令和6年9月1日~9月12日
長浜博行参議院副議長を団長とする副議長班一行(松山政司議員、斎藤嘉隆議員、谷合正明議員、榛葉賀津也議員及び井上哲士議員)は、9月1日から9月12日まで、ルーマニア、スロバキア共和国及びポーランド共和国を訪問しました。
これらの国はいずれもウクライナと国境を接しており、各国の議会・政府要人(議長、副議長、外務委員長、対日議員連盟会長、首相等)との会談では、ウクライナ情勢やウクライナからの避難民に対する支援に焦点が当てられたほか、日本との経済協力を始め二国間関係の深化や議会間交流の更なる発展に向けて意見交換が行われました。
ルーマニアにおいて一行は、チウカ上院議長、チョラク首相とそれぞれ会談を行うとともに、チウカ議長主催夕食会に出席し、クンペアヌ上院副議長、対日議員連盟の会員であるフェケット環境・水利・森林大臣等とも懇談しました。
今般のルーマニア訪問は、チウカ議長の招待により実現したものであり、参議院代表団の同国公式訪問は2002年以来、実に22年ぶりとなります。会談では、ルーマニア側から、日本のODA支援に対する謝意が示されたほか、ウクライナ産穀物輸送におけるルーマニアの役割、ウクライナ避難民の受入れ等について意見を交わし、日・ルーマニア戦略的パートナーシップに基づき両国の協力関係を更に発展させるとともに、ロシアによるウクライナ侵略により国際情勢が厳しさを増す中、価値観を共有する両国が一層連携を強化していくことで一致しました。
また一行は、ウクライナからの避難民に対する登録や就労・教育・医療面での支援をワンストップで行うウクライナ避難民支援センターを訪問し、ザパタUNHCR事務所長、リアッティUNICEF事務所長、クラリンバルWHO事務所長、マカヌIOM事務所長等から、支援の現状等について説明を受けたほか、ルーマニア最後のODA案件となるブカレスト国際空港アクセス鉄道建設計画(M6プロジェクト)の建設現場を視察しました。
次に一行はスロバキアを訪問し、ケーリ外務委員長と会談するとともに、同委員長主催昼食会に出席し、外務委員会所属議員と懇談しました。スロバキアの建国以来、参議院副議長の同国訪問は今回が初めてであり、会談では、スロバキア議会における対日議員連盟の創設や議会間交流の活性化のほか、ウクライナ避難民への人道支援等について意見交換を行いました。ケーリ委員長からは、ロシアのウクライナ侵略は重大な国際法違反との指摘がなされ、スロバキア政府によるウクライナ避難民への住宅提供等の支援について紹介した上で、ロシアに対するNATOの圧力により緊張が高まっていることから、国際社会のバランスを保つ必要性についても見解が示されました。
また一行は、UNHCRスロバキア事務所を訪問し、エフェンディッチ事務所長から、UNHCRのスロバキア政府に対するサポートやウクライナ避難民支援の現状と課題について説明を受けるとともに質疑応答を行いました。
さらに一行は、ポーランド上院の招待により同国を公式訪問し、グルピンスキ上院副議長と会談したほか、セヴェリンスキ上院対日友好議員連盟会長主催夕食会に出席し、2020年に参議院の招待により訪日したグロツキ前上院議長や多くの対日議員連盟会員とも懇談しました。会談では、ロシアによるウクライナ侵略により国際安全保障環境が厳しさを増す中、同志国との連携がこれまで以上に重要になるとの認識で一致したほか、ウクライナの復興に向けた両国の協力の可能性、議員連盟の活動を通じた議会間交流の促進、両国の文化・学術交流等について意見交換を行いました。
また一行は、ウクライナからの避難民児童に対する教育支援や心のケアを行うUNICEF教育・開発センターを訪問するとともに、ワルシャワ大学及びポーランド日本情報工科大学を訪問し、日本語を学ぶ学生等と懇談しました。
以上のほか、一行は、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所跡地及びワルシャワの無名戦士の墓にて献花を行ったほか、在ウクライナ日本大使から最新のウクライナ情勢についてオンライン・ブリーフィングを受けるとともに、ワルシャワのウクライナ商工会を含め、各国において日系企業関係者、文化・芸術関係者等と懇談会を実施し、現地情勢やロシアのウクライナ侵略によるビジネス及び生活への影響等についてお話を伺い、意見交換を行いました。