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第217回国会 憲法審査会

令和7年6月18日(水) 第6回

1. 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
 (憲法に対する考え方について(国民投票法等について))

【主な発言項目】
  • 若林 洋平 君(自民)
    • インターネットの広がりやフェイクニュースなどの課題に対する広報協議会の役割について、衆参それぞれで議論を深め、論点を整理し、規定の整備を検討すべきとの見解
    • 公職選挙法にある投票環境の整備のための規定を国民投票法に早急に反映すべきとの見解
    • 衆議院憲法審査会幹事会で提出された選挙困難事態における国会機能維持条項の骨子案について、参議院の自民会派としては、自民党の憲法改正実現本部で了承された事実はなく、あくまで衆議院側の幹事、オブザーバー5名のものと理解しているとの見解
  • 熊谷 裕人 君(立憲)
    • 衆議院憲法審査会幹事会における4党1会派による骨子案提出は、参議院憲法審査会での真摯な議論の積み重ねを根底から否定し、参議院の存在についても否定することにつながりかねない暴挙であるとの見解
    • 国民投票における放送広告については、勧誘広告は主体を問わず、意見広告は政党等に限り、全運動期間にわたって禁止とし、放送事業者に公平・平等の取扱いの努力義務を課し、インターネット関係では、政党等による有料ネット広告の禁止、ネット広告事業者等による掲載基準策定の努力義務やネットによる勧誘、意見発信の際の表示義務や適正利用の努力義務を課すことが必要との見解
    • 国民投票における資金規制として、収支報告書の提出及び公表の義務、支出額の上限規制、外国勢力からの資金援助の禁止などが必要との見解
  • 谷合 正明 君(公明)
    • 国民投票運動のための広告放送については、現行法以上の規制は広告の出し手である政党側と受け手の放送事業者等のそれぞれの自主規制に委ねられるべきであり、インターネット広告についても同様に、政党側の自主規制と事業者側の自主的な取組を併せて推進し、表現の自由と投票の公平公正のバランスを図っていくべきとの見解
    • 広報協議会がSNSやウェブサイトを通じて積極的に情報発信ができるよう、事務局にAIがデジタル社会に与える影響について造詣の深い専門家を招聘し、さらには、フェイクニュースの予防に有効とされているプレバンキングの手法を使って、広報協議会が情報の空白を埋めるための情報発信を行うことについても検討を進めるべきとの見解
    • フェイクニュース対策には多面的な取組が不可欠であり、外国などからのフェイクニュース拡散による世論操作に対しては、政府の外交及び安全保障上の取組が求められるほか、広報協議会が作成する広報について、SNS事業者や検索事業者等に対し、アルゴリズムから切り離し優先的に表示されるようなシステムの構築及び稼働を要請することも有効な対策となり得るとの見解
  • 浅田 均 君(維新)
    • 我が国の政治、行政は技術的なパラダイムシフトともいえる現実に対して鈍感であり、生成AIによって作り出された生成AIが社会に介入するとき、その責任の所在や取り締まるためのルールが存在しないとの指摘
    • 国民投票においては、プライバシーとセキュリティの確保、アクセスの平等性の担保、そのための法的整備といった形式的な課題への対処のみならず、情報の公平性と信頼性という実質的な部分に踏み込んで議論を進める必要があり、特に、国民投票の論点に関する虚偽事項の公表を規律する条項は必要との見解
    • インターネットやSNSを国民投票の広報活動に利用することは、国民の意識と参加を促進し、民主主義の深化に貢献するとの見解
  • 川合 孝典 君(民主)
    • AIの普及による個人の自律性への影響や、プラットフォーム提供者によるマイクロターゲティング、フィルターバブルによる民主主義への影響を鑑みて、憲法13条が定める個人の尊重を仮想空間へ適用すること、情報自己決定権、内心の思想や良心の形成プロセス自体の自由がゆがめられることがないようにすることの憲法への明記を検討すべきとの見解
    • プラットフォーム提供者に対して、表現や編集の自由などにも十分配慮しつつ、サイバー空間において自律的かつ多様な言論を通じた熟議が可能となるよう必要な措置を講ずる責任や、経済活動の自由などにも配慮しつつ、透明性、公正性を向上させるための一定の責務を課すことを検討すべきとの見解
