともに、子どもも含めた一人一人が被災地の立場に立って自分に何ができるかを考え、さらに、考えるだけではなくみんなで協力して行動に移し、募金活動などにこれからも取り組んでいくべきと考えます。
 五、世界の人たちからの支援に感謝し日本が世界に役立つために
 震災で大きな被害を受けた時、温かく支援してくれた世界の人々に対する感謝の気持ちを忘れず、世界で災害がおきた時には、私たちが進んで様々な支援を行うとともに、手紙でメッセージを伝えていくことが重要だと考えます。震災の経験から学んだことを世界に発信することは大切であり、これからは日本の技術をいかした防災対策や自然エネルギー分野の開発などを通じて世界に役立っていくことを望みます。
 六、世界の人たちとの交流を深めるために
世界の人たちと一緒に勉強や仕事、スポーツなどをする機会をつくることで交流を深め、お互いを理解し合い、世界が平和になるよう行動していきます。また、被災地の人々の生活の様子について、写真やビデオレターを送ったり、インターネットで発信したりするなどして、一人でも多くの世界の人たちに被災地の現状を知ってもらうことを望みます。
 私たちは、子ども国会に参加して、様々な人たちとのきずなの大切さを改めて発見できました。今後は、ここに集まった子ども国会議員の仲間たちとともに、支え合うことの大切さを、学校や地域の友達に伝えていきます。そして、子ども国会宣言を全国に発信して、きずなの大切さを広く大人の人たちにも分かってもらいましょう。
  一人一人の力は小さくても、みんなで協力して行動を起こせば大きな力となります。私たちは、子ども国会で出会った仲間たちとのきずなを大切にしつつ、日本の未来を希望の光で輝かせたいと願っています。

子ども委員会報告

家族、友達とのきずな第1委員会
 昨日の家族、友達とのきずな第一委員会の議論について報告します。
 委員会では、まず、各委員より意見発表が行われました。
 各委員からは、震災の経験を通じて、普段は忘れがちな、家族や友達の大切さを知った、などの意見が出されました。
 そして、家族、友達とのきずなを深めていくためにはどうしたらよいかについて、
 相手への気配りや思いやりを忘れないこと、
 困っている人を見たらお互いに支え合い、助け合うこと、
 あいさつなど、周りの人々とのコミュニケーションを大切にして笑顔を広げていくこと、
 家族の関係を深めてきずなを強め合う日をつくること、
 一人一人が被災地の人の気持ちになって取り組むこと、
 相手への感謝の心を持ち、それを行動して伝えること
 などが挙げられました。
 その後、意見交換を行ったところ、まず、家族、友達とのコミュニケーションについて、地域の活動に参加し、自分から積極的に話しかけるようにすること、家で今日あったことを話し合うなど、家族と長い時間を過ごすようにすること、などの意見が出ました。
 次に、相手のことを考えて行動することについて、相手の立場に立って、わざとじゃないことも自分が悪かったと気づいたらきちんと謝ること、自分がされてうれしいことを相手にもするようにすること、逆に、自分がされて嫌なことは相手にはしないようにすること、という意見が出ました。
 これらの議論を踏まえて、家族、友達とのきずな第一委員会では、次のような提言案を、委員会の提言とすることに決めました。
 まず第一に、私たちは、相手の気持ちになって思いやりの心を持ち、その人のためにどう行動すればいいかを考え、今できることを実際に行動に移していきたいと思います。
 第二に、今できている生活、家族、友達に感謝しながら、命を大切にし、明るく元気に生きていきます。
 第三に、周りの家族、友達に積極的に話しかけるなど、コミュニケーションを大切にして関係を深め、人と人とのつながりの輪を広げていきます。
 以上のように、家族、友達とのきずな第一委員会では活発な議論が行われました。
 これで、発表を終わります。
家族、友達とのきずな第2委員会
 昨日の家族、友達とのきずな第2委員会の議論について報告します。
 委員会では、まず各委員より意見発表が行われました。
 各委員からは、家族や友達を大事にしてもっと仲良くしたい、家族や友達のような強いつながりを周りの人に広げていきたい、家族や友達のきずなが復興を支える力になるとの意見が出されました。
 そして、家族や友達とのきずなを強めるためには、あいさつなどで言葉を交わしてつながりを作ること、お互い勇気を出して話し合い素直になること、優しく思いやりを持って接すること、苦しい立場にいるときほど味方になることなどが必要であるという意見が挙げられました。
 また、未来は自分たちが創るもので自分が動き出さなければならないとの思いから、いつも元気でいることでみんなに元気の輪を広げたい、子どもの小さな活動が大人を動かし大きな支援活動になってほしいなどの意見も述べられました。
 そのほかに、遠くに住んでいても相手を思う気持ちを行動に移せばきずなを感じてもらえる、他の人のために自分に何ができるか考えて行動したいという意見がありました。
 次に、自由に意見交換を行ったところ、被災地に募金や作文を送っている、あいさつを広めるため、学校であいさつ運動をしている、地域の方々とゴミ拾いやレクリエーションを行って交流している、勉強や学級活動、部活動をせいいっぱいがんばっているなどの意見が出ました。
 このような委員会での議論を踏まえて、家族、友達とのきずな第2委員会は、次のような提言を決定しました。
 第一に、震災によって、家族や友達と過ごす日常がどれほど幸せなことかを自覚しました。私たちは震災のことを絶対に忘れず、当たり前のことに感謝して、家族や友達と支え合いながら、今をせいいっぱい生きていきます。
 第二に、家族や友達とのきずなを強めるためには、学校でのあいさつ運動などを通じ、あいさつや会話を増やし、思いを伝え合うこと、やさしい気持ちや思いやりの心を持って接することが必要だと思います。私たちが笑顔と元気を心がけることで、被災地に勇気が届くことを望みます。
 第三に、相手が苦しいときほど味方になって助けることが必要です。被災地のために子どもが学校や地域の方々とともに小さな活動を続けていくことで、支援の輪が広がっていくことを望みます。
 これらの提言が実行され、みんなが家族、友達とのきずなを大事にし、支援の輪を広げて復興を支えることを願って、家族、友達とのきずな第2委員会の報告を終わります。
地域、日本全体のきずな第1委員会
 私は、地域、日本全体のきずな第一委員会を代表して、きのうの委員会の議論について報告します。
 まず、各委員より意見発表が行われました。
 各委員からは、被災地のためにできることについて、
 ・ボランティア活動や募金活動、節電、スポーツや文化活動を通じた被災地の子どもとの交流を行うこと、
 ・励ましの手紙やメッセージを送ること、
 ・被災地を積極的に訪れること、
 ・震災がれきの処理や放射能被害からの復興には、日本全体で支援することが大切であること、
 ・被災地の小学校と手紙を通じて双方向につながりを持ち、きずなの輪を広げること、
 などの意見が発表されました。
 また、みんなが幸せに暮らせる社会について、
 ・毎日のあいさつや行事でのふれあいの大切さ、
 ・津波予報の精度向上やひなん経路のバリアフリー化、
 ・経済優先ではなく「生命を大切にしていく社会」を築くこと、
 ・自然エネルギーなど環境に優しく、安全・安心なエネルギーの開発、
 ・日本の歴史は災害復興の歴史であり、歴史から災害に負けない工夫を学ぶこと
 などの意見も発表されました。
 次に、自由に意見交換を行ったところ、
 募金は、被災地の復興を早くするので継続して行うことが大切であるという意見がある一方、お金だけでなくボランティア活動や手紙、メッセージを送ることなど、心のケアも大切であるという提案、さらに、募金の使われ方を明らかにするともっと募金をする人が増えるのではないかといった提案などがありました。
 また、私たちが住んでいる地域における交流について、明るく元気なあいさつをする工夫や、学校でのあいさつ運動の取組の紹介があるなど、さまざまな議論が行われました。
 こうした委員会での議論をふまえて、地域、日本全体のきずな第一委員会では二つの提言をまとめました。
 一つ目は、私たちみんなが、震災のときの気持ちを忘れず、ボランティア活動など、今できることを考えて行動することが大切であるという内容です。
 二つ目は、全ての地域の人たちが、交流を深め、地域のつながりを強くすることで、安全・安心に暮らせるまちをつくることを望むという内容です。
  私たちの委員会では、委員のみんなが自分たちの考えをしっかり持ち、積極的な発言をして、充実した議論になりました。
 その結果、みんなでまとめることができた提言にもあるように、被災地がしっかり復興への道を歩めるように私たちも努力していきます。また、日本のみんなもいっしょに取り組んでくれることを希望します。
  以上で地域、日本全体のきずな第一委員会の報告を終わります。
地域、日本全体のきずな第2委員会
 きのうの「地域、日本全体のきずな第二委員会」での議論について報告します。
 委員会では、まず、意見の発表を行いました。
 各委員からは、「災害などが起きたときに、周囲の人たちと助け合えるようにしたい」、「これからも被災地のために自分ができることを考え、行動していきたい」という意見が多く出されました。
 また、「自然や生き物を大切にして復興を進めること」、「再生可能エネルギーなどで、必要なエネルギーを確保すること」、「防災対策を行うこと」、「がれきの処理や除染作業に日本全体が協力すること」が重要だ、という意見も出されました。
 次に、意見交換を行ったところ、
 人と人とのつながりを大切にするため、
 「『きずなの日』を設けるなど、学校や地域の人たちとの 交流の機会をつくること」や、「身の回りの小さなことから始めて、大きな『きずな』にすること」について、
 また、復興に向けて、
 「みんなで協力して、ボランティア活動や募金活動に取り組むこと」、「被災した人たちの心を支える支援が大切なこと」、「考えるだけでなく、行動が必要なこと」、
 などについて、さまざまな議論が行われました。
 このような議論をふまえて、私たちの委員会では、東日本大震災からの復興と、みんなが支え合い、助け合える地域や国づくりを進めていくため、次の二つの提言をまとめました。
 一つ目は、どんな状況でも周囲の人たちと助け合えるよう、積極的に地域の人たちにあいさつをしたり、「きずなの日」を設け 地域の行事や活動に参加する機会をつくるなど、小さなことから始め、日本全体の「きずな」を固く強いものにしていくことを望む、というものです。
 二つ目は、子どもにもできることがあるので、一人一人が被災地の立場に立って自分ができることを考え、考えるだけでなく、みんなで協力して行動に移し、募金活動などに これからも取り組んでいこう、というものです。
 私たちは、委員会での議論を通じて、全国の子ども議員から、しっかり意見を聴くことができました。そこで感じたことは、復興のためには、考えるだけでなく、行動することが必要だということです。笑顔であいさつをしたり、募金や被災地の学校との交流を続けていくなど、私たちにできることを、今日からやっていきたいと思います。
 これで、報告を終わります。
世界の人たちとのきずな第1委員会
 世界の人たちとのきずな第一委員会を代表して、きのうの委員会で行った議論について報告します。
 昨年三月の東日本大震災で日本が大きな被害を受けた時、世界の人々から食糧支援や救助活動など多くの支援が寄せられました。まず最初に、その支援に対して、世界の人々に心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。
 私たちの委員会では、まず、各委員から意見発表が行われました。各委員からは、震災の時に世界から寄せられた支援への恩返しをすること、世界の国々とスポーツや音楽などを通じて、国際交流を行うことでお互いの国や文化を理解すること、震災で学んだことを世界に発信するため、日本の技術をいかした防災対策や、風力、太陽光、地熱などの自然エネルギーの開発を通じて日本が世界に役立っていくこと、身近な取組の中で貧困や紛争に苦しむ世界の人々のためにできることをつみ重ねていくことなど、震災をきっかけに改めて感じた世界の人々との「きずな」を強いものにしていくために大切なことについて、様々な意見が出されました。
 これらの意見をもとに、意見交換を行ったところ、
 委員からは、世界の人々に対する感謝の気持ちを忘れないこと、今後、世界で災害が発生した時は進んで支援を行うとともに、手紙を添えて、励ましのメッセージを伝えていくことなどが重要だという意見が出されました。
 また、募金活動や使い終わったランドセルの寄付、子ども服を集めて送ることのほか、ペットボトルのキャップで世界の子どもにワクチンを届ける運動など、身近な取組を一人一人がつみ重ねていくことが大切だという意見が出されました。
 さらに、こうした身近な取組に参加する人を増やしていくため、貧しい国の人たちが苦しんでいる現状など、世界で起きていることを学校で話し合うことが大切だという意見も出されました。
 これらの意見発表、意見交換の議論をふまえて、世界の人たちとのきずな第一委員会では、次の三つの提言をまとめました。
 まず第一に、私たちは、東日本大震災で大きな被害を受けた時、世界の人々から多くの温かい支援をしていただきました。この時の世界の人々に対する感謝の気持ちを忘れず、今後、世界で災害が発生した時は進んで支援するとともに、手紙でメッセージを伝えていくことが重要だと考えます。助け合いの心があれば、世界は一つになっていくことができると考えます。
 第二に、私たちは、スポーツや音楽などを通して、国際交流を行うことで、いろいろな国や文化を理解するとともに、今回の震災で学んだことを世界に発信し、共有していくことが大切です。例えば、日本の技術をいかした防災対策や、風力、太陽光、地熱などの自然エネルギーの開発を通じて世界のために役立っていくことを望みます。
