第221回国会(特別会)
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質問第二六号 準備期間が極めて短い中で執行された衆議院議員総選挙に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和八年三月三十一日 牧山 ひろえ
参議院議長 関口 昌一 殿 準備期間が極めて短い中で執行された衆議院議員総選挙に関する質問主意書 第五十一回衆議院議員総選挙(以下「第五十一回総選挙」という。)は、準備期間が極めて短い中、厳冬期の二月に執行された。特に、豪雪地域においては選挙資材の輸送、投票所の設営、除雪、投票所までの交通確保など、これまでの選挙に比べて多大な準備と追加的経費が必要になったとの指摘がある。また、選挙事務の実施主体である地方自治体においては、短い準備期間だったことによる職員の過剰な業務負担を指摘する声が上がっている。さらに、第五十一回総選挙の影響により、令和八年度予算は年度内に成立せず、国民生活に大きな影響を及ぼすこととなった。 以上を踏まえて、以下質問する。 一 第五十一回総選挙の執行について、政府は予備費から約八百五十六億円の支出を決定した。現時点の支出済額について、速報値その他政府が把握している数値を示されたい。また、令和六年十月に執行された第五十回衆議院議員総選挙(以下「第五十回総選挙」という。)の経費と比較してどの程度の差があるか示されたい。 二 第五十回総選挙から一年半に満たない間に第五十一回総選挙が執行されたことについて、政府は国費の観点からどのような認識を有しているか示されたい。また、仮に、第五十一回総選挙に係る経費が約八百五十六億円である場合、国民一人当たり約七百円の負担が生じた計算となる。物価高が続く中で国民負担を増大させた側面があるとの指摘について、政府はどのように受け止めるか示されたい。 三 第五十一回総選挙は、衆議院解散から四日後に公示という極めて短期間で執行された。そのため、短期間での契約・発注等により、投票所・ポスター掲示場の設営、選挙公報の発行等の経費がこれまでの選挙よりも割高となったと考える。第五十一回総選挙における短期間での契約・発注等により、第五十回総選挙と比較して、どの程度経費が上昇したか、政府の見解を示されたい。 四 厳冬期以外における選挙執行と比較し、厳冬期における選挙執行によってどのような追加的負担が生じたと政府は認識しているか示されたい。 五 前記のとおり、第五十一回総選挙は、短い準備期間での執行により、地方自治体職員の業務負担が極めて大きかったとの指摘がある。令和八年三月二十七日の参議院予算委員会において、都道府県選挙管理委員会事務局職員の一月の時間外労働が最長二百四十四時間だったと政府が答弁したことからも明らかである。第五十一回総選挙においては、選挙管理委員会の職員だけでなく、休暇を取得していた職員や他の部門の職員も総動員して土曜日や日曜日にも準備を行わせるなど、長時間労働を強いることになったことについて、政府は事前に想定していたか示されたい。また、同選挙後に調査等を行い、長時間労働の実態を把握しているか示されたい。 六 第五十一回総選挙は、全国的な受験シーズンと重なった。選挙期間中においては、街頭演説や選挙カーからの連呼などが各地で行われるため、受験への影響があったと思料する。また、選挙権を有する十八歳の若者の多くが受験を控えていたことにより、勉強のために期日前投票の時間を確保できないケースや投票日と受験日が重複したケースもあったと承知している。第五十一回総選挙の執行時期は適切であったと考えるか、政府の見解を示されたい。 七 高市内閣総理大臣は、令和八年一月十九日の解散表明の記者会見において、「なぜ、今なのか。高市早苗が、内閣総理大臣で良いのかどうか、今、主権者たる国民の皆様に決めていただく、それしかない。そのように考えたからでございます。」と解散の理由を説明した。前記のように、第五十一回総選挙は、①第五十回総選挙から一年半に満たない時期であったこと、②衆議院解散から極めて短期間で執行されたこと、③厳冬期の二月に執行されたこと、④地方自治体職員に過剰な業務負担を強いたこと、⑤全国的な受験シーズンと重なったことなど、多方面にわたり大きな負担を強いることになった。同時期に第五十一回総選挙を緊急的に執行した理由をより具体的に示されたい。また、その具体的理由について、政府は、国民負担の増加や国会の審議時間短縮など、悪影響に値する緊急性があったという認識か示されたい。 八 高市内閣総理大臣は、前記七の記者会見において、「暫定予算の編成が必要になるかもしれません。」との懸念も示していた。第五十一回総選挙について、国民に信を問うべき政策の緊急性が明らかでないだけでなく、高市内閣総理大臣自身が、令和八年度予算の成立が遅れるというリスクを事前に見込んでいたとの理解でよいか示されたい。 九 令和八年度予算は年度内に成立せず、暫定予算を編成する結果となった。長年にわたる国会における予算審議の慣例を踏まえれば、当該事態は事前に予測されたことである。高市内閣総理大臣の解散時期の判断は、国会を軽視した極めて不見識なものであったと言わざるを得ない。令和八年度予算が年度内に成立しなかったことに対する責任について、政府はどのように受け止めているか示されたい。 十 前記のとおり、第五十一回総選挙の影響により、衆議院予算委員会における審査時間が大幅に短縮され、物価高対策等の議論に十分な時間を充てることができなかった。また、令和八年度予算の成立が四月にずれ込み、新たな物価高対策等を講ずるタイミングも後ろ倒しとなったと考えるが、政府の認識を示されたい。 十一 近年、諸外国においては、首相等による議会解散権の行使について一定の制約を設ける制度が議論又は導入されていると承知している。政府はこうした国際的動向をどのように認識しているか示されたい。また、我が国における衆議院解散の在り方について制度的検討を行う考えはあるか示されたい。 右質問する。 |