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参議院の動き

参議院70周年記念論文表彰式

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 小さな力でも

福岡県  大牟田中学校 3年

岩本 優実

私には国会議員になったら実現したいことがあります。それは災害が起こったとき被災者が安心できる対応をとることです。そのためには災害を予知することや災害が起こりにくい工夫をすること、そして災害について知ることが必要だと思います。

今年の5月に私は家族と熊本地震のボランティア活動をしに益城町へ行きました。私の家も熊本にありますが、幸い大きな被害はなくあまり熊本地震を身近なこととは考えていませんでした。しかし益城町へ行ってみると車でたったの30分の場所にも関わらず私の住んでいる地域とはまるでちがう光景が広がっていました。ほとんどの家が崩れて屋根にはブルーシートがかけてあります。道路は割れて電柱が倒れているところもありました。私は自然の恐ろしさを改めて感じました。そして私に何かできるのか不安になりました。私たちは地震で散らかった家の片付けのお手伝いをしました。大きな石でできた石垣が崩れていて、家の中もたなが倒れ、ものが散乱していました。大きな家具を運んだりれんがや石を袋につめてトラックに乗せる作業は重たくて大変でしたが同じグループの人たちと協力してがんばりました。私たちがお手伝いに行ってすぐは暗い表情だったおじいさんも少しずつ元の姿に近づいていく家を見て、最後には笑顔になりました。私はそれを見てがんばってよかったと心の底から思いました。

しかし、おじいさんは昼食を食べたとき、「1人1食このおにぎり2つとおかずなんよ。自衛隊のおにぎりは大きかったけど塩も何もかかっとらんかったけん、おいしか。」とおっしゃっていました。私は普段、母が作ってくれる料理を残すことが多いです。でも同じ熊本の人が食べ物が足りず困っていることを知り、母にもおじいさんにも申し訳なくなりました。私はこれから残さず食べよう、またもう2度と起こってほしくないけれど、もし何か災害が起きたらまたボランティアをしようと決めました。

私が国会議員になったらまず避難所をもっと増やしたいです。できれば、避難所で熱中症になったり風邪をひいたりする人が出ないように冷暖房がついている学校や公民館を特に重要な避難所にしたいです。また、食べ物や水、薬などは近隣の県が協力して支援するような決まりをつくって被災者の方々が安全に過ごせるようにしたいです。次に、避難訓練を行いたいです。今も学校で年に数回行われますが、何人かふざけている人がいます。また、学校にいるときに起こるとは限りません。そこで私は地域住民みんなで避難経路を確かめる日を決めてみんなが関心をもつようにしたいです。そうすることで逃げるのが大変な高齢者や子どものいる家が分かるので万が一、何か起こったときもお互いに助け合うことができて地域のきずなもより深まります。さらに休日に実際に逃げてみるので緊張感があって、ふざける人もいなくなると思います。小さい子どもがいる家は難しいですが、夜に災害が起こることを想定して夜に避難訓練を行って、暗い中でもすばやく逃げることに慣れておくことも大切だと私は思います。最後に、災害について知っておくこと、これが最も大切だと私は思います。

例えば、熊本地震の時に私はピクピクと軽く地面が揺れた時、何が起きているのか分からず固まってしまいました。2、3秒たって今度は大きくゆれ始め、部屋の照明やおいてあった家具がガタガタいい始めたとき私はようやく地震が起きていることに気がつきました。さらに大きな地震の後にはプレートが戻ろうとしてゆれもどしという小さい地震が何度も起こることを初めて知りました。だから災害について知る場所をもっと増やし、若い人や子どもにも興味をもってもらえるように体験するものや遊びながら学ぶものを使って災害の恐ろしさについて気づいてほしいです。また、年に何回かテレビの映像を見たり実際に体験した人の話を聞いたりする時間を作りたいです。

私は熊本地震を通して本当に多くのことを学びました。この経験を忘れないようにしたいです。そして地震の恐ろしさや初めて知ったこと、ボランティアをしてみて思ったことなどをみんなに伝えて少しでも災害の被害者が減るように努めたいです。