第1回(特別)国会
昭和22年8月15日
参議院本会議
連合国が五百五十余万同胞の帰還を実施され、さらに未帰還者に対し許す限りの待遇を与えられていることは、感謝にたえないところである。
しかも異境にあつて、故国の空を望みつゝ帰りえない同胞が、今なお百万近くもある。これらの人々は敗戦以来心身共に疲れはて又着のみ着のまゝの生活をするものさえあつて、果してこの冬をつゝがなく越せるかどうかまことに憂慮にたえない次第である。本院は、これらの残留者の帰還が年内に完了するよう連合国の格別なる配慮を懇請してやまない。
われらは全国民と力を合わせ、乏しきをわかち、同胞の帰還に備え、あい共に平和国家の建設に努力せんとするものである。政府もまた、この心を以て心とし、同胞ひきあげのために万全の方策を講ぜられたい。
こゝに参議院は全議員の総意を以て右決議する。