    • 多様な言論空間の確保や、公正かつ自由な競争秩序を確保する上での国の責務や国会関与の必要性についても、今後検討する必要があるとの見解
  • 仁比 聡平 君(共産)
    • 韓国大統領選挙において偽情報に対するファクトチェックや削除要請が追い付いていなかったこと、メタが投稿のファクトチェックを取りやめたことなど、状況が悪くなり続けている深刻さを深く受け止めるべきとの見解
    • 自己情報コントロール権の保障の明確な位置付けを始め、個人情報保護法制を、企業が個人情報を利用しやすくする方向ではなく、国民の人権を拡充する方向で、強化することが求められているとの見解
    • 個人情報の収集やプロファイリングはプライバシー権、内心の自由、人格権など国民の基本的人権を侵しかねない重大な憲法問題であるという認識の下、憲法的価値の実現について世界の取組に学ぶことが重要との指摘
  • 山本 太郎 君(れ新)
    • 国民投票法には、広告宣伝活動に対する明確な規制がほとんどなく、極めて不備が多いが、そのような欠陥法を求め、推進してきた勢力が日本経済団体連合会であるとの見解
    • 日本民間放送連盟が、表現の自由を持ち出し、放送に求められる公平性の確保を拒否しているのは、国民投票運動による特需を見越して、自らのもうけを優先させたことによるとの見解
    • 日本に海外のような厳格な広告宣伝活動への規制がないことにより、資金力のある陣営が無制限に活動できる無規制の国民投票となるため、国民投票の結果にかかわらず、国民の間の分断が深まる懸念があり、厳格な規制が必要との見解
  • 高良 鉄美 君(沖縄)
    • 立憲主義構造における最終の憲法保障として主権者国民に国民投票を信託していることからすれば、フェイクニュース問題に注意し、議論することには意味があるとの見解
    • 憲法改正権力を有する国民から具体的要求がないにもかかわらず、憲法99条の憲法尊重擁護義務のある国会議員が独善的な権力行使によって定めたのが国民投票法であり、その制定の必要性、緊急性はないとの見解
    • 国民投票法に最低投票率の規定はなく、有効投票数の過半数で決めるとして低い投票率での改憲が可能になるが、主権者国民の意思の軽視になることから、憲法96条の憲法保障の趣旨を捉えた上で、立憲主義的な解釈や比例原則をも考え、その過半数の同意という単純な文理解釈をすべきではないとの見解
  • 臼井 正一 君(自民)
    • 国民投票法について、憲法改正を決する主権者の意思がゆがめられることがないよう、広報協議会が果たすべき機能をどう規定に反映させていくべきか、各級選挙における実例を分析し、スピード感を持って対応すべきとの見解
    • 今国会の憲法審査会において、緊急集会を始めとする様々なテーマに関して各会派から有意義な発言があり、これらを整理することは今後の議論の土台となるとともに、参議院の機能を高めることにつながるとの見解
  • 松沢 成文 君(維新)
    • 憲法改正の国民投票は、日本国の主権や国民の意見を直接反映する極めて重要なプロセスであるが、外国からの介入のリスクが高く、サイバー攻撃による国民投票インフラのハッキングや選挙関連機関の情報流出、SNSを通じた情報操作と世論誘導、外国勢力からの資金提供による間接的な世論誘導といった危険性があるとの見解
    • 国民投票に外国勢力の干渉が及ばないようにするためには、外国資金規制やプラットフォーム規制の法整備、プラットフォームとの協力、サイバーセキュリティーの強化、国民の情報リテラシー向上を図ることが重要との見解
  • 福島 みずほ 君(立憲)
    • 衆議院憲法審査会5会派による選挙困難事態における国会機能維持条項の骨子案は、参議院の自民党、公明党の発言と異なるものであり、また、選挙権の行使を禁止し民主主義の過程を通して国会、内閣が作られることを阻止するものであり独裁にしかならないとの見解
    • 国民投票法の令和3年改正法附則4条について、1号のみならず2号も十分に検討し、問題が解決しなければ、公平及び公正が担保されず正当性を有しないため、国民投票を行うわけにはいかないとの見解

※上記発言項目は事務局において適宜抜粋し作成しております。発言の全体内容及び詳細については会議録を御参照ください。