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参議院本会議決議本文

第1回(特別)国会

昭和22年12月5日 
参議院本会議 

総合燃料及び電力危機突破に関する決議

 光、熱及び動力源の深刻なる危機は遂に家庭生活を崩壞せしめ産業に決定的打撃を与えんとしつつある。国民は襲いくる酷寒を迎えて底知れない不安と焦燥にかられている。今にして大胆且つ有効なる施策を本問題の解決に集中しなければ遂には民生の安定も産業の復興も凡てその足懸りを失い一大社会混乱を誘致するの虞れがあろう。
 このエネルギー源の危機は、当面燃料と電力の危機として現われており、然もこの危機は決して打開の方途がないのではない。政府は恒久施策の樹立を急ぐと共に、よろしくこの事態の緊迫と責任の重大性を自覚して次の超重点緊急措置を講ぜられたい。
一、政府は本問題解決のため強力なる総合的実施機関を設置して迅速果敢なる措置を講ずること。
二、政府は石炭、電力、薪炭等各種エネルギー源につき、その相互間の効率的配分と確保につき適切なる措置を講ずること。
三、政府は石炭及び薪炭等燃料の生産増強のために有効適切なる凡ゆる手段を講ずること。
四、政府は海陸運を含めて凡ゆる輸送力を動員して燃料を迅速に国民の手に確保せしめること。
五、政府は以上の緊急措置を講ずると共に電力増強の緊急方策を進め民生の安定及び産業復興に要する最低所要電力は公平且つ無停電を以て供給すること。
六、政府は国民にこのエネルギー源危機の真相を周知せしめると共に合理的使用の徹底を期すること。
七、政府は以上各項に関し現に採り又は今後採るべき措置につき第一回国会開会中に本院に報告すること。
 右決議する。