平成28年11月8日
公式実務訪問賓客として来日されたヌルスルタン・アビシェヴィチ・ナザルバエフ・カザフスタン共和国大統領が平成28年11月8日(火)、国会を訪問し、両院議長主催による歓迎会が参議院議場において行われ、ナザルバエフ大統領が国会演説を行いました。
伊達参議院議長は歓迎の挨拶で、これまで政治・経済・文化の各般にわたり結びつきを強めてきた両国は、互いに核兵器の惨禍にも見舞われており、カザフスタンが核実験の被害という過去の経験を踏まえ、核軍縮に積極的に取り組んできたことに敬意を表する旨述べるとともに、この度の訪日は、今後の両国関係を更なる高みへと導く契機として、誠に意義深いものであると確信する旨述べました。
ナザルバエフ大統領は、両国が大量殺戮兵器の破壊的な力を体験したことを指摘した上で、カザフスタンや世界の舞台における核軍縮の取組について述べるとともに、世界の指導者による広島・長崎への訪問を支持する旨述べました。さらに、現在、核大国同士の信頼欠如により核兵器使用リスクが高まっていることを踏まえ、アジア太平洋地域の連携強化に向け「アジア相互協力信頼醸成措置会議」を「アジア安全保障・開発機構」に改編すべきとの認識を示しました。また、来年から、国連安全保障理事会非常任理事国に就任するに際して、世界秩序にかかわる主要な問題の解決や平和と安全の強化に貢献し、日本とも協力する旨述べたほか、日本の安保理常任理事国入りに支持を表明しました。また、安倍総理大臣が昨年10月のカザフスタン訪問時に表明した中央アジアに対する新たな政策の実現は同国にとって大きな可能性を開くとの認識を示すとともに、同国において、よりバランスのとれた政治システム、発展した市民社会のための制度づくり、経済知識の向上という目標を達成するため、日本との協力を進めていきたい旨述べました。加えて、カザフスタン独立間もない時期からの日本による多大な支援に謝意を述べるとともに、今後の同国の一層の発展のため、日本との貿易・投資関係の拡大や先端技術・ノウハウの移転等に関する期待を示しました。
最後に、大島衆議院議長は、ナザルバエフ大統領が、「核兵器のない世界」の実現に向けて積極的に取り組み、近年では包括的核実験禁止条約の発効に向け、日本とともに尽力している旨述べるとともに、来年は両国が国連安全保障理事会非常任理事国となるので、アジア、そして世界の平和と発展に資するよう協力していきたい旨述べました。
歓迎会には、衆参両院の260名の国会議員が参列しました。
ヌルスルタン・アビシェヴィチ・ナザルバエフ・カザフスタン共和国大統領演説原稿 (ロシア語(PDF)) (仮訳(PDF))