参議院は、ＯＤＡ調査派遣第３班（団長榛葉賀津也議員、猪口邦子議員、島村大議員、平木大作議員、儀間光男議員）を、平成２６年８月１９日（火）から８月２９日（金）まで、フィリピン共和国、ベトナム社会主義共和国、モルディブ共和国及びカンボジア王国に派遣しました。

フィリピン共和国では、首都マニラ市内において、気象観測関連能力の向上等に関する支援を行っているフィリピン気象天文庁気象洪水予報センター（無償）、指紋自動識別システムの整備に関する支援を行っているフィリピン国家警察（無償）を視察しました。
　また、バリサカン国家経済開発庁長官と、交通インフラの拡充を始めとしたフィリピンに対する我が国の援助の在り方等について意見交換を行ったほか、青年海外協力隊員及びミンダナオ国際モニタリングチームのメンバーと意見交換を行いました。
　さらに、昨年発生した台風ヨランダにより甚大な被害を受けたレイテ州において、台風ヨランダ災害緊急復旧・復興事業（復旧・復興プログラム無償）等により支援を行っているタクロバン空港、東ビサヤ地域医療センター、パロ・アラド小学校等を視察するとともに、レイテ州知事に義援金を手交し、意見交換を行いました。

ベトナム社会主義共和国では、首都ハノイ市内において、麻疹風疹混合ワクチン製造技術移転プロジェクトにより支援を行っているワクチン・生物製剤研究・製造センター（無償、技術協力プロジェクト）、我が国の支援により建設が進められているハノイ市環状三号線の建設現場（円借款）、ハノイ水環境改善事業により支援を行っているイエンソー排水ポンプ場（円借款）、ノイバイ国際空港第二旅客ターミナルビル建設事業等により支援を行っている同空港（円借款）等を視察しました。
　また、ブイ・クアン・ヴィン計画投資大臣及びホー・スアン・ソン外務省次官と、ＯＤＡの執行体制などベトナムに対する我が国の援助の在り方、両国の友好協力関係等について意見交換を行ったほか、ＪＩＣＡ専門家及び海外青年協力隊員等との意見交換を実施しました。
　さらに、フンイエン省において、中小企業の海外展開支援事業として、ガソリンスタンドでの二重殻タンクの普及・実証事業を実施している玉田工業を視察しました。

モルディブ共和国では首都マレ市内において、我が国の支援により建設され、平成１６年のスマトラ沖大地震・インド洋大津波から首都を守ったマレ島護岸（無償）、津波被害からの復興として支援を行った船着き場（円借款）、校舎建設及びクリーンエネルギー促進に対する支援を行ったヒリア小・中学校（無償）、海外青年協力隊日本語教師の活動を視察するとともに、ソマリア沖・アデン湾での海賊対処活動から帰任途中の護衛艦いなづまを訪問しました。
　また、ヤーミン大統領、ドゥンヤ・マウムーン外務大臣、モハメド・ムイズ住宅・インフラ大臣、タリク・イブラヒム環境・エネルギー大臣、モハメド・マリーフ・ジャマール青少年スポーツ大臣、アハメド・ムナヴァール財務担当国務大臣等と、モルディブに対する我が国の援助の在り方、両国の友好協力関係等について意見交換を行いました。また、日本サッカー協会からモルディブに寄贈されるサッカーボールを手交するとともに、海外青年協力隊員との意見交換を行いました。

カンボジア王国では、シェムリアップ市内において、地雷除去活動機材整備の支援を行っているカンボジア地雷除去センターシェムリアップ事務所（無償）、遺跡修復の支援を行っているアンコール・ワット西参道（一般文化無償）及びバイヨン寺院（ユネスコ文化遺産保存日本信託基金）を視察しました。
　また、ネアックルン市内において、我が国の支援で国道一号線のメコン川渡河地点に架橋を行うネアックルン橋梁の建設現場（無償）を、プノンペン市内において、病院の拡張や母子保健改善プロジェクトによる支援を行っている国立母子保健センター（無償、技術協力プロジェクト）をそれぞれ視察しました。
　さらに、キアット・チョン副首相と、カンボジアに対する我が国の支援の在り方等について意見交換を行うとともに、日系企業関係者との意見交換を実施しました。