第221回国会(特別会)
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内閣参質二二一第九号 令和八年三月十九日 内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 木原 稔
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員辻元清美君提出ホルムズ海峡を巡る情勢と存立危機事態の関係に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員辻元清美君提出ホルムズ海峡を巡る情勢と存立危機事態の関係に関する質問に対する答弁書 一の1について 御指摘の「ホルムズ海峡の機雷封鎖の例」については、「武力の行使」の三要件を満たすことがあり得る一例として示したものであるが、一般に、いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、事態の個別具体的な状況に即して、政府がその持ち得る全ての情報を総合して客観的かつ合理的に判断することとなるため、お尋ねについて、一概にお答えすることは困難である。 一の2について 武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号)第三条第四項ただし書において、存立危機武力攻撃を排除するに当たっては、武力の行使は、事態に応じ合理的に必要と判断される限度においてなされなければならないと規定されているところ、その具体的限度は、実際に発生した存立危機武力攻撃の規模、態様等に応ずるものであるため、お尋ねについて、一概にお答えすることは困難である。 二について 存立危機事態とは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態であり、重要影響事態とは、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態であるが、御指摘の「現在の状況」がこれらの事態に該当するとの判断は行っていない。これ以上の詳細については、事柄の性質上、お答えすることは差し控えたい。 三の1について いかなる国が御指摘の「我が国と密接な関係にある他国」に当たるかについては、あらかじめ特定される性質のものではなく、武力攻撃が発生した段階において、個別具体的な状況に即して判断されるものであり、また、お尋ねの「我が国は当該「我が国と密接な関係にある他国」を支援する」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として申し上げれば、自衛隊が活動をするに当たって、国際法を遵守し、国際法上違法な行為に対する支援を行わないことは当然である。 三の2について お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、一般論として申し上げれば、いかなる国が御指摘の「我が国と密接な関係にある他国」に当たるかについては、あらかじめ特定される性質のものではなく、武力攻撃が発生した段階において、個別具体的な状況に即して判断されるものである。 四の1について 一般論として申し上げれば、国際連合憲章(昭和三十一年条約第二十六号。以下「国連憲章」という。)において自衛権の発動が認められるのは、武力攻撃が発生した場合であることから、何ら武力攻撃が発生していないにもかかわらず、ある国家が自衛権を援用して武力を行使することは、国際法上合法とは言えないものと認識している。その上で、いかなる国が御指摘の「我が国と密接な関係にある他国」に当たるかについては、あらかじめ特定される性質のものではなく、武力攻撃が発生した段階において、個別具体的な状況に即して判断されるものである。 四の2について 一般論として申し上げれば、国連憲章において自衛権の発動が認められるのは、武力攻撃が発生した場合であることから、何ら武力攻撃が発生していないにもかかわらず、ある国家が自衛権を援用して武力を行使することは、国際法上合法とは言えず、その要請又は同意があるとしても、その場合に我が国が国際法上集団的自衛権を根拠とする「武力の行使」を行うことはできないものと認識している。その上で、いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、事態の個別具体的な状況に即して、政府がその持ち得る全ての情報を総合して客観的かつ合理的に判断することとなる。 四の3について 御指摘の令和八年三月二日の衆議院予算委員会において、高市内閣総理大臣が「これが自衛のための措置なのかどうかも含めて、詳細な情報を持ち合わせているわけではございません。」と答弁しているところ、これ以上の詳細については、事柄の性質上、お答えすることは差し控えたい。 五の1及び2について お尋ねの「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」については、例えば、令和七年十一月七日の衆議院予算委員会において、高市内閣総理大臣が「二千十六年に安倍総理が、自由で開かれたインド太平洋、FOIPを提唱されました。そして、その後、第一次トランプ政権でアメリカが抜けた後のTPP、これをCPTPPとして日本が主導しました。さらには、二千十八年、日・EU経済連携協定、また日米豪印の枠組みなどもできてきて、ちょうど二千十六年から二千十九年にかけて、この頃というのは、本当に世界で咲き誇る日本外交を目に見える形で私は経験できたというか、知った時代だったと思っております。その取組は今も続けられてはいるんですけれども、今は、私たちが慣れ親しんだ自由で開かれた安定的な国際秩序は、パワーバランスの変化と地政学的競争の変化で大きく揺らいでおります。そんな中で、もう一度、もう一度日本が、ASEANなどとも手を組んで、日米同盟も大事にして、日・EUの関係も大事にして、しっかりと存在感を高めていく、こういったことが大事だという思いから申し上げております。」と答弁しているところであるが、その定義について定めることはなじまないと考えていることから、個別の事案が「定義に該当するか」とのお尋ねについてお答えすることは困難である。 五の3について 政府としては、現下のイランをめぐる情勢について、国際社会とも緊密に連携し、事態の早期の沈静化に向け、必要なあらゆる外交努力を行ってきている。その一環として、高市内閣総理大臣は、令和八年三月十一日に「G7首脳オンライン会議」に参加し、米国を含むG7各国に対してこうした我が国の立場を説明したところである。政府としては、今後も、様々な機会を捉え、事態の早期の沈静化に向けた外交努力を継続していく考えである。 |