質問主意書

第221回国会(特別会)

質問主意書

質問第三四号

地方自治の本旨と地方公務員の兼業特例の関係に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和八年四月十五日

石垣 のりこ


       参議院議長 関口 昌一 殿



   地方自治の本旨と地方公務員の兼業特例の関係に関する質問主意書

 日本国憲法第九十二条は「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」と規定している。同条における「地方自治の本旨」とは、地方における行政について、国から独立した人格を有する地方公共団体の存立を認め、その団体自らの手により自主、自律的にその事務を処理するという「団体自治の原則」、その団体の住民の意思と責任に基づいてその事務を処理するという「住民自治の原則」から成ると解されている。

 一方、第二百二十一回国会に提出された「予備自衛官等の職務の円滑な遂行を図るための国家公務員及び地方公務員の兼業の特例に関する法律案」(閣法第五〇号)は、地方公務員等が予備自衛官等の兼業を行う場合における職務専念義務の免除等の特例措置(以下「当該措置」という。)を設けるものと承知している。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 当該措置は、地方公共団体が職員の配置及び職務の遂行を自ら管理できなくなることから、団体自治の原則に反すると考える。当該措置と日本国憲法第九十二条の関係について、政府の見解を示されたい。

二 当該措置は、地方公共団体の職員の勤務体制に影響を及ぼすと思料するが、政府は、地方自治の本旨、特に、団体自治の原則を実質的に制約しないとの認識か示されたい。制約しないとの認識である場合、地方公共団体の長等の任命権者が予備自衛官等として招集命令等を受けた地方公共団体の職員に対し、当該命令等に従わず職務に専念するよう求めることは可能か、明確に示されたい。

三 災害発生時、地方公共団体の職員は、当該地方公共団体の災害対応業務に従事する。しかし、予備自衛官等を兼業する地方公共団体の職員は、招集命令等により自衛隊の任務に従事する場合が生じ得る。この場合、地方公共団体の業務と自衛隊の任務のいずれが優先されるか、法的根拠を含めて政府の見解を示されたい。

四 予備自衛官等を兼業する地方公共団体の職員が招集命令等に応じた結果、当該地方公共団体の人手が不足して業務に支障が生じた場合、その責任は誰が負うか示されたい。地方公共団体が責任を負う場合、当該措置により職員の配置に影響が生ずることを考慮すれば、地方自治の本旨との関係において問題が生ずると思料するが、政府の見解を示されたい。

五 当該措置により、地方公共団体が自らの判断のみで職員の配置及び職務の遂行を完全にコントロールできない場面が生じ得ると考えるが、政府は問題ないとの認識か示されたい。

  右質問する。