第221回国会(特別会)
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質問第一四号 国民保護法における国及び地方公共団体の役割分担等の在り方に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和八年三月十二日 高良 沙哉
参議院議長 関口 昌一 殿 国民保護法における国及び地方公共団体の役割分担等の在り方に関する質問主意書 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成十六年法律第百十二号。以下「国民保護法」という。)は、国及び地方公共団体の役割分担や協議手続、計画策定・変更の在り方について詳細に規定している。しかし、国民保護法に基づき都道府県や市町村に設置される協議会(以下「協議会」という。)や協議手続、計画の策定及び変更等の関連施策について、政府がどの程度関与するか、法文上明確とは言えない。武力攻撃事態等に備えるという国民保護法の趣旨に基づき、政府が地方公共団体の計画等を十分に把握する必要があることは言うまでもない。 沖縄県では、避難施設整備、図上訓練、離島住民避難等に関する各種取組が県を中心に進められている。しかし、これらの取組が国民保護法上のいかなる法的根拠に基づいて推進されているか、また、国民保護法に規定する「重要事項」又は「軽微な変更」のいずれに該当するかは必ずしも明確ではない。 以上を踏まえて、以下質問する。 一 国民保護法第三十七条及び第三十八条に基づき設置される協議会について、政府として詳細を十分把握しているか示されたい。特に、沖縄県国民保護協議会について、二〇一九年度以降の開催年月日、開催回数、議題及び審議事項を示されたい。その際、政府が詳細を把握した方法又は根拠(報告、照会、提出資料、その他の手段等)を特定して示されたい。 二 国民保護法第三十七条に規定する国民の保護のための措置に関する「重要事項」について、どのような事項が該当するか、具体的な判断基準及び想定される事例を示されたい。また、第三十三条第七項、第三十四条第八項、第三十五条第八項、第三十六条第七項、第三十七条第三項及び第三十九条第三項にそれぞれ規定する「軽微な変更」について、どのような変更が「軽微な変更」として協議会の諮問等の対象から除外されるか、具体的な判断基準及び想定される事例を示されたい。 三 内閣官房「国民保護ポータルサイト」に掲載されている「武力攻撃を想定した避難施設(シェルター)の確保に係る基本的考え方」及び「特定臨時避難施設の技術的ガイドライン」について、国民保護法又は関係法令のいずれの規定に基づき策定されたか、条文を特定して示されたい。また、これらに基づき地方公共団体が避難施設の設置、整備又は指定を行う場合、その意思決定は、「重要事項」又は「軽微な変更」のいずれに該当するかを明確に示した上で、その法的根拠及び判断理由を示されたい。 四 内閣官房「国民保護ポータルサイト」に掲載されている「沖縄県の離島からの住民避難に関する取組」について、当該取組が国民保護法のいずれの規定に基づき実施されたか、条文を特定して示されたい。また、当該取組により、住民の避難先、避難手段又は受入体制等が具体化されることは、「重要事項」に該当すると考えているか、該当性の有無及びその理由を含め、政府の見解を示されたい。 五 沖縄県は、公式サイトにおいて令和四年度から令和七年度の沖縄県国民保護図上訓練について公表している。当該訓練の実施について、政府は把握しているか示されたい。 六 都道府県や市町村が実施する図上訓練は、国民保護法又は関係法令のいずれの規定に基づき実施されているか、条文を特定して示されたい。また、当該訓練の実施に当たり、訓練内容、想定事態、参加機関等を決定する過程で作成された資料又は行われた協議については、「重要事項」又は「軽微な変更」のいずれに該当すると判断しているか、判断理由とともに示されたい。 七 市町村が国民の保護に関する計画を変更する際の根拠となる国民保護法又は関係法令の条文を示されたい。また、計画の変更の内容が「重要事項」又は「軽微な変更」のいずれに該当するかの判断主体及び判断手続を具体的に示されたい。 八 国民保護法に基づく計画変更が「軽微な変更」に該当するとして協議会を経ずに進められている場合、実質的に法定手続を逸脱した状態で公金が支出されていることにならないか、政府の見解を示されたい。 九 日本国憲法及び財政法(昭和二十二年法律第三十四号)の趣旨に照らせば、国費の支出には厳格な法的根拠及び妥当性が求められる。国民保護法に基づく事業に対して国庫負担金又は交付金を支出する場合、その事業が「法に基づき適正に決定された計画」に基づくものであることが、公金支出の正当性を担保する前提であると考えられる。 地方公共団体等が「軽微な変更」に該当すると判断し、協議会を経ずに計画変更した場合において、当該判断が不適切と認められるとき、政府は協議会の開催を促すなど是正を求める権限を有しているか、見解を示されたい。また、「軽微な変更」に該当する場合であっても、住民の生命・身体・財産に影響を及ぼし得る内容を含むときに、住民への説明や周知を簡略化することが許されるか、住民への説明や周知の要否及びその水準について、政府の見解を示されたい。 十 市町村による国民の保護に関する計画の変更が「軽微な変更」と判断された事例について、政府が事後的に妥当性を確認又は検証する仕組みはあるか示されたい。ある場合にはその内容を、ない場合にはその理由を示されたい。 十一 石垣市は二〇一九年十二月、石垣市国民保護計画の一部を変更した。同市公式サイトによれば、「今回の変更は、国民保護法施行令第五条の軽微な変更に該当するため、協議会を開催せず、意見照会のみ実施」したとされている。 政府は、国家全体の国民保護計画との整合性を確保するため、前記のような地方公共団体の「軽微な変更」についても把握する必要があると考えるが、政府は石垣市の変更事案を把握していたか示されたい。また、当該変更について、政府は具体的にどの点が「軽微な変更」に該当すると整理しているか、該当箇所及び判断理由を示されたい。さらに、当該変更が「重要事項」に該当し得る内容を含んでいた場合、協議会を開催しないことは国民保護法の趣旨に反しないか、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |