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参議院本会議決議本文

第9回(臨時)国会

昭和25年12月7日 
参議院本会議 

興農政策推進に関する決議

 農業がわが国民経済の基盤たることは何人も疑いを容れぬところである。従つてこれが振興を図ることはわが国経済自立上極めて肝要であるばかりでなく国際経済の推移にも即応し国内食糧にいささかの不安をなからしめるためにその増産確保を期することは特に必要であつて、先に政府が食糧の一割増産をしよきしたのもここに基因したことと思はれる。
 しかるに政府施策の現状は食糧増産を可能且つ容易ならしめるためにはなお甚だ不十分であつて農業部門における災害復旧は勿論、積極的な農業生産力増強施策において早急にその充実を図るべきことが極めて多い。ことに第七回国会において焦眉の急務として本院の決議した「農業金融の疏通並びに農業協同組合の育成強化」について未だにわれわれの首肯し得べき成果を見るに至らず、且つ又、第八回国会後になされた「救農国会」の早期召集要求に対しても、これに応える措置が見られないことは誠に遺憾である。政府はよろしく以上の点にかんがみ速やかに農業の振興について万全の措置を講ずべきである。
 右決議する。