質問主意書

第221回国会(特別会)

答弁書

内閣参質二二一第五〇号
  令和八年六月二日
内閣総理大臣 高市 早苗


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員石垣のりこ君提出日本国国章損壊罪の保護法益等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石垣のりこ君提出日本国国章損壊罪の保護法益等に関する質問に対する答弁書

一及び三について

 刑法(明治四十年法律第四十五号)第九十二条は、同法第二編第四章の「国交に関する罪」の中に置かれているとおり、我が国の外交作用の円滑、安全等を考慮して規定されたものと考えられ、御指摘の「外国に対して侮辱を加える目的」との要件についても、こうした趣旨を踏まえて規定されたものと考えられる。

二について

 刑法第九十二条第二項については、個々の外国の文化や慣習が必ずしも我が国と同じではなく、我が国において侮辱に相当する行為であっても当該外国においてはそうではないこともあること等から、同条第一項の罪に係る起訴又は不起訴の判断を検察官に一任することは適当ではないことを踏まえて規定されたものと考えられる。

四から六までについて

 お尋ねの点については、御指摘の「自由民主党・日本維新の会連立政権合意書」において「「日本国国章損壊罪」を制定」することが提起されたことを踏まえ、現在、自由民主党及び日本維新の会において議論が行われている事柄であると承知しており、政府としてお答えすることは差し控えたい。

七について

 お尋ねの「反省が含まれている」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、刑法第七十四条及び第七十六条については、憲法の定める国民平等の趣旨を踏まえて削除されたものと考えられる。

八について

 米国の連邦最高裁判所が同国の国旗を焼却する行為と米国憲法との関係について判示した例があることについては承知しているが、お尋ねの「同判示の趣旨に対する政府の認識」についてお答えすることは、他国の具体的な司法判断を日本国政府として論評することとなることから、差し控えたい。

九について

 御指摘の「国旗に対する批判、嫌悪又は侮辱的表現を伴う行為」の態様は様々であると考えられることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、一般論として、外部に向かってその思想等を表す行為は憲法第二十一条第一項により保障されるが、公共の福祉のため必要な場合に、合理的な限度において制約を受けることはあり得ると考えられる。