令和6年8月27日~9月2日
参議院は、ODA調査派遣第2班(団長青木一彦議員、青山繁晴議員、石川大我議員及び若松謙維議員)を、令和6年8月27日(火)から9月2日(月)まで、インド共和国に派遣しました。
デリーでは、オクラ下水処理場において、急激な人口増加と工業化・都市化に伴い深刻化しているヤムナ川の水質汚染に対し、下水処理能力を改善させ、流域諸都市住民の衛生環境・健康状況の向上を図るヤムナ川流域諸都市下水等整備計画(円借款)の実施状況を視察しました。また、デリー高速輸送システム建設計画(円借款)により整備され、交通渋滞の改善や大気環境に貢献しているデリーメトロに試乗し、車両内や駅構内を視察したほか、貧困層や女性等の社会的に脆弱な人々に対して、迅速かつ適切な医療サービスの提供を可能とするためのウッタルプラデシュ州ガーズィヤーバード県アンチャル病院医療機材整備計画(草の根・人間の安全保障無償資金協力)の下で医療機材が提供されたアンチャル病院を視察しました。
チェンナイでは、急増する道路交通需要への対応を図り、チェンナイ都市圏の経済発展に寄与するチェンナイ周辺環状道路建設計画(円借款)の実施状況を視察した後、民間投資促進や産業振興に関連する政策・制度の改善を促すとともに、インフラ整備の早期実現を推進することにより、投資環境の整備を図るタミル・ナド州投資促進プログラム(円借款)について説明を聴取しました。また、循環器疾患・がん・糖尿病・慢性呼吸器疾患等の非感染性疾患対策に向けた医療施設・機材の整備及び医療従事者の能力強化等により、都市保健医療システムの改善を図るタミル・ナド州都市保健強化計画(円借款)の下で整備された病院を視察しました。
ムンバイでは、マハラシュトラ州ムンバイとグジャラート州アーメダバードを結ぶ約500kmの区間において、日本の新幹線システムを利用して高速鉄道を建設することにより、連結性の強化及び対象地域の広範な経済発展に寄与するムンバイ・アーメダバード間高速鉄道建設計画(円借款)の実施状況を視察しました。また、増加する輸送需要への対応を図り、地域経済の発展・都市環境の改善等に寄与するムンバイメトロ3号線建設計画(円借款)において整備され、開業を控えたムンバイメトロ3号線に試乗し、車両内や駅構内を視察したほか、ムンバイ中心部とムンバイ湾を挟んだ東郊のナビムンバイ地域を接続する海上道路を建設してナビムンバイ地域等への連結性向上を図り、ムンバイ都市圏の経済発展に寄与するムンバイ湾横断道路建設計画(円借款)の下で建設された道路を視察しました。
さらに、シタラマン財務大臣及びムンバイ都市圏開発庁(MMRDA)関係者とそれぞれ会談し、我が国の開発協力の在り方等について率直な意見交換を行ったほか、インドで活躍するJICA海外協力隊員、国際機関邦人職員、日系企業関係者等と意見交換を行いました。