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第219回国会 憲法審査会
令和7年11月26日(水) 第1回
1. 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について)
【主な発言項目】
- 中西 祐介 君(自民)
- 緊急事態対応に関して、衆議院議員任期満了時にも参議院の緊急集会が対応し得るよう憲法上明記すべき、及び、大地震その他の異常かつ大規模な災害、武力攻撃、テロ・内乱等の事態において一定の要件を満たすときには国会議員の任期特例を認めるべきとの見解
- 憲法9条について、実現可能な憲法改正案とすべく、9条1項、2項の条文及びその解釈を維持の上、必要な自衛の措置を担う等身大の自衛隊及びそのシビリアンコントロールを規定すべきとの見解
- 合区解消及び地方公共団体について、合区選挙における投票率の低下や無効票の増加という弊害を前に、合区を放置してきたことは立法府の不作為であり、また、憲法における地方自治の規定の規律密度の低さに対する地方公共団体が果たす役割の重要さは、まさに是正すべき憲法と現実のかい離であるとの見解
- 吉田 忠智 君(立憲)
- 緊急集会のあるべき機能強化等に関する論点を更に議論し、具体的な制度改善に結び付ける必要があり、特に、参議院の都道府県選挙区の合区が緊急集会の制度趣旨に合致するかの検討が必要との見解
- 国会法102条の6が定める憲法審査会の法的な任務である憲法違反問題等の調査も極めて重要であり、国家による戦争行為の発動である存立危機事態条項や、同性婚、選択的夫婦別姓、臨時会の召集義務違反等の憲法問題について憲法審査会で調査審議を行う必要があるとの見解
- 国民投票法附則4条が求めているテレビやネットのCM規制、ネット上のフェイク情報の対処等について引き続き議論を深めていく必要があり、特にネット上のいわゆるフィルターバブル等については、ネット社会の民主主義の在り方という根本的な視座に立った検証が必要との見解
- 川合 孝典 君(民主)
- デジタル時代における人権保障の在り方に関し、思想良心の形成過程の自律性の保障、個人の尊重の仮想空間への拡張適用、情報自己決定権、プラットフォーム提供者に透明性・公正性向上のための一定の責務を課すこと等について、国民投票法や公職選挙法等にその公正性を確保するための規律として設けること、これを憲法上明確化することの可否について速やかに検討する必要があるとの見解
- 現行憲法の体系性を維持しつつも、適切な範囲で統治機構分野における規律密度を高めることにより三権分立のゆがみを是正し、憲法の規範力を再構築して法の支配を貫徹させることが喫緊の課題であるとの見解
- 現代における緊急集会の権能や開催すべき緊急事態の判断基準を整理する必要があり、特にその権能については、衆議院が存在しないあるいは有効に機能しない場合に参議院一院をもって国会の権能を代行している状況にあることから、正統性担保のための措置を講じた上で、その目的に適合する範囲において権能に制約はないとみなすことが合理的であるとの見解
- 憲法審査会の今後の運営に関し、一票の較差、選挙制度、合区等に係る議論については参議院改革協議会との連携、情報共有の在り方について検討を要し、また、広報協議会の役割や国民投票法に係る議論については、来年常会に向けて衆参憲法審査会の連携の在り方を速やかに検討すべきとの見解
- 谷合 正明 君(公明)
- 憲法は、戦後民主主義の基盤を築いた優れたものであり、特に国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義の3原理は、将来とも堅持すべきである一方で、憲法施行時には想定されなかった新しい理念や、憲法改正でしか解決できない課題が明らかになれば、必要な規定を付け加える加憲は検討されるべきとの見解
- 憲法審査会においては、自衛隊の民主的統制を憲法が定める統治機構の中に位置付けること、緊急集会をめぐる論点の整理及び緊急時の国会議員のオンラインによる出席等の制度の創設、憲法改正の発議及び国民投票の実施に関する検討課題、マイノリティーの人権課題、参議院の在り方も踏まえた選挙制度の抜本的見直し、並びに我が国の憲法の下で政党をどのように位置付けるべきかについて、議論を深めるべきとの見解
- 自民及び維新による連立政権合意に関し、国の最高法規である憲法についての議論を、与党の限られた会派が拙速に進めるべきではなく、幅広い会派の合意を得て丁寧に議論を進めていくことが重要であるとの見解
- 片山 大介 君(維新)
- 日本維新の会は、今年9月、新たに、憲法9条2項の削除と国防軍の明記を提案しており、同盟国の存立危機に対しても必要不可欠な防衛力の行使を能動的に行うという考えが必要との見解
- 参議院の緊急集会は長期にわたる場合を想定していないなどの課題もあるので、立法府がその機能を維持できるよう議員任期の延長が必要であり、また、緊急政令等についても議論すべきとの見解
- 国民投票運動について過度な規制は行うべきではないが、外国勢力からのフェイクニュースを通じた憲法改正の国民投票プロセスへの介入は防がねばならず、憲法審査会で積極的に検討を深めるべきとの見解
- 意見の集約を目指して、定例日以外にも開会するなど、結論を出すべき時期を見据えてスケジュールを策定し議論を重ねていく必要があると考えており、憲法審査会の下で条文起草委員会を設置すべきとの提案
