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参議院本会議決議本文

第31回国会

昭和34年3月27日 
参議院本会議 

四国地方総合開発促進に関する決議

 四国地方は、本来、本土と海を隔てて相互の交通連絡に著しく円滑を欠くのみならず、地域内各県をつなぐ道路、鉄道等の交通網をはじめ、港湾その他の施設の整備ははなはだしく立ち遅れ、ばん近における経済諸情勢の進展に即応し得ない実情にあり、さらにまた、本地方は、宿命的台風豪雨の常襲地帯として累年の災害に悩まされ、ために、旧態依然たる経済の悪循環を繰り返して、産業は振わず、民生の安定向上また期すべくもなく、ひいては地方財政に難渋をきたし、本地方の後進性はますます顕著の度を加えている。
 隣接する和歌山県についても、その後進性と災害ひん発の実情は四国各県と類似の自然的立地条件のもとにおかれ、同地域をあわせて総合的対策の確立を必要とするものと思料する。
 他面、これらの地方は、由来、豊富な未利用資源を包蔵しながら、いまだにこれが調査活用の積極的方途を進むるに至つていないことはまことに遺憾である。
 よつてこの際、四国各県及び和歌山県を一丸とする画期的防災対策を強力に推進するとともに、交通、運輸等公共諸施設の整備充実を図り、さらに進んで未利用資源の積極的開発、産業基盤の培養強化に努め、もつて経済の助長発展を期することこそ、ひとり本地方民生の安定、福祉の増進を図るゆえんたるのみならず、国土総合開発の大局的見地において、刻下喫緊の急務であり、国の建設的施策にまつところきわめて大なるものがあるといわねばならない。
 叙上の趣旨をもつて、政府はすみやかに本地方開発に関する基本方策を樹立し、これが実施を推進するため、昭和三十五年度を契機として、予算上、法制上所要の措置を講じ、もつて施策の万全を期すべきである。
 右決議する。