質問主意書

第221回国会(特別会)

質問主意書

質問第二九号

生殖補助医療に係る保険適用の回数制限緩和に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和八年四月六日

塩村 あやか


       参議院議長 関口 昌一 殿



   生殖補助医療に係る保険適用の回数制限緩和に関する質問主意書

 厚生労働省が公表した「人口動態統計速報(令和七(二〇二五)年十二月分)」によれば、二〇二五年の出生数(速報値)は日本で生まれた外国人等を含め七十万五千八百九人であり、統計開始以来の最小値を記録した。国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口(令和五年推計)」の中位推計によれば、日本で生まれた外国人等を含めた出生数が約七十万人となるのは二〇四二年であり、実際には十七年早いペースで少子化が進んでいることになる。

 一方、同研究所が公表した「第十六回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」によれば、「実際に不妊の検査または治療経験がある夫婦の割合」は二十二・七%であり、約四・四組に一組となっている。また、二〇二三年に体外受精、顕微授精等の生殖補助医療で生まれた出生児数は八万五千四十八人であり、同年における全出生児数(七十二万七千二百八十八人)の十一・七%、約九人に一人となっている。全出生児数に占める生殖補助医療で生まれた出生児数の割合は年々上昇している。

 二〇二二年四月に不妊治療への保険適用が開始されてから四年が経過した。現在、生殖補助医療の胚移植には保険適用の回数制限(以下「回数制限」という。)が設けられており、一子ごとに、初めての治療開始時点の女性の年齢が四十歳未満である場合は通算六回まで、四十歳以上四十三歳未満である場合は通算三回までとなっている。しかし、妊娠十二週未満で流産に至った場合には一回とカウントされ、六回又は三回の回数制限に近づくこととなる。不妊治療当事者のセルフサポート団体であるNPO法人Fineが二〇二二年及び二〇二五年に行ったアンケートには、「流産しても一子六回までの制限がリセットされないため、プレッシャーが大きい。」、「全て心拍確認後の流産でしたが保険の回数は十二週を超えなければリセットされないため(略)絶望していました。」など、当事者の声が寄せられている。

 回数制限は、当事者にとって、大きな経済的及び精神的負担になっていると考える。また、少子化問題への対応のためにも、回数制限の緩和が必要と考える。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 回数制限が設けられている理由について、年齢区分ごとに医学的見地から説明されたい。

二 回数制限の緩和のための方策として、妊娠十二週未満で流産に至った場合、保険適用回数のカウントから除外又は妊娠十二週以降に流産に至った場合と同様に「次の児の妊娠を目的とした治療」の開始とみなし保険適用回数をリセットすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 回数制限の緩和は、当事者の経済的及び精神的負担の軽減となるとともに、約九人に一人が生殖補助医療で生まれる現状に鑑み、少子化対策にも資すると考える。前記二における妊娠十二週未満で流産に至った場合の対応も含め、回数制限の緩和について、政府の見解を示されたい。

  右質問する。