第221回国会(特別会)
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質問第五八号 我が国における難民認定の実態に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和八年六月二十九日 石橋 通宏
参議院議長 関口 昌一 殿 我が国における難民認定の実態に関する質問主意書 一 難民認定申請者について 1 二〇二六年三月に公表された「令和七年における難民認定者数等について」によれば、二〇二五年の難民認定申請者のうち、千七十三人が二十歳未満であった。そのうち、難民認定申請時に在留資格を有していなかった者の数を示されたい。また、難民認定申請回数別の内訳を示されたい。 2 「令和七年における難民認定者数等について」によれば、二〇二五年に仮滞在を許可した者は七十三人であった。このうち、二十歳未満の者の数及びその年齢の内訳を示されたい。 3 二〇二五年の難民認定制度の「濫用」の件数を示されたい。 二 案件振り分けについて 「難民認定等事務取扱要領」(二〇二四年六月十日一部改正)は、難民認定申請案件を「難民条約上の難民若しくは法第二条第三号の二に規定する補完的保護対象者である可能性が高いと思われる案件又は本国における個別事情により人道上の配慮を要する可能性が高いと思われる案件」(A案件)、「難民条約上の迫害に明らかに該当しない事情を主張している案件」(B案件)、「再申請である場合に、正当な理由なく前回と同様の主張を繰り返している案件」(C案件)及び「上記以外の案件」(D案件)の四類型(以下「四類型」という。)に振り分けている。 1 現時点において四類型の定義に変更があるか示されたい。変更がある場合、その内容を示されたい。 2 B案件について、「難民認定等事務取扱要領」は「…生命、身体若しくは身体の自由が脅威にさらされている若しくはその他の人権の重大な侵害のおそれがあるとは言えないこと又は国籍国の保護を受け得る状態にあることが明白なもの」を対象案件の一つとしている。一方、出入国在留管理庁出入国管理部長発出「難民等認定申請においてB案件に振り分けるのが適当な案件の指定について(通知)」(二〇二五年五月一日)において、政府は「各国の出身国情報等に基づき、早期にB案件へ振り分けるのが適当な案件を別紙のとおり指定します」としている。 (1) 当該通知を定めるに当たり、参照した出身国情報等を国別に示されたい。 (2) 申請者が「国籍国の保護を受け得る状態にあることが明白」か否かの判断は、申請者の個別事情に応じて判断されるべきものである。同通知において「早期にB案件へ振り分けるのが適当な案件」を指定しているとのことだが、どのような場合において、申請者の個別事情を考慮することなく「国籍国の保護を受け得る状態にあることが明白な」案件に指定することが可能と考えるか、政府の見解を示されたい。 3 B案件への振り分け後の対応について、「難民認定等事務取扱要領」は、「申請書等の提出資料により難民該当性及び補完的保護対象者該当性を判断できるとき」等については、「面接による事情聴取を要しない」としている。迅速な難民保護、手続の効率化の観点から、A案件へ振り分けられた案件についても、同様に判断できるときは、「面接による事情聴取を要しない」とすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。 三 難民審査体制について 1 二〇二五年五月に公表された「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」(以下「ゼロプラン」という。)において、政府は「二〇二六年中に新規受理した申請の六か月以内(平均)の処理を目指す」としている。二〇二三年、二〇二四年及び二〇二五年中に新規受理した申請について、平均の処理期間をそれぞれ示されたい。統計をとっていない場合、ゼロプランの評価に支障を来すと考えるが、政府の見解を示されたい。 2 ゼロプランにおいて、政府は「※ただし、今後の難民等認定申請者数や長期未処理案件の処理状況等によって変動があり得る」としており、長期未処理案件の処理状況は政府にとって重要な課題であると考える。以上を踏まえて、以下の統計を明らかにされたい(速報値でも差し支えない)。統計をとっていない場合、ゼロプランの評価に支障を来すと考えるが、政府の見解を示されたい。 (1) 直近時点の難民認定申請中の者のうち、案件振り分けの導入前に難民認定申請をした者の数。 (2) 直近時点の難民不認定処分に対する審査請求中の者のうち、案件振り分けの導入前に難民認定申請をした者の数。 (3) 二〇一五年から二〇二五年までの各年における難民認定申請受理案件のうち、直近時点の難民認定申請係属件数。 (4) 二〇一五年から二〇二五年までの各年における難民認定申請受理案件のうち、直近時点の難民不認定処分に対する審査請求係属件数。 (5) 二〇一五年以前の難民不認定処分に対する審査請求受理案件のうち、直近時点の未処理の案件数。 (6) 前記(5)のうち、審理終結件数。 (7) 二〇一五年から二〇二五年までの各年における難民不認定処分に対する審査請求受理案件のうち、直近時点の未処理の各案件数。 (8) 前記(7)のうち、各年の審理終結件数。 3 二〇二六年四月一日現在の難民調査官に指定されている者の数を地方局別に示されたい。 4 二〇二六年四月一日現在の出身国情報の収集等に専従する職員の数を示されたい。 四 難民認定者等について 1 二〇二五年に難民として認定された者(審査請求手続における認定者を含む。以下同じ。)について、以下を明らかにされたい。 (1) 難民認定申請回数別の複数回申請者の数。 (2) 退去強制令書発付後に難民として認定された者の数。 (3) 難民認定申請から難民の認定を受けるまでに要した期間別の内訳。 (4) 難民認定申請から難民の認定を受けるまでの平均日数、最短日数及び最長日数。 (5) 四類型別の内訳。 2 二〇二五年に難民としては認定されなかったものの、補完的保護対象者と認定された者(審査請求手続の結果、在留を認められた者を含む。以下同じ。)について、以下を明らかにされたい。 (1) 難民認定申請回数別の複数回申請者の数。 (2) 退去強制令書発付後に補完的保護対象者として認定された者の数。 (3) 四類型別の内訳。 3 二〇二五年に難民及び補完的保護対象者のいずれにも認定されなかったものの、人道的な配慮により在留を認められた者(審査請求手続の結果、在留を認められた者を含む。以下同じ。)について、以下を明らかにされたい。 (1) 難民認定申請回数別の複数回申請者の数。 (2) 退去強制令書発付後に在留特別許可された者の数。 (3) 四類型別の内訳。 (4) 審査請求により当該在留が認められた者の数及びその国籍の内訳。 4 政府は、本国における情勢不安を理由に本邦への在留を希望する者に対して、在留資格「特定活動」での在留を認めることとしている。「入国・在留審査要領」第十二編第二章第三十節によれば、当該「特定活動」で在留している者について、政府は在留資格「定住者」への変更を原則認めていない。 (1) 当該「特定活動」で在留する者に対して、当該「定住者」への変更が認められる場合はあるか示されたい。ある場合、どのような場合に認められ得るか、政府の見解を示されたい。 (2) 「令和七年における難民認定者数等について」によれば、二〇二五年には四百九十三人が、本国情勢等を理由に人道配慮による在留許可を受けている。この四百九十三人の中に、当該「特定活動」が付与された者は含まれているか示されたい。含まれている場合、その人数及び国籍別の内訳を示されたい。統計をとっていない場合、本国における情勢不安を理由に本邦への在留を希望する者への保護の実態を把握することが困難と考えるが、政府の見解を示されたい。 五 審査請求について 1 「令和七年における難民認定者数等について」によれば、二〇二五年に審査請求により「理由あり」とされた者及び「理由なし」とされた者のうち、三百九十人に口頭意見陳述等期日が実施され、三千四十人には実施されていない。口頭意見陳述等期日が実施されていない三千四十人のうち、「口頭意見陳述申立書」を提出していた者の数を示されたい。 2 難民審査参与員について、二〇二六年四月一日時点の東京出入国在留管理局、名古屋出入国在留管理局、大阪出入国在留管理局における「常設班」の数をそれぞれ示されたい。 3 難民審査参与員のうち、現時点で常設班を構成しない者はいるか示されたい。いる場合、当該人数及び理由について、政府の見解を示されたい。 六 訴訟について 難民不認定処分取消請求訴訟及び難民不認定処分無効確認請求訴訟について、二〇二五年に提起された件数及び終局裁判がなされた件数をそれぞれ明らかにされたい。また、難民不認定処分の取消し若しくは無効が確定した後又は難民認定処分の義務付け訴訟で国側が敗訴した後、難民認定がなされず、在留資格が付与されなかったケースはあるか示されたい。ある場合、当該理由について、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |