第221回国会(特別会)
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質問第六一号 むつ中間貯蔵施設の中長期計画に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和八年六月二十九日 福島 みずほ
参議院議長 関口 昌一 殿 むつ中間貯蔵施設の中長期計画に関する質問主意書 一 二〇二五年七月に東京電力ホールディングス株式会社(社名変更前の「東京電力株式会社」を含め、以下「東京電力」という。)等が公表した「リサイクル燃料貯蔵(株)(RFS)に関する中長期搬入・搬出計画」(以下「中長期計画」という。)によれば、使用済燃料について、二〇五〇年代前半までに青森県むつ市のリサイクル燃料備蓄センター(以下「むつ中間貯蔵施設」という。)への搬入が完了し、二〇九〇年代初頭までに六ヶ所再処理工場への搬出が完了することとされている。しかし、その根拠が示されていないため、国民の不安や疑問は多い。 1 二〇二五年九月時点での東京電力の発電用原子炉は、運転年数三十年以上が五基、三十年未満が二基である。また、日本原子力発電株式会社(以下「日本原電」という。)には三十八年、四十六年のものが一基ずつある。運転可能年数を六十年とする場合、四十年後に運転可能なものは存在せず、三十年後に運転しているものは、東京電力の二基のみである。しかし、六ヶ所再処理工場への搬出は、二〇六四年頃から二〇七四年頃までと二〇八〇年代中頃から二〇九〇年代初頭までの予定とされている。両社の稼働している原発が存在しない時期に再処理するとの中長期計画は実現不可能である。中間貯蔵を進めている政府として、このような計画を看過すべきでない。中長期計画が将来の廃炉、老朽化等を踏まえた実現可能なものとなるよう、東京電力及び日本原電に見直しを求めるべきと考えるが、政府の見解と対応を示されたい。 2 二〇二六年二月時点でのプルトニウム保有量は、東京電力が約十三・五トン、日本原電が約五トンである。使用済燃料の貯蔵量は、東京電力が七千四十トン、日本原電が千百八十トンである。これを再処理する場合、プルトニウム保有量は、東京電力が約五十八トン、日本原電が約九・七トン増え、東京電力が約七十一・五トン、日本原電が約十四・七トンとなる。 また、プルトニウム年間利用目安量は、東京電力のプルトニウム利用計画(二〇一〇年三月時点)によれば、三基から四基の原発で約〇・九トンから一・六トンである。日本原電のプルトニウム利用計画(二〇二六年二月時点)によれば、二基の原発で約〇・八トンである。全てのプルトニウムの利用には、保有量を年間利用目安量で除した場合、最短で東京電力は約四十四年、日本原電は約十八年必要となる。しかし、むつ中間貯蔵施設から六ヶ所再処理工場に搬出が開始される二〇六四年以降、原発の廃炉と老朽化により、両社に稼働している原発は存在せず、再処理する必要がない。 実現不可能な中長期計画は、プルトニウムの余剰を招き、むつ中間貯蔵施設から六ヶ所再処理工場に搬入された場合でも、再処理されずに長期貯蔵されるか、むつ中間貯蔵施設から搬出されずに長期貯蔵される可能性が高い。したがって、中間貯蔵を進めている政府として、両社に使用済燃料貯蔵量と今後の発生見込量及び再処理・プルトニウム利用に係る計画の策定を求めるべきと考えるが、政府の見解と対応を示されたい。 3 原発の廃炉及び老朽化によるプルトニウム余剰は、東京電力及び日本原電だけでなく全国の原発の課題である。政府として二〇九〇年代以降も全量再処理政策を進める場合、全国の原発の将来にわたる稼働計画、使用済燃料の貯蔵、発生見込量及び再処理・プルサーマル計画等を政府として取りまとめ、公表する必要があると考えるが、政府の見解と対応を示されたい。 4 二〇〇五年五月十六日の青森県議会議員全員協議会(以下「協議会」という。)において、勝俣恒久東京電力代表取締役社長(当時)は、貯蔵を五十年間とするに当たっては、「二十一世紀半ばごろのエネルギーの状況に応じた対応を考慮して設定した」、「百年というと(略)難しい問題もいろいろ出てくる」、「国の基本方針として全量再処理の方針というものは確たるものとして進むものとして事業者として受けとめている」と答弁した。中間貯蔵施設からの搬出完了予定は、現在から約七十年後の二〇九〇年代初頭である。勝俣社長(当時)の答弁にある「難しい問題もいろいろ出てくる」百年になる。 原発の廃止と老朽化を抱え、全量再処理に一事業者だけで対応するのは困難と思料する。政府として全量再処理の方針を見直す必要があると考えるが、政府の見解と対応を示されたい。 5 中長期計画の前提は、六ヶ所再処理工場が二〇二六年度末に竣工し、二〇九〇年代初頭以降も年間八百トンを安定的に再処理することにある。しかし、同工場には、経年劣化やプルトニウム等の放射性物質汚染により人間が直接アクセスできない、いわゆるレッドセル施設や設備も多く、同工場の長期的安全性・安定性の確保に不安や疑問は多い。同工場の長期的安全性・安定性確保のための政府の対応を示されたい。 二 協議会において、勝俣社長(当時)は、むつ中間貯蔵施設で貯蔵する使用済燃料について、東京電力と日本原電の「二社の原子力発電所で発生する」もののみとする予定であり、全国の使用済燃料を貯蔵することはない旨答弁した。しかし、二〇二〇年十二月には、電気事業連合会が、むつ中間貯蔵施設の共同利用の検討を表明した。また、二〇二五年十二月には、東京電力及び日本原電が、「事業者間連携」との名目で、二社以外の使用済燃料の搬入を検討すると説明した。これは、協議会における答弁と矛盾し、青森県及びむつ市からの信頼が失われたと考えるが、政府の認識を示されたい。あわせて、協議会における答弁は政府も認識していることから、政府として二社以外の利用を容認しないことを明言すべきと考えるが、政府の見解と対応を示されたい。 右質問する。 |