質問主意書

第221回国会(特別会)

質問主意書

質問第四七号

自由民主党大会に出席した陸上自衛隊中央音楽隊副隊長の政治的行為該当性に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和八年五月十五日

石垣 のりこ


       参議院議長 関口 昌一 殿



   自由民主党大会に出席した陸上自衛隊中央音楽隊副隊長の政治的行為該当性に関する質問主意書

 令和八年四月十二日に開催された第九十三回自由民主党大会(以下「当該大会」という。)において、陸上自衛官が国歌を歌唱し、当該自衛官の上官である陸上自衛隊中央音楽隊副隊長が同行していた(以下「本件行為」という。)。

 私が提出した「自由民主党大会における陸上自衛官の歌唱及び陸上自衛隊中央音楽隊副隊長の同行に関する質問主意書」(第二百二十一回国会質問第四〇号)に対する答弁(内閣参質二二一第四〇号。以下「答弁書」という。)において、政府は、「「当該副隊長の同行」については、(略)党大会の前に防衛省人事教育局及び陸上幕僚監部の担当者への報告があったものではなく、これらの部局の担当者が、党大会の前に、自衛隊法第六十一条第一項の規定により禁止されている政治的行為に該当しないことを確認したものではない。」と答弁した。

 また、政府は、「誤解のおそれのあるようなことは慎むべきであることは論を待ちません。」との夏目防衛庁長官官房長(当時)の答弁及び「一般的に政治目的がはっきりしている大会の出席については慎重な配慮が必要である」との山下防衛庁長官(当時)の答弁において示された政府の見解に変更はないと答弁した。一方、当該大会が「同答弁における「政治目的がはっきりしている大会」に該当するか」、本件行為が「同答弁における「出席」に該当するか」との質問に対し、「特定の政党の活動を前提とするものであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。」と答弁し、政府としての認識を明らかにしなかった。

 さらに、「自衛官が私人として政党の大会に出席する場合でも、政治的中立性等について「誤解のおそれのあるようなことは慎むべき」と考えるが、政府の認識を示されたい。」との質問に対し、「一般論として申し上げれば、自衛隊法(略)第六十一条第一項の規定も踏まえ、個別具体的に判断すべきものと考えている。」と答弁した。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 政府は、本件行為の可否を判断する際に、前記の山下防衛庁長官(当時)の答弁を参照したか示されたい。

二 前記一について、参照した場合、当該大会は「政治目的がはっきりしている大会」に該当すると判断したか示されたい。

三 前記二について、該当すると判断した場合、本件行為について、どのような「慎重な配慮」をしたのか具体的に示されたい。該当しないと判断した場合、その理由を示されたい。

四 一般論として、政党の開催する大会は「政治目的がはっきりしている大会」に該当すると考えるが、政府の認識を示されたい。該当しないと判断する場合、その判断基準を具体的に示されたい。

五 答弁書「九について」の「個別具体的に判断すべきものと考えている。」との答弁について、「個別具体的に判断す」るためには、当該大会が「政治目的がはっきりしている大会」に該当するか判断する必要があると思料するが、政府の認識を示されたい。判断する必要がないと考える場合、当該大会の性質を認定せずに、本件行為の政治的行為該当性をどのように評価するか具体的に示されたい。

六 答弁書において、政府は、夏目防衛庁長官官房長(当時)の答弁において示された政府の見解に変更はないと答弁した。一方、「自衛官が私人として政党の大会に出席する場合」について、「一般論として(略)個別具体的に判断すべきもの」と答弁した。「政治家が主宰する団体に現職の自衛官が参加しているようなケース」と「自衛官が私人として政党の大会に出席する場合」との違いを具体的に示されたい。

七 答弁書において、政府は、本件行為が「自衛隊法第六十一条第一項の規定により禁止されている政治的行為に該当しないことを確認したものではない。」と答弁したが、確認していない理由を示されたい。また、「禁止されている政治的行為」に該当するか、改めて政府の認識を示されたい。

八 自衛隊法施行規則(昭和二十九年総理府令第四十号)第三十九条は、「隊員(略)となつた者は、次の宣誓文を記載した宣誓書に署名して服務の宣誓を行わなければならない」と規定している。同宣誓書において、「政治的活動に関与せず」との宣誓文が含まれている趣旨を示されたい。また、本件行為は、自衛官に「政治的活動に関与せず」と宣誓させている趣旨に反すると思料するが、過去の国会答弁を踏まえて、政府の認識を示されたい。

  右質問する。