参議院の動き

最高裁判所長官の祝辞

議会開設百三十年記念式典
令和２年１１月２９日

本日、ここに、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、議会開設百三十年記念式典が挙行されますことは、誠に意義深く、心からお喜び申し上げます。

明治二十三年に帝国議会が開設されて以来、我が国の議会は、大正、昭和、平成を経て、令和という新しい時代に、百三十年の節目を迎えました。この長い歩みの中で、議会は、数多くの困難を乗り越え、議会制民主政治の発展に努めてこられました。殊に、国民主権を基本原理とする日本国憲法の下、国会は、国権の最高機関として、また、国の唯一の立法機関として、我が国社会の発展と安定のために多大な貢献をされました。この記念すべき日を迎えるに当たり、改めて、議会政治の確立と発展に力を尽くしてこられたあまたの先人並びに関係の方々に対し、深く敬意を表します。

近年、社会や経済の構造的変化、人々の価値観の多様化が進むとともに、我が国を取り巻く国際情勢も、様々な利害が交錯して予断を許さない情勢となっているように思います。また、本年になって、急速に拡大した新型コロナウイルス感染症は、国内外の社会経済活動に依然として影響を与えています。こうした中で、議会が国政の中枢において果たされる役割は、ますます重要なものとなっております。

ここに、議会開設百三十年をお祝いするとともに、今後も、国会が国民の期待と信頼に応えてその責務を全うされ、我が国の安定と発展に寄与されることを祈念し、私の祝辞といたします。