第219回国会(臨時会)
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内閣参質二一九第八二号 令和七年十二月二十六日 内閣総理大臣 高市 早苗
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員牧山ひろえ君提出マイナ保険証への一本化に係るトラブル及び保険証の切替えが困難な国民に対する支援措置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員牧山ひろえ君提出マイナ保険証への一本化に係るトラブル及び保険証の切替えが困難な国民に対する支援措置に関する質問に対する答弁書 一について お尋ねの「トラブル」については、例えば、令和五年八月八日に開催された「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会」の「最終とりまとめ」(以下「最終とりまとめ」という。)において示されている「保険者によるデータ登録の遅れや、医療機関等の機器不良等により、マイナンバーカードでオンライン資格確認を行うことができない」ことや「顔認証付きカードリーダーの読み取り時のトラブル」等を想定していたところであるが、お尋ねのような「トラブル発生確率の見積り」は行っていない。 二の前段について お尋ねの「トラブルの発生状況」については調査を行っていないため、お尋ねの「一のトラブル」の「発生件数」は把握しておらず、また、「発生原因の分析、医療機関及び患者への影響」についても、網羅的には把握していないが、例えば、一についてで述べた「保険者によるデータ登録の遅れや、医療機関等の機器不良」のお尋ねの「発生原因」としては、当該データに関する事業主から保険者への届出の遅れや当該機器が適切に設置されなかったこと等があり、「マイナンバーカードでオンライン資格確認を行うことができない」ことにより、お尋ねの「医療機関及び患者への影響」が生じないよう、「マイナ保険証を基本とする仕組みへの移行について(周知)」(令和七年十一月十二日付け厚生労働省保険局医療介護連携政策課事務連絡。以下「令和七年事務連絡」という。)により、関係団体を通じて保険医療機関及び保険薬局(以下「保険医療機関等」という。)に対して、資格確認に当たって、健康保険法施行規則第五十三条第一項第五号等に規定する厚生労働大臣が定める方法(令和六年厚生労働省告示第三百四十九号)第一項第一号の規定に基づき、「個人番号カード」とともに「資格情報通知書」を提示する方法や、同項第二号の規定に基づき、「個人番号カード」とともに「情報提供等記録開示システムを通じて取得した当該被保険者又は被扶養者の資格に係る情報が記録されたもの」を提示する方法等による受診が可能とする取扱いについて周知するとともに、厚生労働省においてこうした内容を記載したリーフレットの作成やホームページでの公表等を通じて、保険医療機関等及び国民への周知・啓発を行っている。また、一についてで述べた「顔認証付きカードリーダーの読み取り時のトラブル」のお尋ねの「発生原因」としては、当該顔認証付きカードリーダーが適切に設置されなかったこと等があり、お尋ねの「医療機関及び患者への影響」が生じないよう、当該顔認証付きカードリーダーの設置方法について、令和七年事務連絡により関係団体を通じて保険医療機関等に対して周知するとともに、同省のホームページでの公表等を通じた周知を行っている。 二の後段について 一についてで述べたとおり、「トラブル発生確率の見積り」は行っていないため、お尋ねの「乖離」の有無について定量的にお示しすることは困難であるが、一についてで述べた「保険者によるデータ登録の遅れや、医療機関等の機器不良」及び「顔認証付きカードリーダーの読み取り時のトラブル」については、実際に一部の保険医療機関等で発生しているものと承知しているところ、二の前段についてで述べたとおり、保険医療機関等に対する周知等により、改善を図っているところである。 三について お尋ねの「システム障害時における」「医療機関の負担軽減策」として、「従来の健康保険証の暫定使用」は実施していないが、「資格確認の代替手続」に関しては、マイナンバーカードで資格確認を行うことができない場合の対応について、二の前段についてで述べたとおりである。また、「医療事務に対する支援(財政支援、窓口における混乱防止策)」に関しては、例えば、「令和七年度(令和六年度からの繰越分)地域診療情報連携推進費補助金(訪問診療等におけるオンライン資格確認)実施要領」(令和七年十一月二十七日付け保発一一二七第二号厚生労働省保険局長通知別紙)に基づき、保険医療機関等が行う「顔認証付きカードリーダー等の機器が故障した時の資格確認・・・を実施する必要がある保険医療機関等において、オンライン資格確認を実施できるようにするためのレセプトコンピューター・・・の改修等、モバイル端末や汎用カードリーダーの購入等に係る事業」に対して補助を行っているところである。