第221回国会(特別会)
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内閣参質二二一第六号 令和八年三月十七日 内閣総理大臣 高市 早苗
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員高良沙哉君提出島嶼地域における国民保護と国防政策の併存に起因する制度的課題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員高良沙哉君提出島嶼地域における国民保護と国防政策の併存に起因する制度的課題に関する質問に対する答弁書 一について お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、武力攻撃事態等においては、武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律(平成十六年法律第百十四号。以下「特定公共施設利用法」という。)第六条第一項に規定する港湾施設の利用指針等を踏まえ、国民の保護のための措置(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成十六年法律第百十二号。以下「国民保護法」という。)第二条第三項に規定する国民の保護のための措置をいう。以下同じ。)を実施することとなる。お尋ねの「空港・港湾」において、国民の保護のための措置を含む対処措置等(特定公共施設利用法第二条第二項に規定する対処措置等をいう。以下同じ。)について調整を図る必要が生じたときは、事態対策本部長(武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号)第十一条第一項に規定する事態対策本部長をいう。)が、その時々の状況を総合的に勘案し、適切に判断した上で、総合的な調整を行い、対処措置等の的確かつ迅速な実施を確保することとしている。 二について 千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書I)(平成十六年条約第十二号)第五十二条2において、「軍事目標は、物については、その性質、位置、用途又は使用が軍事活動に効果的に資する物であってその全面的又は部分的な破壊、奪取又は無効化がその時点における状況において明確な軍事的利益をもたらすものに限る」と規定されており、何が同条2に規定される「軍事目標」に当たるのかについては、実際に武力紛争が生じた場合において、その時点における状況下で判断する必要があるものである。したがって、お尋ねの「特定利用空港・港湾に指定された施設」が「国際人道法上の軍事目標とみなされる可能性」について一概にお答えすることは困難である。 三について 武力攻撃による国民の被害には様々な場合があり、個別具体的な判断が必要と考えている。いずれにせよ、このような被害に対する補償の問題については、武力攻撃事態終了後の復興施策の在り方の一環として、政府全体で検討すべきものと考えている。 四について お尋ねの「国民の広域避難が長期化し、市町村長の任期や職員体制、事務執行の制度保障等」及び「その行政機能はどのような形で維持されること」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「避難元自治体の行政運営」については、国民保護法において特段の規定は置かれておらず、個別の状況に応じて、適切に対応する必要があると考えている。 五について 御指摘の「行政機能が長期間にわたり制約される場合」及びお尋ねの「広域避難」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、国民の保護のための措置の実施に伴う損失補償については、国民保護法第百五十九条その他関係法律の規定に基づき、当該損失補償の原因となる措置を講じた行政庁が、救済に係る手続を処理することとなる。また、国民の保護のための措置に係る不服申立て又は訴訟については、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の規定に基づき審査請求をすべき行政庁又は行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)の規定に基づき当該訴訟を受理した裁判所が、それぞれ、救済に係る手続を処理することとなる。 このように、国民の保護のための措置に関する国民の権利利益の救済に係る手続については、関係法律の規定に基づいて行われるものである。 六について お尋ねの「国民の財産保全や生活再建に関する財政支援及び武力攻撃災害からの復旧・復興に係る制度的裏付け」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国民保護法第百七十一条において、武力攻撃災害の復旧に係る財政上の措置について規定しているところ、お尋ねの「「別に法律で定める」こととしている制度」について地方公共団体からの問合せに対して同条の趣旨を説明しているところである。 また、武力攻撃による国民の被害に対する補償については、個別具体的な判断が必要であることから、武力攻撃事態終了後の復興施策の在り方の一環として、政府全体で検討すべきものと考えているところ、国民保護法において特段の規定は置かれていない。なお、地方公共団体からの問合せに対してこのような考えを説明しているところである。 |