 第三に、私たちは、普段から世界の貧しい国の人々のために、できることを考える必要があります。募金活動やランドセルの寄付、子ども服を集めて送ることのほか、ペットボトルのキャップで世界の子どもにワクチンを届ける運動など、身近な取組を一人一人がつみ重ねていくことで世界の人々との「きずな」を深めていくことが大切だと考えます。以上が提言の内容です。
 日本はこれまでも、世界の国々にいろいろな形で支援に取り組んできましたが、これからは、震災で世界中から寄せられた支援の恩返しをする意味も込めて、災害が起きた国や、貧しい国々のために、これまで以上に積極的な支援を行っていくことが大切だと思います。ぜひ、国会でも日本が世界のために役立ち、できることをしっかりと議論してほしいと思います。
 私たち一人一人ができることはわずかな事かもしれませんが、たくさんの人の力が重なり合えば、大きな力になると思います。子どもにしかできないこと、大人にしかできないこと、そして日本にしかできないこともたくさんあるはずです。それぞれが真剣に考え行動することで、世界の人々との「きずな」をより強く、固いものにしていきましょう。
 以上で、世界の人たちとのきずな第一委員会の報告を終わります。
世界の人たちとのきずな第2委員会
 私は、世界の人たちとのきずな第2委員会を代表して、昨日の委員会の議論について報告します。
 私たちの委員会では、東日本大震災の際に多大な支援をしてくれた世界の人たちに感謝し、震災をきっかけに強く感じたきずなをより深めるためには、どのようなことが必要かについて話し合いました。
 委員会では、まず、各委員より意見発表が行われました。
 各委員からは、
 救助活動や義援金など、さまざまな支援をしてくれた世界の人たちに恩返ししていくこと、
 地震や津波が起きたときの経験や生活を豊かにするための技術などを世界へ伝え、役立ててもらうこと
 言葉や文化の違う世界の人たちと交流する機会をつくり、お互いを理解し合うことできずなを深めていくこと、
 などについて意見が出されました。
 また、
 被災地で暮らしている人たちの生活の様子を世界に伝え、一人でも多くの世界の人たちに被災地の現状を知ってもらえば、世界とのきずなはより深まるのではないか
 という意見もありました。
 次に、自由に意見交換を行ったところ、
 写真やビデオレター、インターネットを通じて、被災地の現状や役に立つ知識を世界の人たちに伝えていくことが重要であるとの意見や、
 震災の際、世界の人たちから寄せられた励ましの声に勇気づけられたことから、手紙や絵を送るなどして、感謝の気持ちを伝えていくことが大切であるとの意見、
 世界の人たちに貢献するために、大人と子どもが協力して行動していく必要があるとの意見が出されるなど、
 さまざまな議論が行われました。
 こうした委員会での議論を踏まえて、世界の人たちとのきずな第2委員会では次の三つの提言をまとめました。
 第一に、震災の際に助けてくれた世界の人たちに対し、今度は私たちがいろいろな形で恩返しをしていくことが大切です。日本は地震が多い国であるため、地震や津波が起きたときの経験を伝えたり、日本が持つ自然にやさしい、すぐれた技術を世界の国々に役立ててもらったりすることが重要であると考えます。また、そのために何が必要か、大人と子どもが協力して国全体で考えていくことを望みます。
 第二に、震災をきっかけに、たとえ言葉は通じなくても、相手を思いやる気持ちがあれば、世界の人たちと心を通じ合えることが改めて分かりました。世界の人たちと一緒に勉強や仕事、スポーツなどをする機会をつくることで交流を深め、お互いを理解し合い、世界が平和になるよう行動していきます。
 第三に、被災地には、今でも苦しい生活を強いられている人たちがいる一方で、元気に暮らしている人たちもたくさんいます。被災地の人々の生活の様子について、写真やビデオレターを送ったり、インターネットで発信したりするなどして、一人でも多くの世界の人たちに被災地の現状を知ってもらうことを望みます。
 このように、今回の委員会は、私たちにとって、今まで気づかなかった世界の人たちとのきずなの大切さ、遠く離れた場所に住んでいても、世界の人たちと心を通じ合うことができるということについて考える意義深い機会となりました。各委員からは様々な意見が出されましたが、その中には私たちにでもすぐに実行できそうなものもたくさんあると感じました。私たちの委員会の提言が国会や政府、その他大勢の人たちの協力を得て実行されればとてもうれしく思います。
