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参議院の動き

参議院70周年記念論文表彰式

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 その子は悪くない

兵庫県  芦屋市立潮見中学校 2年

中田 茉那

私は、今中学2年生です。私の住んでいる地域は、とてもお金に困っているという人がそんなに多くない地域です。今まで、小学校中学校と地域の学校に通った私は、とてもお金に困っている人を見た事がありませんでした。私の家も特にお金に困らず、ご飯に困った事も、持ち物に困った事もありません。この生活をあたり前だと思っていた私は、ある学校の衝撃的な話を聞きました。

その学校の地域は、誰かから逃げていたり、お金がなく家の電気やガスが止まっていたり、親がいない子などさまざまな状況の中で生活している子供達がいるそうです。そのような話の中で特に驚いた事があります。私達は義務教育の中で生活していますが、学校で使われる学習用ドリルやリコーダー、給食費や行事のお金などははらわないといけません。

その学校のある生徒は、給食費をはらってもらえるお金が無く、何カ月分も給食費がたまっているそうです。また、ある生徒は、学校で使われる学習用のドリルを買ってもらうお金が無く1人だけドリルがもらえなかったという子もいるそうです。その子はもし友達に「どうして○○君だけドリルがないの」と聞かれたら何て答えることになるのでしょう。お金が無いとしか言えません。そのような事を言わなくてはならない子供をつくっていいのでしょうか。他にもショックをうけた話があります。それは、みんなが楽しみにする大イベント、修学旅行の話です。修学旅行は遠くまで宿泊に行くので、お金をたくさんはらわなくてはいけません。その子は、修学旅行のために出すお金が家になく修学旅行に参加出来なくなるかもしれないことがありました。それは、その子のせいでしょうか。何も悪くない子が集団の行事に1人だけ参加出来なくなるかもしれないのはおかしいと思います。

私がテレビの番組でたまたま見た物にも、とても驚いたことがあります。ある大学生の女の子の話です。その人の家は、とてもまずしくお母さんは安定した仕事がありません。その人は、お母さんにいい暮らしをしてもらうために、大学に行き安定した職業につきたいと思っていました。けれど、高校卒業の時、大学進学のためのお金がありませんでした。自分で毎日毎日働き大学へ通っていましたがとてもたりなかったそうです。しかたなく、とても大変なバイトをするしかなくなりました。その人は今もそういう生活をしているそうです。そんな人がいる中、親にたくさんお金をもらい遊ぶために大学に通っている人もいます。

私は、このようなさまざまな事を知り、自分の見えている世界はとても小さいなと感じました。そして、何も悪くない子が学校という場でいやな思いをするのはおかしい事だと思います。私がもし国会議員になったら、最低、学校で必要な物は誰でも持てるように、ちゃんと頑張っている人は、自分で自分の未来を選べるようにしたいです。そのために、お金の補助をもっと充実させようと思います。これは、今の日本がしなくてはいけない事だと思います。どうして罪のない子が苦しむのですか。どうして頑張っている人が自分の夢をあきらめなくてはならないのですか。

私たちは、誰もが勉強する権利の守られた未来を望みます。