質問主意書

第221回国会(特別会)

答弁書

内閣参質二二一第五四号
  令和八年六月二十六日
内閣総理大臣 高市 早苗


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員石垣のりこ君提出公益通報者保護制度における三号通報者の探索行為に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石垣のりこ君提出公益通報者保護制度における三号通報者の探索行為に関する質問に対する答弁書

一について

 現行の公益通報者保護法(平成十六年法律第百二十二号)第十一条第四項の規定に基づき定められた「公益通報者保護法第十一条第一項及び第二項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」(令和三年内閣府告示第百十八号)において、事業者が公益通報者を保護するためにとらなければならない措置として、「事業者の労働者及び役員等が、公益通報者を特定した上でなければ必要性の高い調査が実施できないなどのやむを得ない場合を除いて、通報者の探索を行うことを防ぐための措置をとる」及び「範囲外共有や通報者の探索が行われた場合に、当該行為を行った労働者及び役員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その他適切な措置をとる」ことを定めている。

二について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難であるが、令和七年六月十一日に公布された公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和七年法律第六十二号)による改正後の公益通報者保護法(以下「新法」という。)第十一条の三の規定は、「公益通報者を特定することを目的とする行為」は正当な理由がない限り禁止される旨を法律上明確にしたものである。

三について

 前段のお尋ねについては、事業者の行為が新法第十一条の三に規定する「公益通報者を特定することを目的とする行為」に該当するか否かについては、個別具体の事案に即して判断すべきものであり、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、消費者庁のホームページで公表しているとおり、「公益通報をした可能性がある人に対して、公益通報をしたか否か問う行為や、公益通報者を特定するために、従業員の端末やサーバーの内容を確認する行為等」がこれに当たり得る。

 後段のお尋ねについては、どのような場合が新法第十一条の三に規定する「正当な理由」に該当するか否かについては、個別具体の事案に即して判断すべきものであり、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、消費者庁のホームページで公表しているとおり、「匿名の通報について、通報者が具体的にどのような局面で不正を認識したのかなどを特定した上でなければ、必要な調査や是正ができない場合に、公益通報に対応する際、本法第十二条の規定により守秘義務を負う従事者が通報者の特定につながる事項を問うこと」がこれに当たり得る。

四について

 お尋ねの「別個の行為」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

五について

 御指摘の「事業者が、法令違反の有無及び内容を確認することを目的とした調査を実施する場合」において、「役職員に対する聞き取り等により、三号通報者を特定しようとする行為」等の事業者の行為が新法第十一条の三に規定する「公益通報者を特定することを目的とする行為」に該当するか否か、また、同条に規定する「正当な理由」に該当するか否かについては、個別具体の事案に即して判断すべきものであり、一概にお答えすることは困難である。

六について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、消費者庁のホームページで公表しているとおり、「例えば、別の目的を掲げているのは表面上のみであり、実際には通報者探索目的で調査していたのであれば、「正当な理由」のない通報者探索に該当し得る」と考えられ、他方、「真に通報者探索を目的としない調査を行っていたところ、意図せず、結果的に通報者が判明してしまったというような場合には、一般論としては、「正当な理由」のない通報者探索には該当しないもの」と考えられる。

七について

 御指摘の「三号通報者の探索行為が、公益通報を萎縮させるおそれ」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、消費者庁のホームページで公表しているとおり、「労働者等、役員、退職者並びに特定受託業務従事者及び特定受託業務従事者であった者が通報対象事実を知ったとしても、自らが公益通報したことが他者に知られる懸念があれば、公益通報を行うことを躊躇(ちゅうちょ)することが想定される」ものと考えている。