 以上で、世界の人たちとのきずな第2委員会の報告を終わります。

参議院議長・副議長のあいさつ

参議院議長のあいさつ
 子ども国会議員の皆さん、こんにちは。
 参議院へようこそおいでくださいました。議長の平田健二でございます。よろしくお願いいたします。
 初めての経験で緊張されている方もいらっしゃると思いますが、緊張しないで子ども国会をスムーズに進行してください。今日から2日間、体調に十分注意されて過ごされますように祈念をしたいと思います。
 オリンピックが始まりました。日本選手は初日から大活躍です。これから2週間、是非また皆さんも、学校へ、あるいはおうちへお帰りになったら、精いっぱい応援をしてあげてほしいと思います。よろしくお願いいたします。
 さて、この子ども国会は今回で3回目を迎えました。1回目は今から15年前、1997年に開催いたしました。2回目はそれから3年後の2000年に開催されました。ちょうど皆さんがお生まれになったころではないかなというふうに思います。それから15年がたちました。3回目を今回、開催させていただきます。
 今回のテーマは、「東日本大震災からの復興と私たちの未来」ということでございます。被災した地域の皆さんにとって、大震災は余りにもつらい出来事でした。それでも、大震災のことを伝えたい、復興のためにたくさんの人の意見を聞いてみたいという気持ちで参加していただいたことに心を打たれます。また、直接の被害がなかった皆さんも、あの大震災を目の当たりにして、被災した友達を思いやり、被災地の復興や日本の未来を家族や友達と話し合ったことでしょう。大震災では大人も怖い思いをいたしました。これからどうなるんだろうと不安になりました。けれども、大震災に負けない皆さんの笑顔を見て、お父さんやお母さんも、きっと、よし、頑張ろうと思ったはずであります。
 子どもには大人を動かす力があります。皆さんはこの時代を生きる私たち大人の希望です。一人一人はかけがえのない存在であります。だからこそ、誰かを傷つけ苦しめるいじめは、とても悲しくひきょうなことだと思います。これまで、いじめをなくすためにどうすればいいか、何度も何度も話合いがあったのに、今もいじめがなくならないことを悔しく私は思います。
 今回、それぞれの熱い思いを胸に皆さんにはお集まりをいただきました。是非、この機会に今日お集まりの多くの仲間の皆さんと大いに議論をしてください。是非、皆さんの豊かな発想力ですばらしい提言がなされることを心から期待をいたしております。
 最後に、これまでプレ・イベントを含めて、子ども国会の開催にお力添えをいただいた関係各位に深く感謝を申し上げますとともに、被災地の復興に向けて、国会に期待されている役割をしっかりと果たしていくことをここにお誓いを申し上げ、私からの挨拶といたします。
 ありがとうございました。
参議院副議長のあいさつ
 子ども国会議員の皆さん、おはようございます。副議長の尾辻秀久です。
 子ども国会の本会議が開かれるに当たり、挨拶をいたします。
 このマイクは、やってみましょうか、こうやると上がるのです。私の場合には上げる必要がありません。なぜだかは聞かないでください。背の高い人が立つと、これがうんと上がってきます。
 昨日から皆さんはこの国会の中で議論をしています。国会にどんな印象を持ちましたか。これまでは、自分たちには何も関係がないところだと思っていたと思いますけれども、少し印象が変わりましたか。
 私が、今皆さんが座っているその席に最初に座ったのは、今ちょうど8月上旬でありますから、きっちり23年前であります。緊張したのをよく覚えています。そして、23年たった今でもやっぱりその本会議の席に座ると緊張をいたします。私でもそうなのだから、皆さん方はうんと緊張して今座っているんだろうと思います。
 長く生きてきたので、一つ言わせてください。
 私たち人間は、緊張をするから進歩していくのだと思います。緊張したり上がったりするから少しずつ進歩をしていくんだと思っています。今、私も皆さんを前にしてうんと上がっています。上がっているけれども、下手だけれども、一生懸命お話をしようと思っています。人生というのは、一生懸命頑張ることが一番大事なことだと思っているからであります。
 国会は立法府とも呼ばれています。国民の皆さんの生活に必要なこと、大事なことを決める、その法律を決めるところであります。また、そのほかに、総理大臣を誰にするかを決めたり、国のお金の使い道、使い方を決める予算を決めたりもします。そのように、国の大事なことを決めているところです。そして、その大事なことを最後に決める場所がこの本会議場なのであります。
