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参議院の動き

参議院70周年記念論文表彰式

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 未来の日本について考える

香川県  香川県立観音寺第一高等学校 1年

中  洋月

現在、日本にはどのような課題があるだろうか。外交、震災にあった被災地の復興、年金問題様々な課題がある。様々な問題がメディアでも大きく取り上げられている。中でも私が社会人になっていくにつれ心配な問題がある。それは「女性の活躍と行政の課題」だ。

政府の成長戦略として女性の活用が挙げられ安倍内閣でも女性閣僚が起用され話題になった。しかし、女性には出産・育児と仕事の両立との課題があり女性の雇用問題についてはまだ解消したとは言えないだろう。

そこで私は、「企業の協力」「託児施設の充実」この2つの課題があると考えた。この2つの課題には企業が女性を雇用するにあたりどのような対策が必要なのか。また、2つの課題に行政がどう介入するべきなのか。現在の問題と照らし合わせながら、自分が国会議員になったら実現したいことを述べていこうと思う。



(1)企業の協力

平成19年4月1日改正雇用機会均等法が施行され男女の雇用について見直された。そこで女性向け求人サイト「エンウィメンズワーク」(2014年9月30日付)の働く女性を対象にした「働きやすい職場」に関するアンケートの結果を見てみた。


<参考資料1>

【職場で女性が不利だと感じた割合】

グラフ1

(出所)エン・ジャパン(株)が運営する求人サイト「エンウィメンズワーク」
  「女性の職場環境調査「働きやすい職場」を発表」(2014.9.30)
  http://corp.en-japan.com/newsrelease/2014/2812.html



ないと答えた人があると答えた人を上回り、年代別では年代を重ねるごとに不利だと感じた人のポイントが上昇した。やはり不利だと感じた人の最も多かったのは「出産後仕事を続けにくい」という意見だった。

では、働く女性は企業に対し働きやすい環境にするためになにを求めているのだろうか。


<参考資料2>

【女性が働きやすい環境にするために必要だと思うこと】

グラフ2

(出所)エン・ジャパン(株)が運営する求人サイト「エンウィメンズワーク」
  「女性の職場環境調査「働きやすい職場」を発表」(2014.9.30)より作成
  http://corp.en-japan.com/newsrelease/2014/2812.html



女性が働きやすい環境にするために必要だと思うことは何ですか?という質問に対し「職場復帰支援」「育児休暇制度」が上位に挙がった。また、同社の(2016年12月14日付)アンケートには男性が家事・育児参加できるような政策が必要との意見もあった。

この結果に対し、私は国会議員になったら、まず出産後の職場復帰支援の充実に力を入れたい。長期にわたり育児休暇を取得することで職場復帰しにくいと1年未満で復帰した人に対し企業は6時間未満の短時間勤務を保証することを義務付ける。また、早期復帰した人に国は月5,000円給付することを約束する。

そのほかに、男性にも家事・育児参加できるような政策を、との意見に対しやはり現状として男性の育児休暇の取得率は約2%と長期の休暇を取ることは困難なようだ。そこで長期ではなくても有給休暇のような短時間で使える、家事・育児を理由に取得できる休暇を20日設けられるようにしようと思う。



(2)託児施設の充実

現在、「一億総活躍社会」の実現に向け様々な政策が考えられている。

「エンウィメンズワーク」(2016年12月14日付)でのアンケート調査の結果を見てみよう。


<参考資料3>

【政府の一億総活躍社会での政策に期待する人の割合】

グラフ3

(出所)エン・ジャパン(株)が運営する求人サイト「エンウィメンズワーク」
  「女性の結婚・出産と仕事意識調査-『エンウィメンズワーク』ユーザーアンケート集計結果-」(2016.12.14)
  http://corp.en-japan.com/newsrelease/2016/3428.html



期待していないと答えた人が期待していると答えた人よりも15ポイント上回るという厳しい意見が得られた。

では、仕事・育児の両立をするにあたって女性の悩みは何があるのだろうか。


<参考資料4>

【現在の仕事を続けたいのに厳しい理由】

グラフ4

(出所)育児サイト『ベビータウン』https://www.babytown.jp/
  アンケート対象:ベビータウン会員の中で働いているママ(回答者数:917名)
  アンケート実施期間:2007年5月9日~5月15日



悩みとして、「子供を預ける保育園が見つからない(空きがない)」、「育児を理由に早退、欠勤することが会社の風土としてないから」が挙げられた。実際に現在、日本には待機児童が問題視されている。

この結果を踏まえ、課題となるのは託児施設の充実だと考えた。この問題を解決する方法として、託児施設の設置数を増やすのはもちろん保育士、幼稚園教諭の確保が必要だ。保育士などの現状として命を預かる仕事に対し収入が低い、離職率が高い、保育士・幼稚園教諭の数が少ないなどがある。

私は、託児施設の充実に向け、まず保育士・幼稚園教諭の確保に力を入れたい。そこで現在保育士・幼稚園教諭の確保のための政策として保育士資格取得の特例が設けられている。この特例は実務経験のある幼稚園教諭が保育士資格を取得するためである。この特例同様に実務経験のある保育士が幼稚園教諭資格を取得するための特例を設けることを提案する。保育園や幼稚園のどちらでも保育に関して知識を持った人が働くことで子どもを預ける親が安心でき、託児施設での雇用も増えると考えたからだ。

そのほか、保育士・幼稚園教諭の人たちにも出産をする保育士・幼稚園教諭の方もいるだろう。ほかの女性同様に出産を機に離職する人もいるだろう。そこで、保育士・幼稚園教諭も企業に勤める女性同様に(1)で私が述べた職場復帰支援を行うことで保育士・幼稚園教諭の確保ができると考えている。また、女性の輝く社会として女性を支援できるのではないだろうか。

最後に、国会議員は国民の代表であり、国の方針を決めることのできる人たちだ。女性、男性、国などそれぞれが協力しなければこれらの課題を解決することは難しい。国会議員が国民と国の懸け橋となり、全ての人が輝ける社会になってほしい。



《参考文献》

・エン・ジャパン(株)が運営する求人サイト「エンウィメンズワーク」
  http://corp.en-japan.com/newsrelease/2014/2812.html
  http://corp.en-japan.com/newsrelease/2016/3428.html


・内閣府男女共同参画局
  http://www.gender.go.jp/whitepaper/h24/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-04-07.html


・育児サイト「ベビータウン」
  https://www.babytown.jp/


・厚生労働省 保育士確保プラン
  http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000070942.pdf