質問主意書

第221回国会(特別会)

質問主意書

質問第一〇号

福島県におけるがんの多発状態に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和八年三月九日

福島 みずほ


       参議院議長 関口 昌一 殿



   福島県におけるがんの多発状態に関する質問主意書

 全国がん登録の統計データについては、二〇二五年三月二十七日に二〇二一年調査分、二〇二六年一月十六日に二〇二二年及び二〇二三年調査分がe―Statにて公開された(以下「当該データ」という。)。当該データを週刊金曜日編集部及びジャーナリストの明石昇二郎氏が解析したところ、福島県において胃がんは十二年連続で「有意な多発」状態にあることが確認された。

 この現状を前提に、以下質問する。

一 当該データを解析した結果、福島県において胃がんは十二年連続で「有意な多発」状態にあること、また、胆のう・胆管がんは、男性では七年連続、女性では十年連続で「有意な多発」状態にあることが確認されたが、政府は把握しているか、また、政府も同様の認識であるか示されたい。

二 当該データを福島県民のがん予防やがん治療に活用することは重要と考える。政府は福島県の各自治体と連携して、当該データを活用した治療や予防対策活動を行っているか示されたい。行っている場合、その活動事例を実施内容、時期を含めて示されたい。

三 がん登録等の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十一号)が二〇一三年十二月十三日に公布された。同法律に基づき人員と予算を費やして収集されている貴重な統計データは、国民の健康維持、がんの治療や予防対策に活用されるべきである。がん対策としてこれらの統計データを活用している場合、日本全国及び福島県における施策の具体例を示されたい。

四 東京電力福島第一原子力発電所の事故直後の二〇一一年三月十七日から十九日、米エネルギー省が在日米軍機を使用して空から放射線測定(モニタリング)を行い、詳細な汚染地図(以下「当該地図」という。)を作成し、日本政府に提供したと報道されているが、同報道は事実か示されたい。

五 政府が当該地図を公表せず、住民の避難に活用しなかったため、福島第一原発から放射性物質が大量に放出される中、大勢の住民が北西方向に帯状に広がる高濃度地域に避難する結果を招いた可能性がある。福島第一原発の事故が発生した当時、当該地図が有効活用されなかったことについて、政府の認識を示されたい。

六 今後、原発事故が発生した場合の対応策について、以下質問する。

 1 原発事故が発生した際、政府の責任の下で航空機やヘリコプターを使用して、原発施設周辺地域の放射線測定を実施する計画はあるか示されたい。ある場合、その計画には測定結果をインターネット上で迅速に公開することが含まれているか示されたい。また、同計画はいつ、どのような内容で確定したか、その根拠となる法律、省令、ガイドライン等と併せて示されたい。

 2 原発事故が発生した際、避難した原発施設周辺地域の住民に対して実施される被曝線量検査の結果データが本人に必ず行き渡る仕組みは導入されているか示されたい。また、同住民に対する健康面の追跡調査の実施、高濃度の被曝による疾病を早期発見するための国や自治体による定期的な健康診断を義務付ける制度は導入されているか明示されたい。これらの制度や対策が未導入の場合、今後、政府は導入する予定があるか方針を示されたい。

 3 原発事故が発生した際、屋内待機をした原発施設周辺地域の住民に対し、被曝線量検査を実施する制度は導入されているか示されたい。また、一般市民でも被曝の程度が容易に理解できるよう、被曝線量の単位をあらかじめ統一しておくべきと考える。cpm、ベクレル毎平方センチメートル、シーベルト等、被曝線量の単位が混在していては一般市民が理解できないため改善すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

 4 原発事故が発生した際、原発施設周辺地域の住民に対し、原発施設周辺地域の放射線測定結果を広く周知するとともに、その結果に基づき、住民の安定ヨウ素剤の服用を迅速に実施する制度を導入しているか示されたい。

 5 原発事故が発生した際、現場で実際に講じられた対策の詳細を後に検証できるように、事故対応に関する全ての活動を録音、録画等により記録するなど、デジタル媒体への活動記録の保存を義務付ける法律を制定すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。