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参議院本会議決議本文

第142回国会

平成10年5月29日 
参議院本会議 

パキスタンの地下核実験に抗議する決議

 本院は、我が国が唯一の被爆国であることにかんがみ、あらゆる国の核実験に反対する。
 核実験は、地球環境と生態系を破壊し、人類の生存を脅かす行為である。しかるに、今回、インドに続きパキスタンが、我が国を含む各国の真摯な自制の要請を無視して地下核実験を強行したことは、核軍縮・核不拡散の危機を深め、この地域の安定を著しく害する行為であり、極めて遺憾である。
 本院はここに、あらためて核兵器廃絶への不断の努力を誓い、パキスタンの地下核実験に厳重に抗議するとともに、同国が直ちに核実験及び核開発を停止し、無条件に核兵器不拡散条約及び包括的核実験禁止条約に参加するよう強く求めるものである。
 政府は、本院の主旨を体し、パキスタン政府に対して直ちに必要かつ適切な措置を講じ、地域の安定と信頼醸成に努めるとともに、すべての国の核兵器の製造、実験、貯蔵、使用等に反対し、国際社会が結束して核軍縮・核不拡散の危機に対処するよう努力すべきである。
 右決議する。