質問主意書

第221回国会(特別会)

質問主意書

質問第一六号

外国人留学生の在籍管理に係る改善指導対象校への私立大学等経常費補助金の交付再開に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和八年三月十二日

石垣 のりこ


       参議院議長 関口 昌一 殿



   外国人留学生の在籍管理に係る改善指導対象校への私立大学等経常費補助金の交付再開に関する質問主意書

 文部科学省は令和八年二月十九日、「外国人留学生の在籍管理が適正に行われない大学等に対する指導指針」に基づき、大学等の在籍管理に明らかに「帰責性がある」要因で発生した退学者等の人数が全留学生数の五%を超えているとして、東京福祉大学(以下「当該大学」という。)及び名古屋経営短期大学を改善指導対象校に指定した旨公表した。当該大学は、留学生二千四百七十人中、帰責性ありの退学者等は百五十二人(六・二%)、名古屋経営短期大学は、九十四人中七人(七・四%)だった。

 当該大学は、平成二十八年度から平成三十年度に約一万二千人の留学生を受け入れたが、そのうち千六百十人が所在不明、七百人が退学、百七十八人が除籍となっていたことが明らかになり、「消えた留学生問題」として報道された。これを受け、日本私立学校振興・共済事業団(以下「事業団」という。)は当該大学に対し、私立大学等経常費補助金(以下「補助金」という。)の不交付を決定した。

 しかし、事業団は、当該大学が改善指導対象校に指定された翌日(令和八年二月二十日)、令和元年度から不交付としていた当該大学に対する補助金について、七十五%減額するものの、交付を再開することを決定した。

 当該大学の在籍管理が改善したとは言えない現状にあることが判明した直後に、補助金の交付を再開することを踏まえて、以下質問する。

一 当該大学に対する補助金不交付の要因の一つは、創立者である元理事長の中島恒雄氏の不適切な運営への関与と考える。事業団は、令和七年度の当該大学運営において、中島氏の関与が完全に排除されていることについて、いつ、どのような調査をもって確認したか、政府が把握している状況を具体的に示されたい。

二 中島氏は令和八年二月十二日、当該大学名古屋キャンパスを訪問し、幹部教員と面会していたとの情報がある。また、学内手続を一切無視して中島氏への特別指導料を振り込んだ会計責任者は、現在も理事を務めている。こうした現状にもかかわらず、中島氏の当該大学運営への関与が完全に排除されたと事業団が考えるに至った根拠を政府は把握しているか示されたい。

三 令和七年度の当該大学運営において、中島氏の関与が認められる期間がある場合、当該年度分の補助金を交付することは不適切と考えるが政府の見解を示されたい。

四 当該大学は令和七年度補助金の交付決定前日、改善指導対象校に指定されている。また、同時期に改善指定対象校に指定された名古屋経営短期大学と比較して留学生数が極めて多く、在籍管理の不備が社会に及ぼす影響は格段に大きい。在籍管理の不備の継続が露呈した直後に、事業団が補助金の再交付を認めた理由を政府は把握しているか示されたい。留学生数に鑑みれば、より厳格な在籍管理が必要と考えるが、政府の認識を示されたい。

五 当該大学大学院(修士課程・博士課程)において、教育の質が著しく低下しているとの疑義がある。同大学院において、標準修業年限内に卒業・修了ができない学生が三割程度に達しているとの情報がある。政府は、同大学院の直近三箇年の修了率を把握しているか示されたい。把握している場合、その数値を示されたい。

六 留学生の募集に当たり、日本語能力試験(JLPT)N1程度の語学力を求める大学院もあるが、当該大学大学院はN2程度の語学力を求めている。しかし、N2程度の語学力さえ持たない学生が多数在籍しているとの指摘がある。大学院設置基準に照らし、同大学院において適切な教育水準が保たれていると判断しているか、政府の認識を示されたい。

七 当該大学大学院は収容定員を大幅に超過して学生を受け入れているため、教員の指導が行き届かない状況にあると思料する。定員充足率に対して、教育体制が適正か調査を行う必要があると考えるが、政府の認識を示されたい。

八 不動産業者等から当該大学事務局に対し、学生の所在を確認する電話が頻繁にあるとの情報がある。当該大学が学生の居住実態を把握できていない証左であると考えるが、こうした現場の実態に係る政府の認識を示されたい。

九 当該大学は、留学生の募集エージェントと契約した数の留学生を受け入れられず、同エージェントに対し違約金として五百万円を支払っているとの情報がある。当該情報を政府は把握しているか示されたい。また、外国人留学生の在籍管理を適正に行えず、違約金をも支払っている当該大学に対し、税金を原資とする補助金の交付を是認すべきでないと考えるが、政府の認識を示されたい。

  右質問する。