第221回国会(特別会)
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内閣参質二二一第二二号 令和八年四月三日 内閣総理大臣 高市 早苗
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員小西洋之君提出旅館業法における簡易宿所の課題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員小西洋之君提出旅館業法における簡易宿所の課題に関する質問に対する答弁書 一の前段について 簡易宿所営業(旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第二条第三項に規定する簡易宿所営業をいう。以下同じ。)については、同法において、同法第三条第二項に定める施設の構造設備や同条第三項に定める施設の設置場所等に関する要件を満たし、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、その長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならないこととするとともに、所要の罰則等を設けているほか、「旅館業における衛生等管理要領」(平成十二年十二月五日付け生衛発第千八百十一号(令和八年一月二十日最終改正)厚生省生活衛生局長通知別添三。以下「衛生等管理要領」という。)において、「各都道府県等におかれては、地域の実情も踏まえながら、旅館業の適正な運営が確保されることが重要である」とした上で、「周囲の生活環境への悪影響を防止するための一定の規制を条例等で規定することは可能」であり、「条例等において、生活環境への悪影響を防止するための措置を規定している場合、当該措置に違反し、指導を実施しても改善が図られない営業者に対しては、」同法第七条の二第二項の「命令」等「と同様の措置をとることが可能である」としつつ、「都道府県等において定められている条例等の規定の例」として、例えば、「旅館業の許可を受けようとする者は、営もうとする旅館業の内容について、許可を受ける前に、周辺住民に説明すること」、「宿泊者に対し、周辺住民の生活環境の悪化を防止するために、騒音・ごみ処理等に関するルールや施設の使用方法を説明すること」、「宿泊者が騒音等により周囲に迷惑をかける行為を行う場合にあっては、当該宿泊者に対し、当該行為を中止するよう求めること」等と定め、都道府県知事等に示しているところである。これも踏まえ、都道府県又は保健所を設置する市若しくは特別区(以下「都道府県等」という。)においては、地域の実情に応じ、条例等で必要な規制を定めながら対応されているところもあり、必ずしも御指摘のように「規制の強度に逆転現象が生じてしまっている」とは考えていない。 一の後段について お尋ねの①「住宅宿泊事業法に基づく届出住宅数」、②「旅館業法に基づく旅館・ホテル、簡易宿所数」、③「特区民泊の認定施設数」及び④「住宅宿泊仲介業者等が取り扱う民泊物件等の合計数」のお尋ねの時点における件数は、それぞれ、次のとおりである。なお、①について「平成三十一年から令和六年までの各三月末時点、令和七年九月末時点」の件数は把握していないため、それぞれ平成三十一年三月十五日時点、令和二年三月十一日時点、令和三年三月九日時点、令和四年三月十四日時点、令和五年三月十三日時点、令和六年三月十五日時点及び令和七年九月十六日時点の件数を、②について「平成三十年六月十五日(住宅宿泊事業法の施行日)時点」及び「令和七年九月末時点」の件数は把握していないため、それぞれ平成三十年三月末時点及び令和七年三月末時点の件数を、③について「平成三十年六月十五日(住宅宿泊事業法の施行日)時点」の件数は把握していないため、平成三十年六月末時点の件数を、並びに④について「令和七年九月末時点」の件数は把握していないため、令和七年三月末時点の件数を示すものとする。 「平成三十年六月十五日(住宅宿泊事業法の施行日)時点」 ①二千二百十件 ②八万千四百七十五件(平成三十年三月末時点) ③九百二十三件(平成三十年六月末時点) ④二万四千九百三十八件 平成三十一年三月末時点 ①一万四千五十九件(平成三十一年三月十五日時点) ②八万四千九百五十四件 ③二千三百三十五件 ④七万千二百八十九件 令和二年三月末時点 ①二万千百五十八件(令和二年三月十一日時点) ②八万八千三百十二件 ③三千六百九十二件 ④十二万九千四百四十六件 令和三年三月末時点 ①一万九千五百二十件(令和三年三月九日時点) ②八万八千五百五十件 ③三千四百六件 ④十一万二千八百七十八件 令和四年三月末時点 ①一万八千百九十六件(令和四年三月十四日時点) ②八万九千百十六件 ③三千三百二十九件 ④十万四千三百五十三件 令和五年三月末時点 ①一万八千七百六十件(令和五年三月十三日時点) ②九万百三十二件 ③三千四百四件 ④九万二千四百二十九件 令和六年三月末時点 ①二万三千百四十二件(令和六年三月十五日時点) ②九万二千九百四十七件 ③四千五百二十四件 ④十万二千三百二十七件 令和七年九月末時点 ①三万五千二百四十六件(令和七年九月十六日時点) ②九万七千八百四十七件(令和七年三月末時点) ③七千四百九十二件 ④十六万八千二百七十五件(令和七年三月末時点) 二の前段について お尋ねについては、網羅的には把握していないが、簡易宿所営業の許可を行う都道府県知事等からの情報や報道等により、御指摘のような「騒音」や「ゴミ問題」等による「宿泊トラブル」があることは承知している。 