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参議院本会議決議本文

第10回国会

昭和26年2月10日 
参議院本会議 

未帰還同胞の引揚促進並びに実体調査に関し国際連合に謝意を表明することに関する決議

 同胞引揚に関する諸問題解決について、終戦以来五年有余にわたる連合国の終始変らない好意は、日本国民として衷心より感謝に堪えないところである。
 さきに第七回国会において、「未帰還同胞の引揚促進並びに実体調査等を国際連合を通じて行うことを懇請する決議」が議決されるや、連合国軍総司令部は、直ちにその趣を国際連合に伝達せられ、且つ、戦時捕虜問題の審議に際しては、特にわが国より三名の代表が非公式とは云えオブザーバーとして出席を許されたことについては日本国民の感銘殊に深いものがある。
 第五回国際連合総会において、戦時捕虜問題を人道上の見地から、広く国際的、平和的に解決するための措置が採択されたことにより、国民はひとしく感激を新たにし、既にその肉親との再会に光明を失つていた留守家族は更に希望を新たにするに至つた。国民はこの国際連合総会の決定が捕虜問題を平和的に解決する最後の途であることを信じ、一すじに今後の成行きに絶大の期待をかけている。この措置によつて、未帰還同胞及び抑留中死亡した者についての調査が今後綿密に進められ、且つ、残留者の帰還が一日も速やかに完了することは日本国民の念願である。本院はここに院議をもつて、わが国民を代表し、世界の平和及び基本的人権と自由の擁護の高い理想に基く国際連合の努力に対し深甚なる感謝の意を表明する。
 右決議する。