平成27年6月3日
国賓として来日されたベニグノ・アキノ3世フィリピン共和国大統領が平成27年6月3日(水)、国会を訪問し、両院議長主催による歓迎会が参議院議場において行われ、アキノ大統領が国会演説を行いました。
山崎参議院議長は歓迎の挨拶で、これまでに培われた二国間の関係は、戦略的パートナーシップへと成熟を遂げており、両国の利益はもとより、広くアジア太平洋地域の安寧にも資するものと期待している旨述べるとともに、この度の御訪日は、今後の両国関係を更なる高みへと導く契機として、誠に意義深いものであると確信する旨述べました。
アキノ大統領は、日本が「日本方式」により歴史の中で多くの困難を乗り越えてきた旨指摘し、フィリピンにおいて長期的な事業基盤を確立する日本企業が今後も増加することへの期待を述べました。また、日本は、フィリピンにとって二国間自由貿易協定を締結している唯一の国であり、最大の貿易相手国で、観光面、労働市場の面でも関係が深いことに触れ、地域の安定の必要性に言及した上で、日本が平和の維持のために積極的な立場を取っていることを念頭に、日本の国会で行われている審議に注目している旨述べました。更に、日本はフィリピンが戦略的パートナーシップを築いている2か国のうちの1つであり、先の大戦から両国民の関係が不死鳥のように蘇ったと指摘し、日本はフィリピンにとって最大の政府開発援助供与国であること等について述べた上で、特にミンダナオ島の和平プロセスにおける日本の支援に感謝しました。そして、両国が今後も積極的に関与することが、地域における安定、繁栄、包摂性を実現するための支えとなると指摘の上、更なる高みに到達しようとしている両国の関係がこれから実を結んでいくことを期待していると結びました。
最後に、大島衆議院議長は、本日の国会演説が、来年の日本・フィリピン国交60周年に向けて、両国関係の更なる発展につながると確信している旨述べた上で、フィリピンとは、民主主義という同じ価値観を共有する同志として、共にアジア、そして世界の平和と発展に資するよう、協力していきたい旨述べました。
歓迎会には、衆参両院の359名の国会議員が参列しました。