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参議院本会議決議本文

第159回国会

平成16年6月16日 
参議院本会議 

ユニバーサル社会の形成促進に関する決議

 二十一世紀を迎えた今日、我が国は少子高齢社会の急速な進行を始め、経済社会のあらゆる面においてかつて経験したことのない深刻な変化に直面している。特に科学技術中心の経済社会の発展は、物質的な豊かさをもたらす一方、人々の精神活動やライフスタイルに大きな影響を及ぼすようになってきている。
 今後これらの変化や課題に対応していくには、障害者や高齢者が安心して生活できるよう施設や設備等のバリアフリー化を進めていくのみならず、更にその考え方を深めて社会の制度や仕組みにおいても、障害の有無、年齢等にかかわりなく、国民一人一人がそれぞれ対等な社会の構成員として、自立し相互にその人格を尊重しつつ支え合う社会、すべての人が安心して暮らすことができ、その持てる能力を最大限に発揮できる社会、すなわちユニバーサル社会の形成を目指していかなければならない。
 このような真に豊かな社会の基礎となるユニバーサル社会を実現していくためには、障害者、健常者、高齢者等の別なく、すべての人々が平等に参加し、だれに対しても開かれた社会を構築していくよう、我々の意識を変えていかなければならない。
 このような社会の形成を目指し、そのための総合的な社会環境の整備を進めることは、国会及び政府の重大な責務である。
 我々は、その責務を果たすために全力を尽くすことを決意する。
 政府は、本院の意思を体し、ユニバーサル社会の形成促進のため、その推進体制を確立するとともに、ユニバーサルデザインの考え方の啓発、障害者及び高齢者に対する支援体制の整備、ユニバーサルデザイン化による製品や施設等の普及及び利用の促進等総合的な社会環境の整備について、必要な法制上及び財政上の措置を含め、その取組を一層強化推進すべきである。
 特に、地方公共団体や民間非営利団体(NPO)によるユニバーサル社会の形成を目指した地域づくりやまちづくりに対する支援の拡充、バリアフリー化の推進、障害者及び高齢者と子どもとの交流の促進、障害者の就労を通じた自立に向けた法定雇用率達成のための指導強化、小規模作業所への支援の拡充等働きやすい環境の整備、交通機関の障害者割引制度の改善、障害者の社会参加促進のためのコミュニケーション方法及び介護等の福祉機器の開発、通訳・介助者の養成、確保については、重点的に取り組むべきである。
 こうした取組が成果を上げることのできるよう、国民各位の理解と協力を併せて求めるものである。
 右決議する。