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第221回国会 憲法審査会
令和8年6月3日(水) 第4回
1. 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査(憲法に対する考え方について(緊急事態対応・緊急集会))
【川崎参議院法制局長及び事務局当局の説明骨子】
【主な発言項目】
- 古賀 友一郎 君(自民)
- 緊急事態においても国権の最高機関である国会を維持するため、国政選挙の実施が困難となり国会議員の任期が切れそうな場合において、選挙を延期するとともに国会議員の任期を延長して二院制の国会を維持できるようにするための憲法改正が必要との見解
- 衆議院解散後、選挙を実施できない等の緊急事態が発生し二院制の国会を維持できない場合には、緊急集会が暫定的に国会全体の機能を担うことになるが、その活動期間は70日間に厳格に限定されるものではなく、権限についても、緊急性の要件を満たす限り国会の権能全てに及ぶというのが自民の考えであり、また、任期満了の場合においても緊急集会が対応できる旨、明文で憲法に規定するのが適当との見解
- 我が国がどのような状況に陥っても国家の機能を維持するという観点から、様々な措置を講じてもなお国会が機能しない事態が発生した場合に備え、最後のとりでとして、内閣の緊急政令や緊急財政処分の制度を憲法上定めておくべきとの見解
- 小西 洋之 君(立憲)
- 緊急集会について、開催期限を法的に制限する憲法上の要件及びその期間や議案などの権限が濫用されないための憲法上の仕組みについて
- 緊急集会の制定に至った総司令部と日本政府の交渉において、衆議院不在時に災害が発生した際の立法や財政措置の必要、条約の締結、総理大臣の死亡といった事態の発生などの日本政府側の問題提起を、緊急集会の立法事実と理解することについて
- 長谷部恭男参考人の令和5年衆参憲法審査会における緊急集会の開催期限に関する発言の解釈について
- 足立 康史 君(民主)
- 衆議院憲法審査会で配付された「『緊急事態条項』のイメージ(案)」等の資料についての参議院憲法審査会事務局による説明の可否について
- 憲法改正には衆参の合意を図ることが大事であり、衆参の合同審査会を開催するべきとの提案
- 「『緊急事態条項』のイメージ(案)」に対する参議院の自民党の了解の有無について
- 谷合 正明 君(公明)
- 選挙が困難な場合には、繰延べ投票や緊急集会で対応することが一義的だが、あらゆる対応策を尽くしてもなお対処できない極限の事態に限り、民主的正統性の確保を大前提として、国会議員の任期延長を検討する余地はあるとの見解
- 仮に衆議院議員の任期延長を議論するならば、行政監視の空白を防ぐため、参議院単独で緊急集会を開会できる自律開催権を憲法に位置付けることこそ同時に検討すべきであり、前衆議院議員の身分復活においても民主的正統性を有する緊急集会が議決の役割を担うべきとの見解
- 特定の県に負担を強いる現行の合区は確実に解消すべきだが、参議院が憲法上全国民の代表であることから緊急集会が機能することを踏まえれば、参議院に県単位の地域代表の性格を固定することで参議院の性格を変え、緊急集会の権限に影響を及ぼす憲法改正には慎重にならざるを得ないとの見解
- 柴田 巧 君(維新)
- 仮に衆議院議員の任期満了の場合にも類推適用によって緊急集会を開催できるとしても、長期にわたる緊急事態が発生し、選挙の一体性が害されるほどの広範な地域において選挙の適正な実施が70日を優に超えて困難であることが明白な場合には、緊急集会だけでは対処が極めて困難との見解
- 緊急集会で議員が発議できるのは、内閣の請求の際に総理が示した案件に関連するものに限られ、長期にわたる緊急事態が生じた場合、当初想定した案件のみを議論するだけでは足りず、参議院が包括的に対応することは想定されていないとの見解
- 衆議院憲法審査会では、緊急事態条項の憲法への創設をめぐり、「『緊急事態条項』のイメージ(案)」を基にした議論が始まっており、参議院においても緊急事態条項の導入に向けた討議が早期に行われることの要請
- 安達 悠司 君(参政)
- 参政党は、緊急事態を想定して法整備を行う必要性自体は否定しないが、大規模な感染症の蔓延を緊急事態の要件にすることは反対であること、緊急事態対応は、国防、安全保障の問題であり、憲法9条とセットで議論すべきであること及び政府の行動に歯止めが利かなくなる恐れがあることから、「『緊急事態条項』のイメージ(案)」については、反対の立場であるとの見解
- 緊急事態に対処する仕組みを構想するに当たって重要な視点の一つは外国の模倣ではなく、我が国の緊急事態克服の歴史や経験を調べることであり、もう一つは、建国の理想や国柄を考慮し、広く国民の意見を取り入れる体制をつくることであるとの見解
- 緊急事態対応を考える上では、まず守るべき国益を明確にし、情報戦、経済戦に備えた基盤をつくり上げることが重要であるとの見解
- 山添 拓 君(共産)
- 明治憲法下で発せられた緊急勅令及び緊急財政処分の数並びに1928年に緊急勅令で行われた治安維持法の重罰化の経緯について
