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参議院の動き

参議院70周年記念論文表彰式

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 世界に羽ばたく子供たちのために

千葉県  千葉市立稲毛高等学校附属中学校 3年

加藤 澪音

私が国会議員になったら実現したいことは、子供が自国や他国の文化を学んだり、自己表現をしたりできるような機会を増やすことです。市民ミュージカルや英語サロンのように市区町村などの地域で行われる活動が、もっと広がっていったらいいと思います。

私がそう思うのには理由があります。

1つ目は、私が小学校2年生の頃から市民ミュージカルに参加していたからです。このミュージカルでは、小学生から大学生までの幅広い世代が1つになって舞台を作り上げていきました。演技や歌唱、ダンスの指導は全国各地で公演を行っている劇団による、本格的なものでした。このミュージカルに参加したことで、私は演技をすることの楽しさや自己表現の大切さを学ぶことができました。私はそれまで、自分から何かを主張したり、目立ったりすることをなるべく避けるようにしていました。しかしそれでは自分のことは評価されず、それどころか記憶に残っているのかすらも怪しい、ということに4回目の参加でようやく気がつくことができました。そこから私は、少し自信のないことでも立候補してみて、「もし選ばれたらもうけ物」くらいに考えていくようになりました。そのようなことを続けていたら、5回目には名前のある役につくことができました。自分から積極的に関わりをもっていく、参加していく姿勢の大切さを学ぶことができたのは、このミュージカルがあったからだと思います。

2つ目は、学校だけでは教えてもらえないようなことを教えてもらえることもあるからです。私は今年の冬、地域の中高生英語サロンに参加しました。そこでは、フィリピン人の先生がコミュニケーションのノウハウやボディランゲージについて教えてくれました。授業の中には外国人も交えたロールプレイや他の参加者とのディスカッションもありました。学校の英語の授業でもコミュニケーションやボディランゲージについて教わることはあり、ディスカッションでその場ごとに自分で英文を考えるという授業もありましたが、時間が短く他のことも教えなければいけないからか、必要最低限のことしか教わらなかったように思います。その分も、英語サロンでは細かいところまで、詳しく知ることができました。また、言葉で何度も言われていてもしっかり理解できていなかった「自分から伝えようとしなければ何も伝わらない、自ら発信することの大切さ」を体感し、直していかなければいけないと自覚しました。正しい英文で伝えなければ、間違った英語を使ってしまったら恥ずかしいという変なプライドが邪魔をして何も伝えられないよりも、間違った拙い英語でもどんどん発信していって、伝えたかった内容の1割でも2割でも相手に届けられた方がはるかに良いことに気がつきました。このように、学校の授業では伝えきれない深いところまで教わることができるのは、地域の活動だからだと思います。

3つ目は、授業の一環にしてしまうと参加することが強制になってしまい、純粋に楽しみながら吸収することが難しくなってしまうかもしれないからです。今回私が新たなことに気がついたり、直していこうと思ったりしたのは自分から進んで始めたことだからだと思います。同じ授業を受けていても、自分がやりたいことを学んでいるのとやりたくないことを嫌々学んでいるのでは、身につくものに大きな差があると思います。学校の授業にプラスアルファで自分が学びたいものを選べるように、選択肢を増やしていってほしいです。

これからの世の中は、自分で考え発信していく能力が必要だといろいろな場面で耳にします。そのために、自分で気づき考えるきっかけとなる場所、視野を広げる機会を増やすべきだと思います。私は、地域の文化交流や体験の場こそが自分で考える力を養うのに最適な機会だと思っています。

これらのことから、私が国会議員になったら子供が文化を学んだり自己表現をしたりできる機会を増やすための案を提出し、議会で認められたら国の資金の一部で補助していきたいです。