第10回国会
昭和26年5月30日
参議院本会議
国土の荒廃は今やまさに言語に絶するものがある。多年にわたる山林の過伐濫伐の結果、風水害は相次いで起り、これがため山林、田畑、電力、交通機関等わが国産業文化のあらゆる部門は危殆に瀕し、その被害額は毎年実に一千億円を突破している。このままにして放置するならば荒廃は更に荒廃を生み、その禍害は加速度的に増大して国土の前途はまことに寒心に堪えないものがある。
このときにあたり、先には国を挙げての国土緑化運動の強力展開あり今亦森林法の根本改正その他森林関係法案の通過成立をみる。国土の荒廃に対し森林関係法規の整備充実はまことに時宜を得たものというべく、この機を逸せず挙国緑化推進の必要をいよいよ深く痛感する。
参議院は院議をもつて速やかなる全国土の緑化推進を期し、ここに政府の決意を促さんとするものである。政府は速やかにこれが具体的方策を講じ次期国会に報告されたい。
右決議する。