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参議院の動き

日本国憲法施行60周年記念式

平成19年4月25日

日本国憲法施行60周年記念式における扇議長式辞

平成19年4月25日(水)

於 憲政記念館講堂

 本日、安倍内閣総理大臣、島田最高裁判所長官、並びに多数の国会議員の皆様の御列席をいただき、日本国憲法施行60周年記念式を開催することができましたことを、誠に喜ばしく思います。

 日本国憲法は、昭和22年5月3日に施行され、60年が経過しようとしております。この間、我が国国民は、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重を基本理念とする憲法の下、一人一人の固い決意と不断の努力により、新生日本の国づくりを進め、戦後の混乱をはじめとして幾多の困難を乗り越えて、今日の平和で豊かな民主国家を築いてまいりました。そして、我が国は、世界の平和と発展に向けて、今や国際社会においても憲法施行当時とは比べものにならないほど重要な地位と役割を担うに至っております。ここに、これまで憲法の理念の実現に力を尽くされてきた多くの先人の御努力に深く敬意を表したいと存じます。

 日本国憲法施行から60年を経て、我が国社会並びに憲法を取り巻く状況も大きく変わりつつあります。とりわけ、日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行うため、平成12年以来衆参両院に憲法調査会が設置され、一昨年それぞれから報告書が提出されたこと、また、現在国会において憲法改正手続に関し法律案の審議が行われておりますことは大変特徴的なことであります。

 日本国憲法とともに創設60年を迎える参議院といたしましては、時代の要請する様々な課題に対応しつつ、憲法が規定する自由、人権、民主主義という普遍的価値の実現を確保していくため、さらに、国権の最高機関の一翼として国民の厳粛な信託に応えていくために、一層その責務を果たしてまいる所存でございます。

 結びに、本日、この記念式の開催に当たり、国の在り方を規律する基本法として日本国憲法がこれまで果たしてきた役割に思いをいたすとともに、この記念式が、国民一人一人にとって、我が国がこれからどう在るべきか、その在るべき姿を問い直す意義ある契機となりますことを心より期待いたしまして、私の式辞といたします。

平成19年4月25日

参議院議長 扇  千景