参議院の動き

今泉参議院副議長あいさつ

平成19年7月5日(木)
参議院本会議

副議長を退任するに当たりまして、一言御礼のごあいさつを申し上げさせていただきたいと思います。

ただいまは扇議長より御厚情あふれるお言葉をいただき、誠にありがとうございました。

私は、元々、今期参議院議員の任期終了とともに勇退することを決めておりましたけれども、本年の一月、図らずも副議長に選任されました。短い期間とはいえ、二期十二年という経験の浅い私が何とかその重責を果たすことができましたことは、扇議長を始め、各諸先生の皆様方の温かい御指導、そして御協力によるものであり、ここに衷心より感謝申し上げたいと思います。

さて、私は、平成七年に初めて参議院に籍を得て以来、二期十二年、最初は全国比例区で、次は千葉の選挙区から当選させていただき、国政に携わってまいりました。私の国政での出発は、六十歳という世間で言われる定年後の階層でありましたから、若くして初めて国会に登場された気鋭の先生方、そして若いころから当選を重ねられている働き盛りの先生方、そして私よりも人生の先輩である長老の先生方の中にもまれまして、一般の社会では得られぬ貴重な経験をさせていただきました。

特に、宗教法人法の改正や住専処理関連六法案をめぐる大混乱の国会、さらには住民基本台帳法、年金改革法、郵政民営化法、そして教育基本法等の国民が大変注目していた重要法案をめぐる国会での経験は、終生忘れることのできない思い出であります。また、これらの国会対応を通じて交流をさせていただきました与野党を超えた人間関係は、私にとりまして何物にも代えることのできない財産であると信じております。

参議院は本年、創設六十周年を迎えました。私たちは、これまで先人の指導を受け、我が国の議会制民主主義を確固たるものにするため、参議院を二院制下における理性の府、熟慮の府とすべく努力をしてまいりました。しかし、国民の間には、参議院の在り方をめぐっていろいろな批判や意見があることも事実であります。また、政党政治でありますから、手法の違い、意見の違いによる激しい対立があったことも否定しません。

私が若いころ、学びやとして籍を置いておりました大学の校歌に次のような一節がございます。「集まり散じて人は変れど 仰ぐは同じき理想の光」。参議院も、選挙により人が集まり、そして散じて人は変わりますが、与野党の違いに関係なく、その目指す理想は変わらぬものと信じております。

私は、今期限りで勇退させていただきますが、皆様方におかれましては、なお一層の御自愛の上、国民の大いなる期待にこたえられまして、より良い参議院を築いていくことにより、我が国の明るい未来と国民の幸せの構築の実現のため、御尽力、御活躍いただきますことを切にお願いを申し上げまして、私の御礼のごあいさつとさせていただきます。

どうもありがとうございました。

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