- 安達 悠司 君(参政)
- 現行憲法については、主権が制限された占領下で制定され国民の自由な意思に基づいて作られたものではないこと、日本固有の価値観や考え方が取り入れられておらずGHQの占領下の言論統制の下で作られた歴史認識に基づいていること、外国の侵略から国を守る仕組みが備わっていないことから、改憲や護憲ではなく、創憲として一から憲法を作り直すべきとの見解
- 五日市憲法草案、大日本帝国憲法の制定などの歴史を踏まえれば、日本人が自分たちで憲法を作ることは可能であり、一から憲法を作ることには国民に活力とエネルギーを与え国中の思いを統一する大きな力があるとの見解
- 海外の憲法改正の動きの調査を行うべきとの見解
- 緊急事態条項については、感染症の蔓延が対象となっている場合、人為的に緊急事態を作り出されるおそれがあるため、反対であるとの見解
- 山添 拓 君(共産)
- 高市総理が所信表明演説で、憲法改正に向けた議論の加速を求めたことは、行政府の長として憲法尊重擁護義務を負う総理が、国会に対し、改憲論議を急げとあおるものであり許されず、改憲はこれまでも今日も政治の優先課題として求められていないことから、憲法審査会は動かすべきでないとの見解
- 高市政権が安保三文書の改定前倒しにより一層の軍備拡張を狙っていることは、憲法9条を無視するものであり、米軍と自衛隊の一体化を進め、米国の戦争に日本が巻き込まれる危険を高めるという点で、大問題であるとの指摘
- 違法とされた生活保護基準引き下げの全ての被害者への全額補償、同性婚を可能とする民法改正など、憲法を壊すのではなく、暮らしに、平和に憲法を徹底的に生かす政治こそ求められているとの見解
- 山本 太郎 君(れ新)
- 老老介護がスタンダードとなり、介護離職や、その先に起こる介護殺人でさえも珍しいものではなくなった中、国からの公助を削り続け、介護においても自助・共助を事実上国が強制しているに等しい状況は個人として尊重されるという憲法13条違反であるとの見解
- 国民が困窮し憲法25条がほごにされ続けている中、経済対策・補正予算における国民に対する物価高対策はおまけ程度でしかなく、特定産業などの一部の奉仕者に成り下がった現状は憲法15条違反であるとの見解
- 今ある憲法を守れ、話はそれからだというのがれいわ新選組の考えだが、どうしても憲法審査会を開くのであれば、憲法改正への地ならしではなく、憲法違反及びその疑いに関する調査でなくてはならないとの見解
- 出川 桃子 君(自民)
- 一票の較差是正を金科玉条とし、人口のみに依拠して投票価値の平等を追求し続ければ、民主主義と地方自治を崩壊させかねないとの見解
- 合区問題について、参議院は、憲法制定時には想定し得なかった人口集中と人口減少という新たな現実を直視し、投票価値の平等と地方の声の確保を両立させる、時代に即した議論を進めるべきとの見解
- 足立 康史 君(民主)
- 衆議院憲法審査会では、個々の委員が一方的な意見表明だけを重ねていては議論が深まらないとの観点から、自らの持ち時間の範囲内で他の委員に質問し回答を求めるという文字どおりの自由討論が定着しており、参議院憲法審査会でも実現してほしいとの提案
- 自民及び維新の連立政権合意書について、閣外にいる日本維新の会は憲法66条3項の連帯責任を負っていないため連立政権に該当しないと考えるが、合意書内の衆参両院の憲法審査会に条文起草委員会を常設することについては、国民民主党として大賛成であるとの見解
- 柴田 巧 君(維新)
- 我が国憲法は、施行後78年間、一言一句変わっておらず、時代と国際情勢の変化に取り残され、安全保障上の危機等を乗り切るだけの実効性を担保しているとは言い難いため、遅滞なく改正を実現すべきとの見解
- 連立合意にあるとおり、可及的速やかに衆参両院の憲法審査会に条文起草委員会を常設すべく、他党他会派にも呼びかけをしていきたいとの見解
- 平木 大作 君(公明)
- 厳しい安全保障環境について党派を超えて広く認識を共有できる今だからこそ、憲法9条についても理念が先鋭的にぶつかり合ったかつての相克を乗り越えて、地に足の付いた議論をすべきとの見解
- 必要最小限度の実力行使であるのか、他に適当な手段がないのかという問いかけは、いずれも憲法9条2項の要請によるものであり、この極めて強力な制約があるからこそ、政府はこれまで非軍事的手段に知恵を使い、結果として平和国家としての国際的信用が積み重なったこと等から、9条1項、2項を今後とも堅持すべきとの見解
- 塩入 清香 君(参政)
- 憲法には子供の願いに応えるような規定が定められておらず、家庭の中で子を育てる権利など我が国の大切な宝である子供の権利を明確化し、保護をしていくための規定を新たに盛り込んでいく必要があるとの見解
- 小西 洋之 君(立憲)
- 緊急集会の機能強化、在り方論をこれから議論することとなっている参議院改革協議会ともしっかり連携をすべきとの見解
- 議員任期延長に係る衆議院の改憲派が言う、緊急集会は平時の制度であり、70日限定であり、その権能は制限されるとの主張が、与党も賛成して付された、平成26年の国民投票法改正の際の参議院憲法審査会附帯決議中の法令解釈のルールに照らしてなぜ成り立ち得るのか、憲法審査会で審議すべきとの見解
※上記発言項目は事務局において適宜抜粋し作成しております。発言の全体内容及び詳細については会議録を御参照ください。