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第211回国会 憲法審査会

令和5年5月31日(水) 第6回

1. 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
 (憲法に対する考え方について(参議院の緊急集会について))

【参考人】
  • 防衛大学校教授 松浦 一夫 君
  • 早稲田大学大学院法務研究科教授 長谷部 恭男 君
  • 京都大学法学系(大学院法学研究科)教授 土井 真一 君
【主な質疑項目】
  • 浅尾 慶一郎 君(自民)  
    • 憲法の類推適用による衆議院議員の任期満了時における緊急集会の可否
    • 緊急集会を70日という期日を超えて開くことの可否
  • 杉尾 秀哉 君(立憲)  
    • 憲法54条1項に40日、30日と期限が定められている趣旨
    • 緊急集会の開催可能期間を70日間に限定せず、憲法54条2項の「国に緊急の必要があるとき」が終わるまでと解することの可否及び、憲法の立法経緯を踏まえた同項の趣旨
    • 緊急集会で対処できる国家緊急事態の内容や規模の制限の有無、憲法において国家緊急事態への備えができていると解することの是非及び70日間に限定しない必要な間の緊急集会の開催への見解
    • 国会の立法機能を代行する緊急集会制度があるにもかかわらず、国会議員の任期延長のために憲法改正をすることの政策的な必要性
    • 緊急集会と選挙を経ずに任期延長された国会のどちらに国民主権や議会制民主主義における正統性があるかについての見解
  • 西田 実仁 君(公明)  
    • 議員の任期延長や前議員の身分復活の場合における国会の権能の範囲は、暫定的、一時的であり、緊急集会との間で根本的な差異があるとまでは言えないとの所見に対する見解
    • 前議員の身分復活を、極めて例外的な場合を超えて容易に生じ得るような要件にまで広げた場合に緊急集会の意義を失わせるのみならず、参議院の存在意義の議論につながる可能性
    • 緊急集会プラス繰延投票のみでいかなる緊急事態でも対応すべきとの考えに対し、繰延投票ではなく、事態が収束するまで議員の任期延長等を行い、全国一律に投票を行うべきとの指摘に対する見解
    • 非常事態において緊急政令や緊急財政処分は不要であり、個別法の政令委任や予備費で対応すべきとの考えに対する見解
  • 音喜多 駿 君(維新)  
    • 緊急事態であることを理由に憲法の規定を幅広く解釈することは、権力の暴走を招くことではないかとの所見に対する見解
    • バッコーク判決を紹介するならば、憲法を改正してルールを変えることが望ましいとの結論になるとの所見に対する見解及び70日を超える緊急集会を容認する場合に期限等のルールを設けずに柔軟に運用した方が権力の暴走を招きやすいのではないかとの所見に対する見解
    • 緊急事態だからと緊急集会をルールなく容認し続けるよりも、議員の任期延長ができる期間を定め、再延長には再度国会の議決を必要とする等の仕組みの方が、緊急事態から平時に戻すためのレジリエンスが増すのではないかとの所見に対する見解
  • 礒崎 哲史 君(民主)  
    • 70日を超えて緊急集会が認められ得る最長期間
    • 繰延投票により随時選挙を行った場合の議員任期等についての考え方
    • 解散で衆議院議員の身分を失ったとしても、少なくとも元々4年という任期は国民からの信任を得ていたとすると、その部分の任期延長はあり得るのではないかとの考え方に対する見解
  • 山添 拓 君(共産)  
    • 任期延長された国会議員に、次の総選挙を行おうというインセンティブが働かなくなることへの懸念に対する見解
    • 緊急集会と内閣の判断で任期延長された衆議院議員が権限を持つ仕組みとでは、民主主義的な正統性という点で質的な異なりがあるとの所見に対する見解
    • 緊急事態条項や緊急集会をめぐる議論の必要性や根拠が、自然災害への対応、感染症の拡大、戦時対応と変遷を重ねてきたことへの所感
  • 山本 太郎 君(れ新)  
    • 戦争で原発が攻撃される可能性や自然災害で被害を受ける可能性を踏まえれば、まずは原発を即時停止し、核燃料を国の責任で安全管理することが憲法上の要請にかなうとの考えに対する見解
  • 赤池 誠章 君(自民)  
    • 民主主義国家である諸外国において任期延長された議員の民主的正統性についての議論の有無
    • 緊急集会とドイツ型の常置委員会との共通点と相違点
    • 緊急集会に関する各論点について否定説と肯定説があり、国民にとって憲法の法的安定性を揺るがすように思えるほど解釈が分かれている理由
  • 小西 洋之 君(立憲)  
    • 緊急集会を70日に限定し、平時の制度だとする理解は、権力の居座りを防ぐという解釈及び趣旨並びに元々の立法趣旨として災害などを想定していることからしても、解釈上無理があるとの考え方に対する見解
    • 議員任期の延長は、緊急集会制度の根本趣旨である権力の濫用の排除と矛盾するのではないか、立憲主義の見地からも問題があるのではないかとの所見に対する見解
    • 戦前の教訓に鑑みた、権力の濫用の排除という緊急集会の趣旨の価値
  • 佐々木 さやか 君(公明)  
    • 衆議院議員の任期延長により両院がそろった国会も、暫定的、一時的なものであり、緊急集会を超えるものとは言えないとの指摘に対する見解
    • 緊急集会と任期延長された衆議院議員のどちらが正常な状態に戻す力がより働き有効かについての見解

※上記質疑項目は事務局において適宜抜粋し作成しております。質疑の全体内容及び詳細については会議録を御参照ください。