第221回国会(特別会)
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内閣参質二二一第三二号 令和八年四月十七日 内閣総理大臣 高市 早苗
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員石垣のりこ君提出浜岡原子力発電所における基準地震動策定に係る不適切事案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員石垣のりこ君提出浜岡原子力発電所における基準地震動策定に係る不適切事案に関する質問に対する答弁書 一から三までについて 御指摘の「独自に」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、現在、御指摘の「当該事案」の「事実関係」について、「報告書の内容」も含め、詳細な「確認」を行っているところ、当該確認のお尋ねの「手法及び手続」、「法的根拠及び具体的内容」及び「事実確認に当た」っての「関係者への聴取、資料の提出命令、立入検査等」については、中部電力株式会社に対し、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「法」という。)第六十七条第一項の規定に基づく「当該事案」の報告及び電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第百六条第三項の規定に基づく「当該事案」の報告(以下「「当該事案」報告」という。)を求めているほか、法第六十一条の二の二第一項の規定に基づく原子力規制検査(以下「原子力規制検査」という。)による、同条第三項各号に掲げる「事務所又は工場若しくは事業所への立入り」、「帳簿、書類その他必要な物件の検査」、「関係者に対する質問」及び「核原料物質、核燃料物質その他の必要な試料の提出・・・をさせること」を組み合わせることにより、現在、御指摘の「事実関係」の詳細な「確認」を行っているところであるが、現時点で、中部電力株式会社から「当該事案」報告の求めに対して、一部のみが報告されている段階であり、お尋ねの「どの程度実施する予定か」との「現時点での方針」については、具体的にお示しすることは困難である。 四及び五について 一から三までについてでお答えしたとおり、現時点で、中部電力株式会社から「当該事案」報告の求めに対して、一部のみが報告されている段階であり、お尋ねの「どのような規制に違反するか」及び「中部電力の組織的関与の有無」については、今後の追加の報告や原子力規制検査の実施状況等を踏まえ、明らかになるものと考えている。 六及び七について お尋ねの「原子力規制委員会が取り得る規制上の措置」及び「発電用原子炉の設置許可の取消しについて、どのような事実関係及び要件を認めた場合に適用されるか」については、令和八年一月十四日に開催された令和七年度第五十一回原子力規制委員会の資料一「中部電力株式会社の不正行為に対する今後の対応」の参考一「今後取り得る規制措置について」において、「一.設置変更許可申請が許可基準に適合していると認められない場合の処分」として、「設置変更許可申請が、法第四十三条の三の六第一項各号に掲げる基準に適合していると認められない場合は、設置変更許可申請の許可をすることができない」とし、並びに「二.事業者の活動が保安規定に違反している場合の処分」である、「(一)保安活動に対する措置命令」として、「品質マネジメントシステムに基づく事業者の活動が十分ではない場合、保安のために必要な措置を命じることができる。(法第四十三条の三の二十三第一項)」と、「(二)保安規定の変更命令」として、「核燃料物質若しくは核燃料物質によって汚染された物又は発電用原子炉による災害の防止のため必要があると認める場合、保安規定の変更を命じることができる。(法第四十三条の三の二十四第三項)」と、及び「(三)法第四十三条の三の五第一項の許可の取消し等」として、「保安規定に違反したとき、又は上記(一)若しくは(二)の命令に違反したときは、当該許可を取り消すことができる。(法第四十三条の三の二十第二項)」としているとおりである。このうち、御指摘の「設置許可の取消し」に関しては、これまで、法第四十三条の三の二十第二項の規定に基づき、発電用原子炉の設置の許可を取り消した事例はないことから、お尋ねのように「過去の事例も踏まえ、具体的な判断基準を示」すことは困難である。 また、お尋ねの「実際に適用される可能性及びその判断要素」及び「設置許可取消しの検討対象となり得るか」については、一から三までについてでお答えしたとおり、現時点で、中部電力株式会社から「当該事案」報告の求めに対して、一部のみが報告されている段階であり、今後の追加の報告や原子力規制検査の実施状況等を踏まえ、明らかになるものと考えている。 八について お尋ねの「検討プロセス」については、一から三までについてでお答えしたとおり、現在、中部電力株式会社から「当該事案」報告を求めているほか、令和八年一月十四日に開催された令和七年度第五十一回原子力規制委員会の資料一「中部電力株式会社の不正行為に対する今後の対応」に記載のとおり、「原子力規制検査のうち基本検査として、審査資料作成作業に係る品質管理に対する保安規定の遵守状況等を確認」しており、今後、「本事案に係る検査結果(重要度評価と深刻度評価)をとりまとめ、その結果を踏まえた規制上の措置等」を判断することになるものと考えているが、一から三までについてでお答えしたとおり、現時点で、中部電力株式会社から「当該事案」報告の求めに対して、一部のみが報告されている段階であることから、お尋ねの「スケジュール」について、具体的にお示しすることは困難である。 九について 御指摘の「審査・検査」を、原子力規制委員会が行う新規制基準(法及び法の規定に基づく原子力規制委員会規則等に定める基準をいう。以下同じ。)に係る適合性審査(以下「適合性審査」という。)及び原子力規制検査と解すれば、現行の「審査・検査体制」において、前者は、原子力施設の安全確保の第一義的な責任を有する原子力事業者において、適切な品質の管理を行う体制により、妥当性及び信頼性が確保されたデータ等を作成することを前提として作成された申請書に基づき、例えば、その申請書の記載内容である、原子力施設を設置する敷地において想定される地震による地震動の評価の方針、方法等に関して、科学的・技術的な観点から、新規制基準に適合しているかを審査するものであり、後者は、当該原子力事業者において当該データ等に基づき実施する原子力施設の保全や運転等に関して、例えば、法第四十三条の三の九に規定する設計及び工事の計画の認可を受けた機器等の検査の実施状況や、法第四十三条の三の二十四に規定する保安規定の遵守状況といった、保安のための活動を確認するものであり、いずれにおいても、御指摘の「当該事案」のように原子力事業者により申請書等に用いるデータそのものに「不正」があったか否かについて把握することは必ずしも容易ではなく、御指摘のように「現行の審査・検査体制」自体に「問題があった」とは必ずしも考えていないが、今後、「当該事案」報告の求めに対する追加の報告や原子力規制検査の実施状況等も踏まえつつ、御指摘のように「同様の事案を防止するための制度改正又は運用改善」を行うことも含め、原子力規制委員会が行う適合性審査及び原子力規制検査の在り方について必要な検討をしてまいりたい。 十について 御指摘の「中部電力以外の電力会社」を、中部電力株式会社以外の原子力事業者と解すれば、「当該事案」は、データそのものに、九で御指摘の「不正」があったという極めて例外的なものと考えており、また、これまで、原子力規制委員会に対し、中部電力株式会社以外の原子力事業者に関して、法第六十六条第一項の規定に基づく申告を含め、「当該事案」と類似の事案の申告等はなされていないことから、中部電力株式会社以外の原子力事業者において、御指摘のような「基準地震動策定に係る不適切事案」があるとは考えておらず、現時点で「横断的調査を実施する考え」はない。 |