第221回国会(特別会)
|
質問第四八号 陸上自衛隊第一師団第一普通科連隊のロゴマーク及び行政における生成AI活用の在り方に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和八年五月十五日 石垣 のりこ
参議院議長 関口 昌一 殿 陸上自衛隊第一師団第一普通科連隊のロゴマーク及び行政における生成AI活用の在り方に関する質問主意書 政府は、行政機関における生成AIの活用を推進している。生成AIについては、文書作成、画像生成、情報整理等において一定の有用性がある。一方、その生成物については、入力する指示語の内容により結果が大きく左右される特性がある。 陸上自衛隊第一師団第一普通科連隊は令和八年四月二十九日、新しいロゴマーク(以下「当該ロゴ」という。)をSNSで公開した。その後、好戦的等の批判が続出したことを受け、同連隊は当該ロゴの使用を中止することとし、投稿を削除した。同年五月三日付けの毎日新聞配信記事によれば、当該ロゴは、隊員が生成AI「ChatGPT」に対し、「ゾウ」、「マンモス」、「かっこいい」、「青い炎」、「擬人化」、「自衛隊」といった指示語を入力して作成したとされている。また、当該ロゴは、タイの国境警備警察に関連したとみられるロゴと酷似しており、「著作権を侵害しているのでは」との指摘もあったとされている。 生成AIは、利用者の意図や価値観、知識、表現能力等を強く反映するものである。そのため、行政機関における活用に際し、利用する職員の理解能力や判断能力が欠如している場合、不適切な生成物や誤解を招く生成物が公的に発信されるおそれがある。また、生成AIが作成したことを理由として、生成物に係る説明責任や責任主体が曖昧になれば、行政に対する国民の信頼が損なわれるおそれもある。さらに、生成AIの利用に当たっては、既存画像への依拠や類似画像生成による著作権その他知的財産権上の問題が生じる可能性がある。 以上を踏まえて、以下質問する。 一 当該ロゴについて、政府は、前記報道において例示された指示語を入力して作成したものであることを確認しているか示されたい。確認している場合、例示された指示語のみを入力したか、併せて入力したその他の指示語が存在するかを示されたい。 二 前記報道において例示された指示語を用いて生成AIによる再現を試みたところ、当該ロゴにあるようなドクロ、鎖、小銃等は表現されなかった。当該ロゴを作成した際、生成AIに入力した全ての指示語及びその他作成過程において入力した指示の内容を全て示されたい。 三 陸上自衛隊において、部隊等が独自にロゴ、エンブレムその他これに類する対外的表示物を作成、公表又は使用することは可能か示されたい。可能である場合、その根拠、作成及び使用に係る手続、承認権者並びに最終的な判断責任者をそれぞれ示されたい。また、そのような権限及び手続を設けている理由について、政府の見解を示されたい。 四 前記の他のロゴとの酷似に係る指摘について、当該ロゴの作成過程において、他のロゴ等の画像を生成AIに読み込ませた事実又は参照させた事実の有無を政府として確認しているか示されたい。確認している場合、その内容を示されたい。 五 政府は、生成AIの利用者の指示内容及び修正過程が生成物に重大な影響を及ぼすと認識しているか示されたい。また、政府は、生成AIが作成したことを理由として説明責任や責任主体を曖昧にすることなく、最終的な責任は利用者及び承認者にあると認識しているか示されたい。 六 行政機関において生成AIを活用する際には、単に導入するのみならず、利用する職員の知識、倫理観、表現能力、著作権等に関する理解及び判断能力を向上させることが不可欠と考えるが、政府の見解を示されたい。また、行政機関における生成AIの活用について、生成AIを過信するのではなく、利用する職員の能力向上及び適切な判断能力の醸成を重視すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。 七 政府は、行政機関における生成AIの活用により、著作権侵害、意匠の類似、既存画像への依拠その他知的財産権上の問題が生じる可能性を認識しているか示されたい。 八 政府は、行政機関における生成AIの活用に当たり、利用する職員に対してどのような教育、研修、ガイドラインの周知又は注意喚起を行っているか示されたい。生成AI利用時における著作権、知的財産権及び類似画像の生成リスク等に関する教育、研修又は注意喚起を実施している場合、その対象者、頻度、規模及び内容を具体的に示されたい。現在実施していないが今後実施する計画がある場合、その対象者、頻度、規模及び内容を併せて具体的に示されたい。 右質問する。 |