 もう皆さん聞いたと思いますけれども、この国会議事堂というのは昭和11年に建てられました。ですから、76年の歴史があります。この本会議場もその間、国の歴史を76年の間ずっと見てきたところです。特別の空気が流れておるように私たちも思いますから、皆さんもきっと何かそんなことを感じながら座っているんだろうなと思います。
 昨日から今日にかけて皆さんはいろんな議論をしてきましたし、またこの後もするのでしょう。いろいろな意見が出てなかなかうまくまとまらなかったということもあっただろうと思います。そういうときは多数決で決めます。多数決で決めますけれども、それじゃ最初から多数決で決めればいいではないかというふうに言ったら、それでは少数の人たちの、少ない意見の人たちの声が全く無視されてしまいます。民主主義の大事な、一番大事なルールは、そういう少数の人たちの意見も尊重し合う、みんなで一生懸命議論し合う、そして、最後の最後に多数決で決める。このルールは一番大事なルールですから、よく覚えておいてほしいなと思います。
 私たちは神様じゃありません。神様じゃないからどの答えが本当に正しいのかは誰にも分からないのです。分からないから多数決で決めるというルールを作っているわけです。どうぞ、多数決というのは、そして民主主義のルールというのは、そういうふうにしてみんなで一生懸命議論して、時間を掛けて議論して答えを出していく、時間が掛かるんだと、民主主義というのは時間が掛かるのだということも是非知っていっていただきたいと思います。
 ここまで、ここに紙が置いてありますけれども、この紙は、正直に言うと、事務局の人が一生懸命考えて作ってくれたものであります。読んでいるふりをしてきましたけれども、全然読んでいませんでした。最後に、最後のところは、一生懸命この文章を作ってくれた事務局の人に心から感謝の気持ちを込めて、最後のところだけはしっかり書いてあるとおりに読みたいと思います。
 被災地はまだまだ復興の途中です。被災したお友達も苦しい毎日が続いているはずです。子ども国会は本日をもって終わりますが、被災地の復興や日本の未来について考えようと全国から集まった皆さんの意欲は誠にすばらしいものであり、日本の未来を預ける側の一人として大変頼もしく思います。どうか、その高い志を持って、それぞれの夢に向かってください。
 これからもみんなで、私たちは助け合って生きているんですから、お互いに感謝しながら、そして、被災して亡くなった方々の分までみんなで一生懸命頑張って生きていきましょう。
 今日もまた、議論を高めてください。

大臣のあいさつ・感想等

平野復興大臣の感想
 子ども国会議員の皆様方、改めて、おはようございます。御紹介いただきました復興大臣の平野達男でございます。
 「子ども国会~復興から未来へ~」本会議に当たりまして、一言御挨拶と感謝の念を込めた感想を申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 昨年の3月11日でした。大きな大きな地震が発生をいたしました。モメントマグニチュードという地震のその持つエネルギーを表す尺度、モメントマグニチュードといいますが、9.0、とんでもない大きなエネルギーを持った地震でございまして、被災地の方々はもちろんのこと、全国の皆さん方も、あの長い横揺れ、本当に大きな不安を感じたのではないかというふうに思います。その後、津波、そして福島では原発の事故が発生をいたしました。
 日本は未曽有の本当に大きな大災害に直面をしてしまったわけであります。
 あの震災でたくさんの方々が命をなくされました。今日、御参加の皆さん方には、御家族を亡くされた方も御出席していただいているというふうに聞いております。
 そして今、被災地では懸命の復興への努力がされております。政府も全力を挙げてその復興を支援すると同時に、政府が責任を持ってその復興を実施している、そういう地域もございます、そういった事業もございます。
 今日、そういう中で、皆さん方から6つの委員会での御議論の報告を受けました。本当に皆さん方、震災は恐ろしい、そういった観点だけではなくて、あの震災から何を学ばなければならないのか、それをしっかり見ているなということを、この場でお聞きしまして、深く深く感銘を受けました。
 まず、家族、友達とのきずな、この中で、相手の気持ちに立った行動をすること、そしてまた、人と人とのきずなを大切にするためにコミュニケーションを大事にしようじゃないか、大事なんだよねという、そういう意見、そしてまた、さらには、地域のきずなを深くするためにいろんな行事に積極的に参加しよう、あるいは挨拶をしよう、そういう意見もございました。そして、何よりも家族、友達への感謝、そして命を大切にとありましたですね。
 そして、この被災の中では、先ほど言いましたように、たくさんの方々が残念ながら命をなくされました。家族の中から犠牲になった方もおられます。そういう中で、家族を大切にしよう、命を大切にしよう、是非、ここでの委員会の議論、今日、皆さん方の思い、ここでの議論されたことをしっかり胸に刻んでこれから行動をしていただきたいというふうに思います。
 そして、地域のきずなということもございました。
 その中では、スポーツや文化活動、こういったものを通じて、例えば被災地の方々と交流を深める、あるいは被災地を積極的に訪問して交流を深める、こういった御提案もございましたし、是非とも皆さん方、このことをしっかりやっていただきたいと思いますし、国としても、皆さん方のそういった取組については、できることはしっかり支援をしていきたいというふうに思います。
 心のケアが大事だという御指摘もございました。それも本当に大事です。被災地は、まだまだ仮設住宅の生活が長くなる、そういう状況の中で、たくさんの方々が将来に不安を抱えながら暮らしている、そういう指摘も受けております。そういう中で、是非皆さん方が現地に行って交流を深める、そのことだけで被災地は元気付けられるのではないでしょうか。
 それから、世界の話がございました。
 今回の震災では、世界から様々な御支援をいただきました。お金だけではなくて、災害救助隊の派遣あるいは様々な医療物資の提供、こういったものを世界中からいただきました。野田総理を始め我々も各国には感謝の意を表しておりますけれども、是非とも皆さん方も、いろんな機会を通じてその感謝の意を世界に発信していただきたいと思います。
 そしてまた、この震災の教訓、世界に発していってください、そういう御提案もございました。そのとおりだと思います。今回の被災の教訓をしっかり検証して、学ぶべきことは何なのか、それをまとめて、後世に残すだけではなくて、世界にも発信していかなければならないというふうに思います。
 そして、先ほどの報告の中に、日本は災害復興の歴史だという、そういう報告がございました。日本は津波、地震が多い国だという、そういう報告もございました。日本は本当にそういう国でありまして、地震も津波も火山も台風も本当に多い国であります。だからこそ、日本はこういう風光明媚な自然豊かな国ができたとも言えますが、そのたびに日本はその災害と闘わなければなりません。
 しかし、皆さん方、先ほど災害復興の歴史と言いました。皆さん方のお父さんやお母さん、あるいはおじいさんやおばあさん、あるいはその前、どんな災害があったとしてもそれを乗り越えてきました。今回の災害も本当に大きな災害でありますが、だからといって乗り切れるというふうに安心していいということを言っているわけではありません。我々の、皆さん方のお父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、あるいはその前の先祖の皆さん方が取り組んできた復興の歴史、この復興の歴史をしっかり伝統を守って、今回の東日本大震災からもしっかりと復興・復旧を成し遂げていかなければなりません。
 今日の皆さん方の総括をお聞きしまして、改めて、復興担当大臣として復旧・復興への決意を新たにすると同時に、皆さん方ともいろんな機会を通じて、この復旧・復興に、連携を取りながら共に努力をしていきたい、そういう思いを強くいたしました。
 結びに、本日のすばらしい企画を実現してくださいました平田参議院議長を始め関係の皆様方へ感謝を申し上げるとともに、子ども国会議員の皆様方の前途がますます実り多きものとなるようお祈りし、挨拶とさせていただきたいと思います。
 日本の復興再生のために、共に歩んでまいりましょう。
 ありがとうございました。
野田内閣総理大臣の感想・メッセージ
 子ども国会議員の150名の皆さん、こんにちは。内閣総理大臣の野田佳彦です。
 先ほど、松久保議員のすばらしい宣言案の読み上げ、落ち着いていました。本当に上手だと思いました。また、子ども国会議長小林さん、落ち着いていますよね。トントンというあの音、本物の平田議長よりうまいと思いました。
 さて、皆さんはもう夏休みだと思いますが、その夏休みの冒頭に、ここ東京で子ども国会に参加をすることを選んでいただきました。その皆さんの意欲と意気込みに、まずは、ありがとうと申し上げたいと思います。とりわけ、岩手、宮城、福島各県を代表する議員の皆さん、皆さん一人一人は、これからふるさとを立て直していくという、その主人公であります。皆さんの参加を歓迎をいたします。