また、お尋ねの「これらのほかに政府として講じている具体的対策」については、例えば、こうした取組の内容を記載したリーフレットの作成や社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険中央会のホームページでの公表等を通じた周知を行っているところである。 四について 御指摘の「マイナ保険証への切替え」に関して、個人番号カードを健康保険証として利用するための登録については申請を要するものではないことから、政府としては、「自治体窓口における代理申請支援、訪問・出張サポート」は行っていないが、「資格確認書の即時発行及び相談窓口・コールセンターの強化」に資するよう、「資格確認書の様式等について」(令和五年十二月二十二日付け厚生労働省保険局国民健康保険課事務連絡)や「資格確認書の運用等に関するQ&Aについて」(令和六年八月一日付け厚生労働省保険局国民健康保険課事務連絡)等により、都道府県を通じて市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対して、都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険における資格確認書の交付等に関する運用の詳細について、周知を行っているところである。また、これに関し、お尋ねの「期限」は設けていないことから、これに関するお尋ねにお答えすることは困難である。また、お尋ねの「自治体による実施状況」については把握していない。 五について お尋ねのような「人数」については、調査を行っておらず、把握していない。 六について お尋ねの「緊急措置」について、御指摘の「従来の保険証を使用可能とする臨時措置」に関しては、「従来の保険証」自体を「使用可能とする」ことは行っておらず、また、御指摘の「医療機関の受診拒否を禁止する運用」に関して、一般に、保険医療機関等の窓口で患者の「資格確認ができない」ことのみをもって、保険医療機関等が「受診拒否」をすることはないものと考えられるところ、そのように「禁止する運用」は行っていないが、令和七年事務連絡により、「令和八年三月末まで」の「移行期における暫定的な取扱い」として、「十二月二日以降、期限切れに気がつかずに健康保険証を引き続き持参してしまった患者や、保険者から通知された「資格情報のお知らせ」のみを持参する患者については、保険証等単体で有効なものとして取り扱うものではありませんが、加入している保険者によらず、保険給付を受ける資格を確認した上で適切に受診が行われるよう、被保険者番号等によりオンライン資格確認等システムに照会するなどした上で、三割等の一定の負担割合を求めてレセプト請求を行うこととする運用は、暫定的な対応として差し支えない」こととし、関係団体を通じて保険医療機関等に対して周知する等の対応を行っているところである。また、御指摘の「資格確認書を即時発行できる体制の強化」に関しては、資格確認書を円滑に交付できるよう、四についてで述べたとおり、資格確認書の交付等に関する運用の詳細について周知を行っているところである。 七の1について 御指摘の「今回の一本化に当たって必要となった経費」の具体的に指し示す範囲が明らかではないため、お尋ねの「総額」をお示しすることは困難である。また、お尋ねの「広報経費」の額については、例えば、医療保険者等による周知広報に要する費用として、「マイナンバーカード健康保険証一体化広報費」(令和四年度第二次補正予算に係るもの)は約十億円、「マイナンバーカード健康保険証一体化広報事業費」(令和五年度補正予算に係るもの)は約十一億円、「マイナンバーカード健康保険証一体化周知広報事業費」(令和四年度第二次補正予算に係るもの)は約十四億円、「マイナンバーカード健康保険証一体化周知広報事業費」(令和五年度補正予算に係るもの)は約三十一億円である。また、お尋ねの「支援措置経費」については、その指し示すものが明らかではないため、お答えすることは困難である。さらに、お尋ねの「システム改修経費」については、例えば、医療保険者等が導入している加入者の資格管理等のために用いるシステムの改修に要する費用として、「マイナンバーカード健康保険証一体化システム改修事業費」(令和四年度第二次補正予算に係るもの)は約三十二億円、「マイナンバーカード健康保険証一体化システム改修事業費」(令和五年度補正予算に係るもの)は約三百六十七億円である。また、お尋ねの「経済効果」の試算は行っていない。 七の2について お尋ねの「費用対効果」について、定量的な「検討」は行っていないが、「効果」については、最終とりまとめにおいて、「患者本人の健康・医療に関するデータに基づいた、より適切な医療を受けていただくことが可能となるなどのメリットがある」等とされており、そのために必要な「費用」について、七の1についてで述べたとおり、必要な経費を措置したものである。 |