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参議院本会議決議本文

第2回国会

昭和23年6月4日 
参議院本会議 

輸送力増強に関する決議

 我国現下の輸送状況を見るに、鉄道、船舶、自動車等の交通機関は著しく弱体にして、施設は荒廃し、能率は減退し、加うるに総合的運営に欠け、我国経済復興の最大隘路と化し、国民はこの現状に対し甚だ不満を感じている。政府はこの事実を深く省察し、急速に運輸諸制度の整備をはかり、物資の割当、資金の融通に特段の考慮をはらう等により、極力輸送力の緊急増強を確保し、以て本年度食糧、石炭その他重要物資の生産、配分に支障なきを期さねばならない。交通従業員も亦その職責の重大なるを深く認識し、作業能率の増進に努力することが必要である。
 更に又交通機能の確保は、将来の平和日本建設の基盤となるべきものであるから、経済復興の諸計画に即応し、交通機関の総合再建計画を速かに確立し、生産の増強、国民生活の確保、国民文化水準の向上に遺憾なきを期すべきである。
 政府において速かに右に関する方針及び施策の大綱を今会期中に本院に報告せられんことを要求する。
 右、決議する。