質問主意書

第219回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一九第八一号
  令和七年十二月二十六日
内閣総理大臣 高市 早苗


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出マイナ保険証への一本化に係る準備状況等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出マイナ保険証への一本化に係る準備状況等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「一本化に係る準備状況」について、御指摘の「医療機関の準備」に関しては、例えば、「マイナ保険証を基本とする仕組みへの移行について(周知)」(令和七年十一月十二日付け厚生労働省保険局医療介護連携政策課事務連絡)により、関係団体を通じて保険医療機関及び保険薬局(以下「保険医療機関等」という。)に対して、「マイナ保険証による資格確認を基本とした運用を行っていく上での留意事項」等に関する周知を行い、御指摘の「オンライン資格確認システムの整備」に関しては、オンライン資格確認等システムを運用する社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険中央会に対して当該システムの整備に関し補助等の支援を行い、御指摘の「資格確認書の配付体制」に関しては、例えば、都道府県を通じて市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対して、「資格確認書の様式等について」(令和五年十二月二十二日付け厚生労働省保険局国民健康保険課事務連絡。以下「令和五年事務連絡」という。)や「資格確認書の運用等に関するQ&Aについて」(令和六年八月一日付け厚生労働省保険局国民健康保険課事務連絡)等により、保険者による資格確認書の交付等に関する運用の詳細を示すとともに、「要配慮者に対する資格確認書の交付等について」(令和七年五月十三日付け厚生労働省保険局国民健康保険課等事務連絡)により、要配慮者に対する資格確認書の交付等に関する運用の詳細を示し、御指摘の「一本化の周知」に関しては、例えば、都道府県を通じて市町村に対して、「国民健康保険被保険者証の有効期限到来前のマイナ保険証及び資格確認書の取扱い等に関する事前周知について」(令和七年四月三日付け厚生労働省保険局国民健康保険課及び医療介護連携政策課連名事務連絡)により、厚生労働省が作成した発行済みの被保険者証の有効期限が到来するに当たっての周知用のリーフレット等のひな型を送付し、これを活用した被保険者に対する事前の周知の依頼を行うとともに、当該リーフレット等について同省のホームページにおいて公表する等の広報を行い、御指摘の「相談体制の整備」に関しては、相談対応を含め、資格確認書の交付に関する事務が円滑に行われるよう、「資格確認書の運用等に関するQ&Aについて」等により、都道府県を通じて市町村に対して周知する等の取組を行ってきたところである。このように、政府としては御指摘の「一本化に係る準備」に最大限努めてきたところであり、「万全ではない部分があった」とは認識していない。

二について

 お尋ねの「従来の健康保険証からマイナ保険証への切替率」は、保険医療機関等におけるオンライン資格確認の利用件数に占める「マイナ保険証」の利用件数の割合(以下「マイナ保険証の利用率」という。)と、お尋ねの「全国平均」は、保険医療機関等全体でのマイナ保険証の利用率とそれぞれ理解した上で、①保険医療機関等全体、②後期高齢者医療制度、③国民健康保険及び④被用者保険ごとのマイナ保険証の利用率を令和七年七月から十一月までの月ごとにお示しすると、次のとおりである。

 七月 ①三十一・四三パーセント ②二十八・三九パーセント ③三十五・一六パーセント ④三十二・一四パーセント

 八月 ①三十四・三二パーセント ②二十八・八二パーセント ③四十二・九八パーセント ④三十四・四七パーセント

 九月 ①三十五・六二パーセント ②三十・八五パーセント ③四十四・四〇パーセント ④三十五・一九パーセント

 十月 ①三十七・一四パーセント ②三十二・二四パーセント ③四十六・一五パーセント ④三十六・六九パーセント

 十一月 ①三十九・二四パーセント ②三十三・九一パーセント ③四十七・六五パーセント ④三十九・二三パーセント

三について

 御指摘の「切替えが十分に進んでいなかった」及び「その段階で追加的な対応策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「一本化」に向けた「対応策」については、順次、市町村等の保険者、保険医療機関等及び国民に対する周知広報等の対応を行ってきたところであり、例えば、都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険(以下「市町村国保」という。)については、多くの市町村において令和七年七月末に発行済みの被保険者証の有効期限が到来することを踏まえ、一についてで述べたとおり、同年四月に、「国民健康保険被保険者証の有効期限到来前のマイナ保険証及び資格確認書の取扱い等に関する事前周知について」により、当該有効期限の到来に当たっての事前の周知の依頼を行うとともに、必要な広報を行ったほか、次いで、被用者保険についても、同年十二月一日に発行済みの被保険者証の有効期限が到来することを踏まえ、同年十月に、関係団体を通じて保険者に対して、「被用者保険被保険者証の有効期限到来前のマイナ保険証及び資格確認書の取扱い等に関する事前周知について(周知依頼)」(令和七年十月二日付け厚生労働省保険局医療介護連携政策課及び保険課連名事務連絡)により、厚生労働省が作成した同年十二月二日以降の保険医療機関等での被保険者による受付等に関するリーフレット等を送付し、これを活用した被保険者に対する事前の周知の依頼を行うとともに、当該リーフレットについて同省のホームページにおいて公表する等の広報を行ってきたところであり、マイナ保険証の利用率は着実に上昇しているものと認識している。

四について

 お尋ねの「資格確認書の発行件数及び発行理由の内訳(高齢者・障害者・カード紛失等)」については、全ての保険者の状況を網羅的に把握しているわけではないが、例えば、市町村国保においては、厚生労働省が都道府県を通じて行った調査によると、令和七年三月三十一日時点で、お尋ねの「資格確認書の発行件数」は百七十二万五千四百七十三件であり、お尋ねのその「発行理由の内訳」については、令和五年事務連絡において「資格確認書の交付対象者」としている「本人の申請によらない交付(職権交付)」、「マイナンバーカードを紛失した者」及び「介助者等の第三者が要配慮者に同行して資格確認を補助する必要があるなど、マイナ保険証での受診が困難な場合」並びにその他の件数でお示しすると、それぞれ百五十二万九千四百七十二件、七万三百十件、六千九百十八件及び十一万八千七百七十三件となっているところである。

 また、御指摘の「自治体窓口の発行体制の強化」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、市町村国保の保険者である市町村においては、資格確認書の発行による事務処理の変更や被保険者等からの問合せへの対応等が必要となったことを踏まえ、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第七十二条第一項及び国民健康保険の調整交付金等の交付額の算定に関する省令(昭和三十八年厚生省令第十号)第六条第一号ヲの規定並びに「令和七年度特別調整交付金交付基準」(令和七年十一月十四日付け保国発一一一四第一号厚生労働省保険局国民健康保険課長通知別紙)に基づき、「リーフレットの照会対応のために、窓口対応や電話対応を委託した場合の委託に要する費用」及び「加入者情報通知等マイナ保険証に係るコールセンターを設置した場合の設置に要する費用」について、国から「交付」することとしているところである。

五について

 御指摘の「一本化に係る反省点、改善点及び制度設計・現場運用における教訓」の「整理・評価」について具体的かつ網羅的には行っておらず、これに関するお尋ねにお答えすることは困難であるが、政府としては、「今回の一本化」の検討に当たっては、「国民生活への影響」も考慮し、また、「現場運用」が適切に行われるよう、国会や社会保障審議会医療保険部会等における議論及び地方自治体等との協議を通じて、「制度設計」に当たり必要な改善を図り、また、こうした状況について厚生労働省のホームページで公表しながら取り組んできたところであり、現時点でお尋ねのような「検証」を行う予定はない。