質問主意書

第221回国会(特別会)

質問主意書

質問第二四号

衆議院議員総選挙時における選挙管理委員会職員の時間外労働に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和八年三月二十五日

石垣 のりこ


       参議院議長 関口 昌一 殿



   衆議院議員総選挙時における選挙管理委員会職員の時間外労働に関する質問主意書

 福岡県は、令和八年二月八日執行の第五十一回衆議院議員総選挙(以下「総選挙」という。)時における選挙管理委員会職員の極めて深刻な時間外労働の実態を明らかにした。同年一月二十三日に衆議院が解散され、同月二十七日に総選挙が公示された。解散から公示までの期間は四日間であり、その間の平日は一日のみであった。報道によれば、「選挙事務の中心を担っていた選挙管理委員会選挙係八人の一月十~三十一日の平均残業時間が約百七十三時間で、このうち一人は残業時間が約二百二十七時間に上った」とされた。また、「八人の二月一~二十八日までの平均残業時間は約九十時間、最大となる一人は約百五十三時間だった」とされた。

 時間外労働の上限は月四十五時間が原則とされ、月八十時間を超える場合はいわゆる「過労死ライン」の水準に該当するとされている。これと比較すれば、前記事例は過労死ラインを大幅に上回るものであり、極めて深刻な労働実態である。選挙事務が法令に基づき全国一律に実施されることを踏まえれば、前記の状況は個別の自治体の課題にとどまらず、制度設計や運用の在り方として検討されるべき全国的課題である。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 総選挙時における全国の選挙管理委員会職員の時間外労働に係る実態について、政府として把握しているか示されたい。把握している場合、具体的な時間数を含めた概要を示されたい。把握していない場合、速やかに全国的な実態調査を実施すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 政府は、福岡県において過労死ラインを大幅に上回る時間外労働が生じた事実をどのように受け止めているか示されたい。また、時間外労働が発生した状況について、制度設計や運用の観点からどのように評価しているか示されたい。

三 前記の時間外労働が発生した要因について、人員体制、業務量、選挙日程その他の制度的要因を含め、政府はどのように分析しているか具体的に示されたい。

四 前記の時間外労働が発生した背景として、衆議院解散から公示までが短期間であったことが一因との指摘がある。政府も同様の認識を有しているか示されたい。同様の認識を有していない場合、政府が考える時間外労働の発生要因を示されたい。

五 内閣総理大臣が事実上の衆議院の解散権を有することは前提としつつも、選挙の適正な実施及び選挙管理委員会職員の労働環境確保の観点からは、衆議院解散から公示まで一定期間を設けることについて、法的に検討される余地があると考える。例えば、解散から公示まで少なくとも十四日間の期間を設けることを義務付ける法改正は可能と考えるが、政府の見解を示されたい。

六 選挙管理委員会職員の過度な時間外労働を防止し、持続可能な選挙執行体制を確立するため、政府として具体的にどのような対策を講ずるか示されたい。

  右質問する。