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参議院本会議決議本文

第132回国会

平成7年2月9日 
参議院本会議 

兵庫県南部地震災害対策に関する決議

 一月十七日早朝発生したマグニチュード七・二の兵庫県南部地震は、死者・行方不明者五千人を超え、家屋損壊十万棟余、避難生活を送る住民三十万人を数える未曾有の大災害となった。
 本院は、ここに院議を以て深甚なる哀悼の意を表するとともに、罹災された方々に心からのお見舞いを申し上げる。
 この災害が多数の被災者の生活に甚大かつ深刻な被害をもたらし、内外の経済に大きな影響を与えていることを重大に受け止め、現行法制において最大限の措置を講じていくとともに、万全な救済と復旧、復興を図っていくため、必要な場合には新たな立法措置を講ずるなど、国家を挙げて取り組んでいくことが重要である。
 政府においても、かつて経験したことのない都市直下型地震による激甚なる被害の特殊性にかんがみ、兵庫県及び神戸市をはじめ被災自治体との緊密な連絡のもとに、迅速かつ適切な措置を講ずるとともに、特に次の事項について万全の対策を期すべきである。
一、被災地の住民救済及び住居・ライフライン等の確保による生活基盤の復旧を促進し、民生の安定を図るとともに、国際港神戸港を擁する神戸市の産業・物流の拠点としての重要性にかんがみ、道路・鉄道・港湾等交通、産業基盤の緊急な復興を促進し、地場産業の再建援助、雇用の安定を図ること。
一、災害復旧、復興に係る財政、税制、金融措置については万全を期すること。
一、地震予知のための観測研究の充実に努めるとともに、災害非常時に対応するための危機管理体制を早急に確立すること。
一、今般の地震を契機に、全国レベルにおける防災の再点検を行い、我が国の都市づくり、国土づくりのあり方について、災害に強く、安心して生活できる国土建設のための抜本的対策を樹立すること。
 右決議する。