- 憲法54条3項が緊急集会においてとられた措置を暫定的な措置とする趣旨について
- 憲法が戦時を想定した規律を設けていないのは、戦争をしないと誓った9条があるからであり、国会は、戦争があり得ることを前提とした改憲論議ではなく、戦争を起こさせないための外交安全保障政策をこそ議論すべきとの見解
- 奥田 ふみよ 君(れ新)
- 戦前の治安維持法に酷似する国家情報局設置法を成立させてしまったため、近い将来、国民の自由や命を最大限に制限でき、戦争反対と言っただけで逮捕されるかもしれないとの見解
- 天変地異や有事などの緊急事態が起こっても国民に信託された国会議員がいる緊急集会制度には、先人の知恵が詰まっているとの見解
- 治安維持法で国民を黙らせた後、1941年2月に衆議院議員任期を延長し、その年の12月に戦争を勃発させた歴史が教えるように、国会議員の居座りは許してはいけないとの見解
- 加田 裕之 君(自民)
- 自民党の改憲4項目の一つである緊急事態対応は緊急政令を含むものであるが、第一に、大規模災害等の発生により国会の機能の維持が困難となった場合とした上で、あらかじめ法律で定めるところによりと限定していること、第二に、速やかに国会の承認を求めなければならないとし、事後のチェックの義務付けを規定していることにより国会による統制の枠組みの中に置いているとの見解
- 立法府の責任として、緊急集会や議員任期の延長などで国会がその機能を果たすことができるよう、全力を尽くすべきであるが、万が一、国会がその機能を果たすことができなくなったときに備えるべく緊急政令、緊急財政処分を含む緊急事態条項について議論を前に進めていくことが参議院にも求められるとの見解
- 辻元 清美 君(立憲)
- 戦前の衆議院議員任期延長に関しては、戦時体制完成・開戦のために時の政府が恣意的に選挙を一年遅らせたと言わざるを得ず、こうした歴史の反省の下、憲法制定議会では、緊急勅令を排し、衆議院議員の任期延長ではなく、権力の濫用防止も制度趣旨とした緊急集会が憲法54条に制定されたとの見解
- 選挙困難事態とはいかなる事態なのか、東日本大震災発災3か月後に自民が衆議院解散を誘発しかねない内閣不信任決議案を提出したこと、コロナ禍の大阪で維新が住民投票を強行したことを忘れないでほしいとの見解
- どのような事態に衆議院議員の任期延長をするのかあらかじめ想定ができず、緊急集会では対応できないという立法事実も不明確で、時の政府による恣意的な裁量が入りかねない任期延長改憲には反対であるとの見解
- 浅田 均 君(維新)
- 緊急集会が承認した対処基本方針に従って自衛隊が防衛出動を行っている最中に、衆議院が緊急集会においてとられた措置について同意しない場合の防衛出動の法的扱い並びに既に行われた実力行使の法的効果及び国際法上の位置付けについて
- 山田 吉彦 君(民主)
- 憲法は、平時だけではなく、緊急事態を想定し国民の生命と財産を守るものでなければならず、政治の空白や国会機能の停止を避けるため、憲法を改正し、緊急事態を十分に検討すべきとの見解
- 政治の空白をつくらない即応能力がある緊急集会の、緊急財政支出や国民の安全確保に必要な法制上の措置を判断できる権限を明確にし、機能を強化するための国会法等の法整備を優先すべきとの見解
- 緊急集会によって参議院が危機対応の基軸となる以上、参議院は日本全土の声を網羅した民意の縮図でなければならず、特に過疎化や高齢化が進む地域の課題やインフラの脆弱性を知る代表者が国会に存在してこそ、実効性のある政策へとつながるのであり、合区の解消を求めるとの見解
- 平木 大作 君(公明)
- 憲法審査会が優先的に取り組むべき課題は、個人の自由と人権における憲法と現実の乖離の解消であるとの見解
- 緊急政令については、災害対策基本法等において、必要な事項はあらかじめ法律で定め、その範囲内で政令に委任する仕組みが存在しており、今後も不足があれば個別法の整備で対処することを基本とすべきであり、また、緊急財政処分については、予備費が迅速な行政執行を可能にし、緊急事態においてもその役割を十分に果たすとの見解
- 権力の集中が生じやすい緊急時だからこそ国会による統制と監視を確保するために緊急集会があり、選挙の実施を最大限追求しつつ、緊急集会を活用し国会機能を維持することが国民主権の貫徹につながるとの見解
- 塩入 清香 君(参政)
- 緊急事態条項を議論するのであれば、実際に国民の命と領土を守る主体である自衛隊の憲法上の位置付けと、その権限についての議論を避けることはできず、憲法9条及び同条を実質的に担保する日米安保条約を含めた安全保障全体の議論を同時に行うことが不可欠であるとの見解
- 緊急事態条項を設けるのであれば、発動要件の明確化、国会及び裁判所による厳格な関与、期間限定、権利保障、国民に負担を求める場合の補償の在り方を含めて慎重に議論をし、拙速な権限集中ではなく、真に国民を守る制度についての本質的な議論を深めていくべきとの見解
※上記発言項目は事務局において適宜抜粋し作成しております。発言の全体内容及び詳細については会議録を御参照ください。