二の後段及び四について 簡易宿所営業に関する許可等に関する事務については地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第八項に規定する自治事務であり、一の前段についてで述べたとおり、都道府県等においては、地域の実情に応じ、条例等で必要な規制を定めながら対応されているところもあり、御指摘のような「敷地外での宿泊客の迷惑行為」及び「宿泊トラブル」に係る対応も含め、地域の実情に応じた適切な対応を進めているものと承知しており、現時点では、一の前段についてで述べたとおり、衛生等管理要領を示すこと等により、都道府県等におけるこうした対応を推進していくこととしており、御指摘のような旅館業法の見直しの必要があるとは考えていない。 三の前段について 御指摘の「脱税行為」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、御指摘のような「本来であれば旅館業の用途として課税されるべき固定資産税が住宅扱いのまま据え置かれ、実質的に土地の税負担が少ない状態での課税」については、網羅的には把握していないが、地方公共団体の公表資料等を通じて、そのような課税があることは承知している。 三の中段について お尋ねについては、土地に係る固定資産税の税額は、当該土地の面積や課税標準額等の様々な要素によって決定されるため、一概にお答えすることは困難である。なお、御指摘のように「旅館業の用途として」それに供する土地と異なり、住宅用地に対する固定資産税の課税標準については、専ら人の居住の用に供する家屋の敷地の用に供されており、一定の要件を満たす土地について、その面積が二百平方メートル以下のもの及び二百平方メートルを超えるものにおいて、それぞれ当該住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の六分の一及び三分の一とする特例措置を講じているところである。 三の後段について 御指摘のように「都道府県や各市区の保健所が旅館業の申請の許可後に施設所在地等の情報を資産税課へ提供する体制を構築することが有効」と考えており、「適時適切な自治体組織内における情報共有」がなされる「仕組み」について、必要な対応を検討しているところである。 五について 御指摘の「民泊」を住宅宿泊事業(住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号)第二条第三項に規定する住宅宿泊事業をいう。以下同じ。)と解すれば、御指摘のような「悪質業者」への対応については、住宅宿泊事業及び簡易宿所営業に係る両方の情報を有する都道府県等において、「悪質業者」の住宅宿泊事業に係る情報も活用し、直ちに簡易宿所事業に関し旅館業法等に違反する行為が認められた場合には、命令等の必要な対応を行うなど、適切に対応されるべきものと考えており、現時点では、政府として、令和八年度予算案において、御指摘の「三形態の宿泊施設情報を一元的に管理・把握するシステムの構築」を図るための事業の経費の計上をするなどにより、都道府県等におけるこうした対応を推進していくこととしており、御指摘のような旅館業法の見直しは検討していない。 六について 御指摘の「仲介業者」については、住宅宿泊事業法第五十八条第二号及び旅行業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)第十三条第三項第二号において、違法行為のあっせんが禁止されているところ、政府として、これまでも、都道府県知事等と連携しながら、例えば、御指摘のように「条例により平日の営業禁止」が定められた地域に立地しているにもかかわらず、「仲介プラットフォーム」において「平日」も予約できる物件を把握した場合には、「仲介業者」に対し、行政指導を行うなどしてきたところであり、さらに、令和八年度予算案において、五についてで述べたシステムの構築を図るための事業の経費の計上をし、必要な行政指導等の対応の強化も図ることとしているところであり、現時点で更に御指摘のように「制度的対応を強化すべき」とは考えていない。 |