第221回国会(特別会)
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質問第六五号 不当労働行為に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和八年七月一日 塩村 あやか
参議院議長 関口 昌一 殿 不当労働行為に関する質問主意書 東京都労働委員会は令和八年三月、鉄道事業者(以下「当該事業者」という。)の社員に対して駅長が労働組合からの脱退を働き掛けた言動及び副長が昇任試験等に言及しながら同組合からの脱退を働き掛けた言動について、労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)が禁止する不当労働行為に当たると認定した。また、同委員会は、当該事業者に対して、同様の行為を繰り返さない旨を記載した文書の交付及び掲示を命令した。 これ以前にも、当該事業者における労働組合からの脱退勧奨行為を労働委員会や裁判所が不当労働行為と認定する事案が報道されており、脱退勧奨が常態的に行われていることが懸念される。また、当該事業者が、労働組合の要件を満たさない社員の親睦団体を優遇し、友好的な労使関係を築く一方で、既存の労働組合に対しては脱退勧奨等により活動を妨害し、弱体化させているとの指摘がある。さらに、当該事業者においては、近年、長時間にわたる運転見合せを伴うインシデント等が相次いで発生している。この背景として、労働者の保護において重要な役割を果たす労働組合が組織率の低下により弱体化し、労働環境の悪化や現場の疲弊を招いているとの指摘もある。 日本国憲法第二十八条は、労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権を保障し、労働組合法第七条は、使用者による労働組合や労働者に対する不利益取扱い、団体交渉の拒否、支配介入を不当労働行為として禁止している。個別の事案における不当労働行為の該当性は労働委員会や裁判所において判断されるものと承知している。その上で、一般論として、使用者によるどのような言動が不当労働行為に当たるか確認するとともに、労働委員会による救済命令の実効性の担保に課題があることを指摘するため、以下質問する。 一 使用者が労働者に対し、特定の労働組合からの脱退を勧奨、誘導又は示唆する行為は、日本国憲法第二十八条が保障する労働者の団結権の侵害、労働組合法第七条第三号が規定する支配介入に該当し、不当労働行為に当たると考えるが、政府の見解を示されたい。 二 労働組合の組合員であること又は組合の正当な活動を行ったことを理由として、使用者が当該労働者に対して査定上の差別、賞与の減額、昇進・昇格の見送り又は配置転換等を行うことは、労働組合法第七条第一号が規定する不利益取扱いに該当し、不当労働行為に当たると考えるが、政府の見解を示されたい。 三 使用者が労働者に対し、特定の労働組合に所属し続けることにより人事評価や昇進・昇格に不利益をもたらす可能性がある旨を伝達する行為は、労働組合を威嚇し、活動を萎縮させるものであり、労働組合法第七条第三号が規定する支配介入に該当し、不当労働行為に当たると考えるが、政府の見解を示されたい。 四 同一の企業に複数の労働組合が併存する場合、使用者は全ての労働組合に対して中立的な態度を保持する義務(中立保持義務)を負うと解されている。労働組合法第二条が規定する労働組合の要件を満たさない労働者の親睦団体の代表が過半数代表者に選出されている場合、使用者が同団体との間では労使協議や便宜供与を行う一方、労働組合からの協議申入れを拒絶し、又は、協議を不当に遅延させる行為は、労働組合法第七条第一号が規定する不利益取扱いや同条第三号が規定する支配介入に該当し、不当労働行為に当たると考えるが、政府の見解を示されたい。 五 労働委員会において、使用者による不当労働行為が認定され救済命令が発出されたにもかかわらず、使用者が従前と同様に組合員に対する差別的扱いを継続することは、不当労働行為救済制度を形骸化させるものである。労働委員会による救済命令の実効性の担保に対する政府の見解を示されたい。 右質問する。 |