 2日間、実に熱心な議論を重ね、先ほど子ども国会宣言をまとめてもらいました。これからの国の仕事に活用をしていきたいと思います。
 国会議員と同じように本会議場の椅子に腰掛けている皆さん、国会議事堂の正門を通りましたね。この雰囲気をどう感じておられますか。ここが日本の国権の最高機関であります。日本の未来を議論する場であります。政治は、全ての日本人の暮らしを守り、この日本というすばらしい国を将来に引き継ぐために存在をいたします。
 皆さんが生まれ育った国、日本、この世界に冠たるすばらしい国、日本は、今難しい課題を幾つも抱えています。4つほど例を挙げさせていただきます。
 昨年3月11日の東日本大震災、私も被災地に何度も足を運びました。1000年に1度と言われる大津波の破壊のエネルギーはすさまじいものがありました。大自然のエネルギーに負けない人間のエネルギーを町や生活の復興に向けなければなりません。福島原発事故、今も生まれ育ったふるさとを離れ、避難生活を余儀なくされている人々もいます。学校の友達がばらばらになってしまっている町があります。クラブ活動をやろうと思っても、たくさんの人数の要るサッカーや野球はできない、バドミントン部だけがあるという、そういう学校もありました。全国の人々が一緒になって支えていかなければならないと思います。
 少子高齢化という言葉を皆さんは御存じでしょうか。生まれる子どもが減り、お年寄りの割合がどんどん増えていきます。社会の仕組みをいろいろと直していかなければなりません。
 そして、皆さんが大人になって、きちんと仕事をして、安心して暮らしをしていくためには、経済を良くしていかなければなりません。
 日本が、得意な分野を伸ばし、海外でも活躍をしていく。我が国の周りの海を探索し、宇宙を切り開いていく。そのための科学技術を発展させていくことも大事なことであります。
 こうした様々な課題は、皆さんのような世代が主役となって乗り越えていかなければなりません。皆さんも、いずれ責任ある大人となって、これから生まれてくる子どもたち、まだ生まれていない未来の日本人のために大きな決断をしていかなければなりません。
 これからの時代を担っていく皆さんにお願いをしたいことがあります。
 第1に、何事も決して人任せにしないということであります。
 日本が抱える様々な課題は、誰か任せにして解決するものではありません。もちろん、私のような政治家は大きな責任を負っています。しかし、日本の国を元気にしていくという仕事は、政治や行政だけのものではございません。
 第2に、他人を思いやる心を忘れないということであります。
 被災地の皆さんは、お互いに励まし合い、支え合って苦しいときを乗り越えてきました。全国から多くのボランティアや寄附も集まりました。これから進める復興に当たっても、全ての日本人が支え合っていかなければなりません。
 被災地だけではありません。今、皆さんの身近で苦しみ、困っている人はいませんか。もしかしたら、いじめられている子がいるかもしれません。見て見ぬふりをせず、声を上げ、先生や両親に相談をする、そうした身近な苦しみをなくしていくことからより良い町、より良い国、より良い世界が見えてくるはずだと思います。
 第3に、世界の中で生きるという姿勢を持つことであります。
 皆さんには世界の現実をよく見て知ってほしいと思います。今も内戦が続き、戦禍の中にある国もあります。飢えや感染症で生まれたばかりの赤ちゃんが次々と死んでしまうような国もあります。
 大震災の後、日本には160を超える国、40を超える国際機関から支援が寄せられました。アメリカの軍隊が自衛隊と一緒に被災地で支援をしてくれました。貧しい子どもたちが小銭を空き缶に集めて届けてくれました。また、まさに今、遠くロンドンで開かれているオリンピックでは、日本の選手たちが世界の強豪と堂々と渡り合い、私たちに夢と勇気を、そして感動を届けてくれています。
 私たちは世界とのつながりの中で生きています。世界の中での日本は尊敬される立派な国であるために、皆さんは世界を舞台に人類全体に貢献するという志を持ってほしいと思います。
 いろいろ申し上げました。この2日間が皆さんにとって将来宝物のようなきらきら輝く思い出になることは間違いないはずであります。ここで出会った各県代表の子ども議員ともたくさん友達になって、大きくなったときにも思い出してほしいと思います。皆さんがよき大人になってこの国をしっかりと支えてくれる日を心待ちにしながら、私からの挨拶を終わります。
 総理大臣になって初めて、ずっと静かに聞いてくれたのは初めてです。やじのない見事な皆さんの態度に心から敬意を表します。ありがとうございました。

 ※子ども国会議員の数150名に訂正されました。